エピソード123 私とザスキア女史による遣り取り
『中身の液体は入ってはいない、香水の瓶ですね。ザスキア女史』
「は、はい。花女史の仰られる通りですけれど、魔力の反応は感じます?」
ザスキア女史が手に取られている香水の瓶からは、確かに魔力の反応を感じます。中身が入ってはいませんから、瓶自体に何らかの根元魔法が付与されているのだとは思われますが、具体的にどのような根元魔法が付与されているのかまでは解りません?。
『部屋の飾りに使うと丁度良いよ。帝都魔法学園の女子学生さん♪』
古物市にお店を出されている店主による売り込みを聞き、私はザスキア女史に対して瑠璃之青の瞳の視線を向けまして。
『購入されますか?。ザスキア女史』
私による問いに対してザスキア女史は、手に持たれている香水の瓶に、魔力を流し込まれて調べられましてから。
「は、はい。フロリアーヌ女史。購入してから図書館の資料と、学生寮の自室にて、時間を掛けて調べてみる事にします」
{こうした探究心はザスキア女史も、帝都魔法学園にて我が主と共に根元魔法を学ばれていられる、女子学生だと感じますな}
天から根元魔法の素質を授かりし女魔法使いとして、どのような根元魔法が付与されているのか解らない香水の瓶は、非常に探究心を刺激されます。髪飾り。
『私も一緒に調べても構わないでしょうか?。ザスキア女史』
知的好奇心に突き動かされまして、一緒にどのような根元魔法が付与されているか調べたいと申し出た私に対して、ザスキア女史は心の底から嬉しそうな笑みを見せられまして。
「は、はい。フロリアーヌ女史。喜んで♪」
私とザスキア女史による遣り取りを、希望さんと恵さんの幼馴染み同士が、少し離れた場所から笑顔にて御覧になられていました。