エピソード131 同い年の同性同士の良き友人
『本日の料理も、非常に美味しかったです♪』
『あ、有難う御座います。厨房で働く料理人に伝えます。カール卿♪』
カール卿が馴染みとされていられます、飲食店にて働いていられる給仕の女性は。ツヴィングリ男爵閣下の御嫡男様であらせられます貴公子に対して、淡い恋心を抱いているように見受けられます。
{姉君であらせられます令嬢星様は、ヴュルテンベルク家の城伯閣下の跡継ぎの帝国騎士様に御輿入れされると話されていましたが。カール卿御自身の婚約者に関しては何も仰られないので、女性関係が解らないですな?。我が主}
いずれは御父君であらせられますツヴィングリ男爵閣下から、家督と御領地を相続される御嫡男様ですので、止事無い身分の令嬢か淑女の許嫁がいられる可能性は高いですが。平民身分の給仕の女性でも、愛妾となり妾腹の庶子を儲ける事は可能です。髪飾り。
『会計を頼めますか?』
『はい。カール卿』
カール卿と兵士卿と私とザスキア女史の男女四人で夕餉を済ませましたから、注文した料理の代金を確認して、誰が幾ら支払うか計算をしないと…。
『本日は花女史と新たに知り合えた幸運を天に感謝します。有意義な時間を共に過ごせたお礼として、食事代は私が支払いたく思います』
カール卿による提案に対して、私は少し考えましてから。
『ザスキア女史に異論が無ければ、御言葉に甘えさせて頂きます。カール卿』
そう返答をしまして、四人掛けの席の向かい側に座られるザスキア女史に、瑠璃之青の瞳による視線を向けますと。
プルップルップルッ。
「わ、私も、当然異論は御座いません。フロリアーヌ女史」
ギュンター卿は隣に腰掛けられている姉君のザスキア女史が、痙攣するかのように小刻みに頭を縦方向に振る様子を、苦笑交じりに眺められましてから。
『悪いなカール。次は自分が奢らせてもらう』
『気にするな。ギュンター♪』
カール卿とギュンター卿は、同い年の同性同士の良き友人という関係のようですね。
{年齢と性別の他にも、移住二世という共通点もありますから。帝都にあります幼年学校にて寄宿生活を送られる男子学生の中でも、馬が合うようですな。我が主}