エピソード3 見た目に対する反応
『チャプンッ。シャアアアッ』
『ふうっ…』
帝都魔法学園での講義を終えた後に、図書館で大好きな読書を行いましたが。公衆浴場での湯浴みは読書とは異なる種類の楽しさがあります。
チラッ、チララッ。ジイッ…。
公衆浴場の女湯で湯浴みをしていますが、帝都に来てから感じる視線が今宵も私に対して向けられています。
『花さん』
『真実さんも湯浴みに来られていましたか』
帝都魔法学園の学生寮の女子寮で、隣室のヴェレーナさんが、公衆浴場の女湯の大浴場でお湯に浸かり湯浴みをしている私に声を掛けてくれました。
『フロリアーヌさんは、貴族諸侯であらせられる皆様方の家門に多い金髪と瑠璃之青の瞳をされていますから、基本的に平民身分の皆さんが使用する公衆浴場で湯浴みをされていますと、令嬢が何故ここに居るのだろうという奇異な視線を向けられますわね』
帝都で商売をされている豪商の免状貴族身分の商家で生まれ育たれたヴェレーナさんは、地方部出身の私に対して親切に帝都で暮らしていく上で必要な知識を教えて下さる、面倒見の良い同い年の十四歳の女子学生です。
『私の名前は地方部の平民身分の村娘に多い花ですから、見た目だけで判断せずに話しをして自己紹介をさせてもらえれば、止事無い身分であらせられる皆様方とは関係が無いと解るのですけれど』
大浴場のお湯に浸かりながら話した私に対して、銀白色の髪の毛と緑青色の瞳をされているヴェレーナさんは、上品な笑みを浮かべまして。
『私も免状貴族身分の商家の生まれですけれど、銀白色の髪の毛と緑青色の瞳のせいで、帝都では令嬢や淑女に間違われる事が幼い頃から多かったですけれど。フロリアーヌさんは地方部出身ですから、帝都での周囲の皆さんによる反応に入学当時は戸惑っていられましたわね♪』
帝都魔法学園に入学するまでは地方部にある故郷の村から出ずに暮らしていましたから、容姿の違いによりある程度の身分の差を視覚化している帝都での反応には戸惑いました。