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エピソード160 人相書き

『失礼をする』


『はい。何か御用ですか?。衛兵様』


飲食店ガスト・シュテットにてカール卿と兵士ギュンター卿とザスキア女史と話していますと、帝国の中枢である帝都の治安維持を担う組織の一つである、衛兵隊の隊員が二人組で訪れました。


御用改ごようあらためでしょうか?』


私が瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳を、飲食店ガスト・シュテットの女性従業員と話をされている、衛兵隊の隊員に向けながら話しますと。


『どうでしょうか?。このお店は真面目に商売をしていますから、聞き込みの可能性の方が高いかと思われます。フロリアーヌ女史』


ツヴィングリ男爵バローン閣下の御嫡男様であらせられますカール卿は、こちらの飲食店ガスト・シュテットの常連客のようですから、以前にも同じような状況に遭遇した事があるのかも知れません。


{その可能性はありますな。我が主}


『協力に感謝をする』


『勿体ない御言葉で御座います』


カール卿の予想通り聞き込みだったらしい衛兵隊の二人組は、飲食店ガスト・シュテットの女性従業員にお礼を言うとお店を後にされました。


『聞き込みですか?』


カール卿の問いに、女性従業員は私達の四人掛けの席に近付きますと、衛兵隊の隊員から渡されたらしい人相書きを見せまして。


『はい。カール卿。帝都の奴隷市場から逃亡した奴隷が居るそうです』


帝都の奴隷市場は以前に一度前を通り掛かった事はありますけれど、中には入った事が無いので、逃亡防止対策がどのようになっているのかは解りません?。


『見せてもらってもよいですか?』


『はい。カール卿。衛兵様からは、お店に貼り出しておいて欲しいと言われました』


逃亡奴隷の人相書きを、私達五人で眺めまして。


『外見の特徴としましては、全員が黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をしていますね』


私の指摘にカール卿は頷かれまして。


幼年学校カデッテン・アンシュタルトの制服を着ていれば平気なのですけれど、帝都に到着をして私服を着用していた当初は、黒髪シュヴァルツの私は平民身分か奴隷身分ではないかという視線で見られました。フロリアーヌ女史』


御父君であらせられますレバークーゼン家の子爵ヴァイカウント閣下から、御令息様として認知をされていますアンリ卿も。帝都魔法学園の制服を着用されていませんと、奴隷身分と誤認される事が多くて、苦労されているのだと思われます。


『懸賞金付きか。一応顔は覚えておくか』


ザスキア女史の弟でもあるギュンター卿の話に、カール卿も同意を示されまして。


『偶然見掛ける可能性もヌルでは無いからな。ギュンター』


カール卿の仰られる通りですから、私も人相書きの逃亡奴隷の顔は覚えておく事にしました。

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