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エピソード195 無言にて私の様子を御覧になられる御方

ジイッ。


『何か御用でしょうか?。カール卿』


図書館ビブリオテークで独りで読書をしていますと、ティッシュを挟んで向かい側の席にカール卿が腰掛けられまして、私の様子を御覧になられていました?。


『申し訳ありませんフロリアーヌ女史。読書の邪魔をしてはいけないかと思いまして、声を掛けずにいました』


ふむ?。特に用向きは無いようですね。


『そうでしたか』


「パラッ」


帝都の幼年学校カデッテン・アンシュタルトにて寄宿生活を送られています、ツヴィングリ男爵バローン閣下の御嫡男様であらせられます黒髪シュヴァルツのカール卿ですが。読書を再開した私の様子を、ティッシュを挟んだ向かい側からそのまま眺めていられますが、用事は無いようですので、そのまま本を読み続けました。


「パラッ」


ジイッ。ニコニコニコッ♪。


{無言で我が主を眺めていられるだけですが、カール卿は楽し気に笑顔を見せていられますな?}


そのようですね?。まあ、何も用事は無いようですので、私はこのまま読書を続けるだけです。髪飾ハール・シュムックり。


「パラッ」


ジイッ。ニコニコニコッ♪。


「パラッ」


ジイッ。ニコニコニコッ♪。


「パラッ」


ジイッ。ニコニコニコッ♪。


『間もなく閉館の時間となります』


聞き慣れた女性司書の声が図書館ビブリオテーク内に響きましたので、私は椅子から立ち上がりますと、読んでいた本を丁寧に本棚の元の位置に戻しました。


『読書に集中されているフロリアーヌ女史は、本当に美しいと感じます♪』


ふむ?。カール卿が無言で私は御覧になられながら、楽し気な笑顔を御浮かべになられていられましたのは、美術館で芸術作品を鑑賞されるのに近い感覚だったのかも知れません。


『もし宜しければこの後は、一緒に飲食店ガスト・シュテットに行きませんか?。フロリアーヌ女史』


私が読書を終えるまで待っていて下された、カール卿による御誘いに対して。


『はい。解りました。カール卿』


『ありがとうございます。フロリアーヌ女史♪』


{何と言いますか…、カール卿は少し奇妙な御方ですな?。我が主}


遊び相手として地方部出身の平民身分の村娘である私は、丁度良いと考えていられるのだと思いますけれど。確かに髪飾ハール・シュムックりの言う通り、カール卿は少し変わった御方かも知れません?。

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