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エピソード163 帝国の中枢における衛兵隊

チラッ『タッタッタッ』


『やはり帝都魔法学園の学生服は便利ですね。衛兵隊の隊員の皆さんも、私達には一瞥いちべつの視線を投げ掛けるだけで、奴隷市場から逃亡した奴隷だとは疑わずに、職務質問をされません。ザスキア女史』


帝都にあります奴隷市場の正門から、帝都魔法学園に向けて徒歩で移動しながら話した私の見解に対して。ザスキア女史は遠慮がちな笑みを見せながら。


「た、多分ですけれど。衛兵隊の皆様方は、私が帝都魔法学園の入学式の日に、フロリアーヌ女史の身分を誤認したのと同じく、止事無やんごとない身分であらせられるの令嬢フロイライン淑女マドモアゼルだと思われまして。私の事は御付きの侍女だと認識なされていられるのかと…」


ふむ?。確かに貴族諸侯であらせられる皆様方の御息女の、令嬢フロイライン淑女マドモアゼルでしたら、外出される際に侍女の一人くらいは伴われると思います。


{軍人一家で育たれました、腕輪アルム・バンドの主のような令嬢フロイラインもいられますが?。我が主}


私は地方部出身の平民身分の村娘ですから、貴族諸侯であらせられます皆様方の社交界に関する知識は非常に乏しいですけれど。気風きっぷの良い話し方をされます男爵バローン閣下の御息女の希望ナディーネさんは、止事無やんごとない身分であらせられる皆様方の間では、非常に珍しいのは解ります。髪飾ハール・シュムックり。


『まあ、馬車で無く徒歩で移動している時点で、貴族諸侯であらせられる皆様方の家門に生まれ育たれた令嬢フロイライン淑女マドモアゼルでしたら、奇妙な行動をしている事になるのではないかと思われます』


「た、確かに、フロリアーヌ女史の仰られる通りかと…」


{帝都では止事無やんごとない身分であらせられる皆様方は、移動の際には基本的に馬車を用いるようですからな。我が主}


侍女を一人だけ伴われまして、御忍びで外出をされて束の間羽を伸ばされている令嬢フロイライン淑女マドモアゼルが居られる場合もありますから。そうした可能性を考慮されまして、衛兵隊の隊員の皆さんは、私とザスキア女史を無視されているのかも知れません?。


{封建制度を政治体制に採用している帝国の中枢である帝都にて、治安維持を担う衛兵隊の隊員の仕事は大変ですな。我が主}


完全に同意をします髪飾ハール・シュムックり。役儀やくぎにより問う職務質問でさえ、先方せんぽうの身分をあらかじめ推し量らないと失礼になりますから。


「あ、あの、フロリアーヌ女史。ナディーネ女史と真実ヴェレーナ女史もそうですけれと、遺失魔道具でもある意志ある魔道具と脳内で念話をされながら歩かれていますと、少し危険ではないかと愚考する次第です…」


『ザスキア女史の仰られる通りですね。魔道具の街灯のリヒトがあるとはいえ、夜の帝都で髪飾ハール・シュムックりと念話をしながら歩いていますと、他の通行人と接触する恐れがあります。注意をして頂きまして感謝申し上げます』


私からの感謝の言葉を聞いたザスキア女史は、はにかみながらも笑みを見せられまして。


「も、勿体ない御言葉で御座います。フロリアーヌ女史♪」

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