エピソード133 入手困難な抽出液
『百合からの抽出液は、魔道具を製造する際の触媒としても広く利用されていますから、帝国の内外にて栽培された百合の抽出液は、大手の商会と取引関係にあります工房や、診療所の医者や女医が、供給される品を抑えていますから。私達のような一介の女子生徒が入手するのは困難ですわね。花さん』
『はい。真実さん。百合の抽出液は、魔法薬の調合にも欠かせませんから、ザスキア女史が古物市にて購入されました魔道具である、香水の瓶に付与された根元魔法を実際に試す為に必要とされます百合の抽出液を、女子生徒に過ぎない私達が手に入れるのは、非常に難しいです』
厄介な副作用を伴いますが、一時的な魔力の強化を行える根元魔法が付与されています香水の瓶が、帝都の古物市にて販売されていた最大の理由は、必要とされます百合の抽出液が一般的に入手困難な為だと思われます。
『希望さんの御父君であらせられます男爵閣下の御領地と、アンリ卿の御父君であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下の御領地と、それにフロリアーヌさんが新たな人脈を開拓されました、カール卿の御父君であらせられますツヴィングリ男爵閣下の御領地でも。百合は栽培してはいませんわね』
{首飾りの主の御父君は、帝都にて手広く商売を行われていられるやり手の豪商だそうですが。帝国の貴族諸侯であらせられる皆様方の御領地の特産品を、全て記憶されていられるようですな。我が主}
帝国は封建制度を政治体制に採用していますから、止事無い身分であらせられます皆様方が御治めになられていられます御領地は、統治方針により特産品が異なって来ますので。免状貴族身分なヴェレーナさんの御父君は、貴族諸侯であらせられる皆様方と、帝都にて工房を構えます親方や、診療所を開業されています医者や女医との間を仲介されまして、双方が必要とされます品や技能の取引を行う事により、利益を上げられています。髪飾り。
銀白色の髪の毛と、緑青色の瞳をされていますヴェレーナさんは、少しの間考え込まれましてから。
『帝都魔法学園にも、根元魔法の講義に用いる百合の抽出液は納入されていますから。ザスキア女史が購入されました香水の瓶に付与されています根元魔法を実際に試すように、教授を説得するのが一番確実かも知れませんわね』
ふうむ…。
{首飾りの主による提案に対して、あまり乗り気ではないようですな?。我が主}
退役軍人の祖父の戦友でした、治癒魔法の講義を担当されています帝国女騎士身分の老女教授からは、私は目を付けられていますから。帝都魔法学園の他の教授陣も、説得する自信がありません…。
『フロリアーヌさんとザスキア女史さえ宜しければ、私が説得をしますわ。もちろん治癒魔法以外の講義を担当されています、教授の誰かに話をしますけれど♪』
ヴェレーナさんには、本当に助けて頂いています。
『有難う御座いますヴェレーナさん。ザスキア女史もそれで構いませんか?』
ガクップルッガクップルッガクップルッ。
「は、はい。フロリアーヌ女史。勿論異存は御座いません…」
ザスキア女史の首が、人間離れをした動きをしておりましたな。我が主♪。
ザスキア女史が鞭打ち症にならなければよいのですけれど。髪飾り。
『決まりですわね。私も結果が楽しみですわ♪。フロリアーヌさんにザスキア女史』
『はい。ヴェレーナさん』