エピソード117 自然体で染み着いていられる
『カール卿に案内をして頂いた飲食店の料理は、非常に美味しく感じます』
『はい。花女史。このお店は良心的な価格で、非常に美味しい料理を提供しています♪』
飲食店で提供される料理の価格を気にされるという事は、御父君は侯爵閣下以上の爵位であらせられます、上級貴族の皆様方では無い可能性が高いと推量されます。
{腕輪の主のように、止事無い身分であらせられる貴族諸侯の家門でも、男爵の爵位かも知れませんな?。我が主}
アンリ卿のように、レバークーゼン家の子爵閣下が、奴隷身分の女性奴隷労働者の愛妾に産ませて正式に認知をされたかも知れませんから、男爵の爵位だと決め付けるのはまだ危険ですけれど。確率的には高いと思われます。髪飾り。
「あ、あのフロリアーヌ女史。弟にカール卿を正式に御紹介させましょうか?」
沈黙しながら私の様子を窺われていたザスキア女史ですけれど、常に他者の顔色を窺いながら生きて来られました人生で身に付けられた感覚で、私がカール卿の身分と立場を探っていると察知されたようです。
『私は地方部出身の平民身分の村娘ですので、止事無い身分であらせられる皆様方の間での自己紹介の作法に関して無知なのですが。御願いを出来ますか?。ザスキア女史』
私の内心の考えを見抜かれたザスキア女史は、媚びるような笑みを見せられまして。
「は、はい。フロリアーヌ女史」
私に対しては媚びるような笑みを見せられましたザスキア女史ですけれど、四人掛けの席で隣に座られています弟の兵士卿に対しては。
『幼年学校の同級生でもあるカール卿を、フロリアーヌ女史に紹介をして差し上げて。ギュンター』
{やはりザスキア女史は弟のギュンター卿に対しては、姉として話されますな。我が主}
ザスキア女史は家族に対しては、帝都魔法学園で共に根元魔法を学んでいる私達に対するのとは異なる言葉遣いをされるのが、自然体で染み着いていられるようです。髪飾り。