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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード25 女性二人から見た視点

『アンリ卿は複雑な家庭環境に生まれ育たれた殿方ですけれど、子爵ヴァイカウント閣下の御令息様として立派に成長なされていられますわね♪』


学生食堂メンザでの夕餉ゆうげり終えまして、寄宿生活を送っています、学生寮シュトゥデンテン・ヴォーンハイムの女子寮内にある自室へと戻りましたが。隣室の真実ヴェレーナさんが、狭い室内に唯一ある椅子に腰掛けられながら、寝台の上に座り話しを聞いている私に対して、笑顔で仰られましたので。


『ヴェレーナさんは、アンリ卿を嫌われていられますね』


私の言葉に対してヴェレーナさんは、満足気な笑みを見せられますと。銀白色ズィルバー・ヴァイスの髪の毛を揺らしながら、緑青色ギフト・グリュンの瞳による眼差しを私に向けまして。


『アンリ卿は御父君であらせられる子爵ヴァイカウント閣下が、所有物でもある奴隷身分の女性奴隷労働者スクラーヴェン・アルバイテリンに手を付けて産ませた殿方ですけれど。天から根元魔法の素質を授かりし魔法使マーギアーいとして生まれましたので、正式に御令息様として認知をされた、強い天運の持ち主ですわね♪』


免状貴族エードラー身分の豪商でもある御父君による、家父長権から解放されて自由となる為に、帝国の君主であらせられる皇帝陛下の直臣の臣下の身分となる帝国女騎士ライヒス・リッテリンを目指していられるヴェレーナさんの立場から見ますと。アンリ卿は奴隷腹ですので、貴族諸侯であらせられる皆様方の社交界にて多少の苦労はされていられましても、非常に恵まれた出自であると感じていられるようです。


『地方部出身の平民身分の女性として、ヴェレーナさんの考えには共感を覚えます』


演劇の題材などでしたから、貴族諸侯であらせられる御父君が、所有物の女性奴隷労働者スクラーヴェン・アルバイテリンに手を付けて産ませた、黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をされている貴公子は、観客の同情を集める存在かも知れませんが。免状貴族エードラー身分や平民身分の女性に生まれたヴェレーナさんや私からすれば、アンリ卿は非常に恵まれた出自だとしか思えません。


『やはりフロリアーヌさんとは、同性の女性同士で意見が合いますわね♪』


演技抜きで本心からだと思われる笑みを見せていられるヴェレーナさんに対して、私は瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳の視線を向けまして。


忌憚きたん無く話せるヴェレーナさんと過ごす時間は、私にとっても非常に有意義であると感じています』

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