エピソード175 性格的な共通点がある御二方
『御二方に面識があったのは驚きました。カール卿に真実さん』
『ヴェレーナ女史のご父君は、帝都にて手広く商売をされていますので。異国出身の父上からしますと、帝国での止事無い身分であらせられます皆様方の間で流通している品々に関する情報を当家に提供して頂いています。花女史♪』
ヴェレーナさんに内心の不安を吐露した翌日の放課後に、帝都にあります飲食店にて。ツヴィングリ男爵閣下の御嫡男様であらせられますカール卿と、私とヴェレーナさんの二人で御会いをしています。
『男爵閣下には父を引き立てて頂きまして、娘として心底よりの御礼を申し上げますわ』
『お気になさらずに。ヴェレーナ女史♪』
{首飾りの主のご父君は免状貴族身分の豪商ですが、異国であるシュヴァイツ共和国のゾロトゥルン州の御出身であるツヴィングリ男爵閣下からしますと、帝都における頼りになる情報源という関係のようですな}
カール卿の御父君であらせられますツヴィングリ男爵閣下は、一代にて皇帝陛下から爵位を叙爵された立志伝中の御方ですので。他の止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方とは異なりまして、代々取引のある御用商人が居ないので、能力主義に基づき役に立つ優秀な商人として取引相手に選ばれたのだと思われます。髪飾り。
スッ
『星姉上の婚約者であらせられます、ヴュルテンベルク家の帝国騎士様の御父君であらせられる城伯閣下の、貴族街にあります上屋敷で開催される晩餐会の招待状です』
どういう意味でしょうか?。
『城伯閣下は。カール卿の御父君であらせられます男爵閣下と同じく、非常に優れた魔法使いでもありますわね、フロリアーヌさん。貴族街にありますヴュルテンベルク家の上屋敷にて、天から根元魔法の素質を授かりし魔法使いと女魔法使いを集めて、選良による集いを時折開催なされていられますわね♪』
成る程。
『天から根元魔法の素質を授かりし魔法使いと女魔法使いによる集いですから。私のような地方部出身の平民身分の村娘が、止事無い身分であらせられます皆様方の上屋敷にて開催をされます催し物に慣れるには、最適な場なのですね。カール卿にヴェレーナさん』
私の見解を聞かれたカール卿とヴェレーナさんは、揃って満足気な笑みを見せられまして。
『フロリアーヌ女史は本当に聡明ですね♪』
『カール卿の仰られる通りですわね♪』
{カール卿と首飾りの主は、性格的な共通点があるように感じられますな。我が主}
同感です。髪飾り。