エピソード22 貴族諸侯と商家
『これまでは特には意識していなかったのですけれど、閲覧制限のある書籍が収納されている区画に出入りされていられる皆さんは、それなりに居られますね?』
帝国の君主であらせられる皇帝陛下から、帝国騎士と帝国女騎士の身分をこの百年の間に叙勲された皆様方の名簿を丁寧に本棚の元の場所に戻しましてから。図書館内にある、閲覧制限の書籍が収納されている区画に目を向けて話しますと。
『宮城や他の官庁で働く官吏の制服を着ているのは、公用で調べ物に来ているからな。ああした官吏に関しては、真実みたいな免状貴族身分や、恵や花みたいな平民身分でも、公用に限り予め閲覧許可が降りているからな』
宮城にて宮仕えをされていられる、男爵閣下を御父君に持つ令嬢でもある、希望さんによる説明を聞き納得しまして。
『宮城や官庁で働かれていられる、免状貴族身分や平民身分の官吏の皆さんには、予め閲覧許可が降りている訳ですか』
皇帝陛下の直臣の臣下であらせられる、貴族諸侯と帝国騎士と帝国女騎士身分の皆様方だけでは、帝都の官僚機構を運営するのは不可能ですから。封建制度を政治体制に採用している帝国でも、現実的で柔軟な対応をされている訳ですね。
『帝都にて商売をされている免状貴族身分の御父様も、どうしても必要な調べ物がある時には、閲覧許可を申請されていましたけれど。許可が降りるまでは時間が掛かりましたから、やはりいつでも自由に閲覧制限のある書籍を読める、帝国女騎士身分となる利点は大きいですわね』
ヴェレーナさんの話に、ハンナさんも同意して頷かれまして。
『私のお父さんもヴェレーナの家と基本は同じかな?。出入りを許されているナディーネの男爵家が、御用商人のお父さんに何かと便宜を図ってくれているけれど』
貴族諸侯であらせられる皆様方と商売をされている商家の皆さんは、身分と序列を重んじる封建制度の社会でも、巧みに現実に適応されています。




