エピソード168 本心からの感謝の気持ち
「パラッ」
『間もなく閉館の時間となります』
最近は様々な出来事がありましたから、帝都魔法学園で学んだ後の放課後に、こうして図書館で閉館時間まで好きな読書を行えますと、幸せを実感します。
{我が主は、本当に本を読まれるのが御好きですな}
読書中は念話で語り掛けて来ずに、沈黙していてくれて感謝をします。髪飾り。
{御気になさらずに。我が主♪}
スッ
読んでいた本を丁寧に本棚の元の位置に戻しますと、大気中の魔力を集めて動力源とする魔道具の照明器具により、明かり灯されている図書館内を見回しましたが。閉館時間間際でも、官吏の制服を着用されている皆様方が、調べ物に来られていました。
{帝国の官僚機構で働く官吏には、昼も夜も関係が無いようですな?。我が主}
帝都魔法学園の在学中に、帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下の帝国女騎士身分となれましても、帝都の官僚機構で働く官吏は、進路選択から除外をした方がよいとの思いが、日に日に強まります。髪飾り。
{帝都魔法学園で共に学ばれていられる、御学友の御父君や御家族の話を聞いた範囲でも、帝国の官僚機構にて働く官吏は、私生活を犠牲にして君主に御仕えされているのが伝わって来ますからな。我が主}
図書館の玄関から外に出た私は、魔道具の街灯の光が照らす石畳で舗装されている道を歩きながら、夜空を見上げて雨は降らないかと確認をしながら。
帝国の君主であらせられます皇帝陛下に御仕えするのは、帝国之住民としては喜びであると御考えになられて、帝国軍や官僚機構で日夜精勤なされていられる皆様方が居るので、私達は平穏な日常生活を営めているのだと、心底より感謝をしています。髪飾り。
{我が主は本気でそう御考えになられていられますな}
貴方との脳内会話である念話における最大の利点は、嘘が吐けない点にあります。他の人を相手に話したら疑われる内容でも、髪飾りには私の本心であると解ってもらえますから。
{恐悦至極に存じ上げますな。我が主♪}
私の方こそ貴方に話し相手となってもらえて感謝をしていますよ。髪飾り。