エピソード176 非常に良好な父子関係
『この建物が幼年学校なのですね?。カール卿』
『はい。花女史。兵士や他の学友と共に寄宿生活を送りながら学んでいる幼年学校となります♪』
飲食店にて貴族街にありますヴュルテンベルク家の城伯閣下の上屋敷にて開催されます晩餐会の招待状を受け取りましてから、カール卿と真実さんと私の同い年の男女三人で歩きながら、幼年学校の建物の正門前まで歩いて移動をして来ました。
『幼年学校は、ヴェレーナ女史とフロリアーヌ女史が学ばれていられます男女共学の帝都魔法学園とは異なりまして、男子校でもあります』
カール卿による御説明に対して、ヴェレーナさんと私は頷きまして。
『やはり帝国の君主であらせられます皇帝陛下の軍隊である帝国軍は、男性が多数派なのですね』
私の話にヴェレーナさんが笑われながら。
『帝都魔法学園にて、治癒魔法の講義を担当なされていられます、憲兵隊を古巣とされる帝国女騎士様のような女傑も一部には居られるようですわね。フロリアーヌさん♪』
治癒魔法の講義を担当されていられます老女教授は、憲兵隊の副総監であらせられますケルン家の伯爵閣下とも、旧知の間柄のようですけれど。魔法使いと女魔法使いという、天から根元魔法の素質を授かりし選良の帝国軍人の皆様方の間には、身分や性別の違いを越えた繋がりがあるのかも知れません?。
『父上もかつて共に戦われた戦友の皆様方の話しを、楽し気に御話になられます。ヴェレーナ女史にフロリアーヌ女史』
カール卿の御父君であらせられますツヴィングリ男爵閣下は、単身にて異国のシュヴァイツ共和国のゾロトゥルン州から帝国に移住されまして、平民身分の傭兵から帝国騎士身分となり、今では御領地と領民を御治めになられる貴族諸侯となられた、立志伝中の御方です。
{封建制度を政治体制に採用している帝国において、生粋の帝国之住民の平民身分でさえ皇帝陛下から爵位を叙爵される例は殆どありませんが。ツヴィングリ男爵閣下はそれに加えて異国出身ですから、誰も異論を挟めない程の多大なる功績を挙げられたのですな。我が主}
『私の祖父は退役軍人ですが、現役の軍人だった当時の事は孫娘の私にも話しませんから、カール卿が羨ましく感じます』
非常に良好な父子関係を築かれていられると感じますカール卿は、私の感想に対して嬉しそうな満面の笑みを見せられまして。
『はい。フロリアーヌ女史。父上は息子の私を非常に大切に慈しんで下されます♪』