エピソード134 改めて結んだ友誼と恩返し
『本日は非常に楽しかったです。ザスキア女史』
プルップルップルッ。
「フ、花女史にそのように仰って頂きまして。き、恐悦至極に存じ上げます…」
帝都魔法学園の学生寮の女子寮の廊下にて、本日は楽しく共に過ごしたザスキア女史に対して、私は伸ばしている金髪を揺らしながら頷きまして。
『また一緒に出掛ける機会を持てれば嬉しく思います。ザスキア女史』
ジイッ。
ザスキア女史は私が本心から話しているのか、窺うような眼差しを一瞬だけ向けましたが。
「あ、有難う御座いますフロリアーヌ女史。ま、また御一緒する事が出来ましたら、私も非常に嬉しく思います♪」
笑顔を見せたザスキア女史に対して、私も笑みを見せまして。
『同感です。お休みなさい。ザスキア女史』
「は、はい。御休なさい。フロリアーヌ女史♪」
{ザスキア女史は足取り軽く、女子寮の自らの部屋へと向かわれましたな。我が主}
ザスキア女史には恵さんのように、帝都魔法学園で話し相手となってもらえる女子生徒が他にも居るのに、一年以上無視していた格好となる私と、改めて友誼を結んで頂けましたから、心から感謝をしています。髪飾り。
{首飾りの主が、ザスキア女史が古物市で購入されました香水の瓶に付与されている根元魔法を、講義にて試すように仕向ける為の根回しに動かれていますので。談話室で別れて不在だったのも、精神的な負担を軽減したようですな。我が主♪}
ザスキア女史と廊下で別れた私は、自らの女子寮の部屋の扉の前で、隣室である真実さん部屋の扉に、瑠璃之青の瞳の視線を向けまして。
ヴェレーナさんには本当に何から何まで御世話になっています。この恩は必ず返す必要があります。髪飾り。
「カチャッ」
自室に戻りました私は、恩返しをする為にも自らの女魔法使いとしての能力を高める必要があると改めて考えて、明日の予習を行う事にしました。