エピソード113 古物市での憶測
『どうしたんだ。兵士?』
ザスキア女史とギュンター卿の姉弟が、死刑判決を待つ囚人かのように私に対して揃って頭を下げられていますと。幼年学校の制服を着用されていられます、他の男子学生が心配そうに声を掛けられました。
「危ないわね。あの学生さん…」
「金髪と瑠璃之青の瞳をされていられる、帝都魔法学園の制服を着ていられる、止事無い身分であらせられる令嬢か淑女の、怒りを買うかも知れないわね…」
根元魔法の帰還で、学生寮の自室に帰りたくなって来ました…。
{そうされますか?。我が主}
…いえ、ザスキア女史を放置して帰る訳にはいきませんから。髪飾り。
『ギュンター卿。誤解があるようですけれど、私は平民身分です。ザスキア女史とギュンター卿の姉弟は、御父君が帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下の身分であらせられる帝国騎士様ですから。御二方の方が私よりも上位の身分となられます』
封建制度を政治体制に採用している帝国においては、身分と立場と軍階級が複雑に絡み合い序列が定められますが。少なくとも帝国騎士様の御息女と御令息であるザスキア女史とギュンター卿の御二方は、地方部出身の平民身分の村娘である私よりは上位の身分であると説明をしました。
「…本当かしら?」
「上級貴族の御当主様が、愛妾に産ませて正式には認知されていない私生児かも知れないわね?」
「それはありそうね」
…二度とこの古物市には来ません。憶測で話されます帝国之住民が多すぎます。