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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード24 少数派の文化圏に属されていられる貴公子

『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』


チラッ、チララッ。ジイッ…。


『やはり狩りで仕留めたばかりの新鮮な獲物の肉を調理した、骨付きのあばら肉であるリップヒェンは非常に美味しいと感じます』


寄宿生活を送りながら根元魔法を学んでいる、帝都魔法学園の学生食堂メンザにて。狩猟講義に参加されていた魔法使マーギアーいと女魔法使マーギエリンいの学生が仕留めた獲物を調理した、骨付きのあばら肉であるリップヒェンが提供されていたので。感謝をしながら美味しく命を頂いています。


『お気に召されたようですね。フロリアーヌ女史♪』


私に対して優雅エレガントな笑みを向けられていられる、黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をされている貴公子でもある、アンリ卿に対して頷きまして。


『はい。アンリ卿。故郷にはあまり良い思い出はありませんが、土地を荒らす害獣を駆除した後に、家族で食卓を囲み肉料理を食べたのを思い出しました』


地方部で暮らしていた平民身分の小娘でした私は、肉料理を食べられるのは害獣駆除を行った時と、女魔法使マーギエリンいとして御代官様の御手伝いをさせて頂いた後に、夕餉ゆうげに御招待を頂けた時くらいでしたので。ヴェッケ・ヴェルクのように、肉の最後の一片まで無駄にしない料理を好んでいます。


『フロリアーヌ女史のような淑女マドモアゼルのお気に召して、無上の喜びです♪』


褐色ブルネットの肌色に映える、手入れの行き届いている並びの良い純白アラバスター・ヴァイスの歯を見せながら優雅エレガントに笑われているアンリ卿を、良く知らない人物が見ましたら。同い年の十四歳の女子学生である私に好意を寄せて、口説かれているとの誤解を招く可能性が高いですが。


『アンリは子爵ヴァイカウント閣下であらせられる親父さんの御領地で、ガキの頃から根元魔法を用いた狩りを日常的にしていたからな』


男爵バローン閣下の御息女であらせられる令嬢フロイライン希望ナディーネさんの言葉に対して、アンリ卿は私に向けられていたのと全く同じ笑みを向けられまして。


『はい。令嬢フロイラインナディーネ女史。貴女と共に初めて狩りをした日の思い出は、私にとっては生涯の宝となっています♪』


アンリ卿の御父君であらせられる子爵ヴァイカウント閣下の爵位の序列は、ナディーネさんの御父君であらせられる男爵バローン閣下より一つ上になりますが。宮城にて宮仕えをなされていられる男爵バローン閣下は、爵位以上の影響力を行使する事も可能な立場にあります。


『アンリは女性を相手にした時の態度は、子供の頃から変わらないよね』


ナディーネさんの幼馴染みですので、アンリ卿とは帝都魔法学園に入学する以前から面識のあるハンナさんの言葉に対して、アンリ卿は三度みたび優雅エレガントな笑みを向けられまして。


『はい。ハンナ女史。令嬢フロイライン淑女マドモアゼルに対しては、騎士シュヴァリエ道精神を持って接するべしとの、父上から受けた薫陶くんとうですので♪』


なお、アンリ卿の御父君であらせられる子爵ヴァイカウント閣下は、帝国内では少数派の文化圏に属されていられますので。多数派の文化圏に属されていられる爵位が同格な貴族諸侯であらせられる皆様方は、城伯ブルク・グラーフ閣下と女城伯ブルク・グレーフィン閣下になります。


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