エピソード150 放課後の予定変更
『湯浴みを済ませましても、大気中の魔力を一時的に体内に大量に取り込む効果はまだ持続しているように感じられます。真実さんと恵さんはどうですか?』
本日の帝都魔法学園での講義を全て受講し終えまして放課後となりましたが、ザスキア女史が古物市にて購入された魔道具でもある、香水の瓶による魔力の一時的な効果が継続していますので。私よりも先に使われた御二方に尋ねますと。
『私もまだ効果が持続しているみたい。ヴェレーナはどう?』
『私もまだ効果が持続していますわね。魅了効果も同様に持続していますから、花さんは本日は図書館に行かれますと、帝都の街中で注目を集める事になりますわね』
ふむ?。確かに光り輝く魅力に溢れる、ヴェレーナさんの仰られる通りかも知れません。
{本日は放課後に日課とされていられます、図書館での読書は取り止めますかな?。我が主}
やはり貴方がこうして脳内に直接念話で語り掛けてくれますと、不思議な安心感を覚えます。髪飾り。
{恐悦至極に存じ上げます。我が主♪}
『おっ。老女教授だぜ。学生寮の廊下で話すなと、文句を言いに来やがったかな?』
希望さんの藍色の視線の先には、退役軍人でもある祖父の戦友である、帝国女騎士身分であらせられます老女教授がいましたが。私達に近付かれますと。
『貴女達は時間はありますか』
日課としている図書館通いを取り止めるなら、本日の放課後は時間があります。
『はい。帝国女騎士様。私は時間があります』
地方部出身の平民身分の村娘である私が、帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下の身分である帝国女騎士の老女教授に対して、恭しく深々と御辞儀をして奉答をしますと。他の皆さんも同様の返答をされました。
『それなら付いて来なさい。嫌なら拒否しても構いません』
具体的な内容は話さずに、先ずは老女教授に付いて行くか、自らの意志で決めるようにとの事ですね。
『御供させて頂きます。帝国女騎士様』
私が最初に同行の意志を伝えますと、他の皆さんも倣われましたので。
『解りました。行き先は、帝都憲兵隊の本部です』
老女教授の古巣でもある憲兵隊の本部ですか?。確かケルン家の伯爵閣下が、副総監をされていられるはずです。
『具体的な内容は、憲兵隊の本部へ到着後に話します』
『はい。帝国女騎士様』
老女教授は返事をした私に対して、一瞬何か言いたげでしたが、踵を返されますと軍人らしい足取りにて出発されました。