エピソード139 敏感な体質
『根元魔法を学ぶ為の講義の教材として、魔道具である香水の瓶を使わせてもらい感謝をします。ザスキア女史』
「き、恐縮です。教授…」
ザスキア女史から昨日に古物市で購入されました香水の瓶を受け取られました教授は、厳重に封がしてあります容器を取り出されますと。
『百合の抽出液が入っている容器の封を開けますから、魔力に特に敏感な皆さんは注意をして下さい』
教授はそう仰られますと、容器の封を破られました。
『ビリッ』
『~~~~~~~~~~♪』
…百合の抽出液から聞こえてくる音色は、長時間聞いていますと意識が朦朧として来ます。
{我が主は帝都魔法学園にて根元魔法を学ばれていられます学生の中でも、特に魔力に敏感な体質をされていられますな}
「あまり好きな音色じゃ無ぇな…」
「同感ですわね。希望さん」
{腕輪の主と首飾りの主も、我が主と同様に魔力に敏感な体質のようですな}
ナディーネさんと真実さんは、非常に優秀な女魔法使いですから。髪飾り。
『それでは香水の瓶に、百合の抽出液を入れます』
教授が封を開けた容器から、香水の瓶に百合の抽出液を入れられますと。
『これは推測になりますが。この魔道具の香水の瓶の制作を依頼された御方は、私達のような天から根元魔法の素質を授かりし選良である、魔法使いと女魔法使いからしますと、副作用としか思えない効果を本来の目的とされていた可能性が極めて高いです』
多分教授の仰られる通りだと思われます。
『さて、百合の抽出液を入れましたので、後は魔力を流し込めば、魔道具である香水の瓶の中で変化が生じますが。本日講義を受講されている学生の中では、花女史が魔力が一番強いですので、お願いをします』
教授からの指名を受けた私は椅子から立ち上がりますと、ヴェレーナさんに言われて一年以上伸ばしている金髪を揺らしながら御辞儀を行いまして。
『はい。解りました。教授』