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エピソード194 祖父による考え方の影響を

「パラッ」


やはり私の記憶は正しかったようですね。


{我が主がヴュルテンベルク家の上屋敷かみやしきにて開催されました晩餐会の際に、夜之祝福フェスト・アーベントを選ばれた理由は、以前に図書館ビブリオテークにて読まれた魔道具に関する書籍で見覚えがあったからですからな}


その通りです髪飾ハール・シュムックり。今していますように帝都魔法学園での講義を終えた放課後に、日課としています図書館ビブリオテークでの読書をしている時に読んだ魔道具に関する書籍の中に、夜之祝福フェスト・アーベントに関する記載がありました。


放課後に図書館ビブリオテークで独りで大好きな読書をしながら、髪飾ハール・シュムックりと脳内会話である念話をする際には、周囲の皆様方に一言断りを入れずに済むので楽だと感じながら本の内容に目を通しまして。


「パラッ」


ミスリルズィルバー製の魔道具である夜之祝福フェスト・アーベントの内部には、帝国の属国であるエルザス伯国産の魔玉まぎょくが、一対いっつい耳飾オーアリングりの左右の両方に埋め込まれている構造となっています。


{大気中の魔力マナを吸収しまして、根元魔法の能力と魅力を向上させる効果を持つ魔道具である夜之祝福フェスト・アーベントですが。女魔法使マーギエリンいであらせられます我が主は、根元魔法の強化にのみ関心がありまして、魅力の向上には興味がありませんからな♪}


髪飾ハール・シュムックりの言う通りですね。帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下である帝国女騎士ライヒス・リッテリン身分を私は、帝都魔法学園の学友の皆様方と共に目指していますけれど。地方部出身の平民身分の村娘に過ぎない私が容姿や魅力を磨くよりも、天から授かりし根元魔法の素質を鍛え上げて向上させて、選良ディ・エリーテである女魔法使マーギエリンいとしての能力を高めた方が、目的達成の可能性は高まります。


{我が主程の絶世の美貌の持ち主でしたら、止事無やんごとない身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の寵愛を受ける事も可能かとは思われますが?}


「パラッ」


私は今は十四歳の女子学生です。十年後、肌の手入れなどに気を使えば二十年後くらいまでは、容姿を武器に止事無やんごとない身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の社交界で戦えるかも知れませんが。加齢と共に必ず衰える容色に頼るよりは、天から授かりし根元魔法の素質を磨いて向上させる道を女魔法使マーギエリンいとして選びます。髪飾ハール・シュムックり。


{それでこそ我が主ですな♪}


…まあ、退役軍人な一家の家長でもある、平民身分の祖父による考え方の影響を、孫娘エンケリンとして受けているのは否定は出来ません。髪飾ハール・シュムックり。


{我が主の御爺様グロースファーターであらせられます魔法使マーギアーいも、孫娘エンケリン女魔法使マーギエリンいを誇りに思われていられると思われます}


さあ、どうでしょうか?。まあ、祖父からは多くを学んだ事実は、孫娘エンケリンとして認めざるを得ませんから。髪飾ハール・シュムックり。

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