エピソード112 見た目で判断をされる性格
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
『非常に盛況ですね。ザスキア女史』
「は、はい。花女史。私なんかが居たら、古物市に来られた皆様方の御迷惑となるかも知れません…」
{ここまで徹底して卑屈ですと、逆の意味で感心をしますな。我が主}
あまりザスキア女史の事を悪く言わないで下さい髪飾り。彼女の個性だと考えれば、許容範囲だと思います。
{我が主は御寛容な御方ですな♪}
『帝都魔法学園の女子学生の制服を着用している私達以外にも、幼年学校の制服を着ていられる男子学生も、古物市に来られていますね。ザスキア女史』
私が瑠璃之青の瞳を古物市で掘り出し物を探していると思われる、幼年学校の制服を着ていられる男子学生に向けますと。
『あれ?。兵士も来ていたんだ』
うん?。
{はて?}
『あれ。姉さんも来ていたんだ』
姉さん?。
『そうよ。何か掘り出し物は見付かった?』
『今の所は特に無いかな』
{ザスキア女史が普通に会話をされていられますな?。我が主}
弟さんでしょうか?。私達女子学生よりは背が高い、幼年学校の男子学生ですけれど。
『ところで姉さん。隣に居る帝都魔法学園の制服を着ている人は、友達なの?』
ザスキア女史の弟さんだと推定されます、私達よりも背が高い幼年学校の男子学生が、私の方を見ながら確認されますと…。
『『はうっ!』』
はうっ?。
「も、申し訳御座いませんフロリアーヌ女史。弟を紹介もせずに話し込んでしまいました。万死に価する大罪を犯しましたので、いかような処罰も謹んで御受けいたします…」
「ヒソヒソヒソッ」
「金髪と、瑠璃之青の瞳をされているわ」
「上級貴族の家門の令嬢か淑女が、同じ帝都魔法学園で学ぶ下位の身分の女子学生を、支配して虐げていられるみたいね…」
古物市に来られている人達の囁きを聞かれた弟さんは、恭しく深々と御辞儀をされまして。
『令嬢。何卒姉を御許し下さい。咎は弟の自分が受けます』
…私はそんなに酷い性格をしているように見えるのでしょうか?。
{腕輪の主か、首飾りの主に同行して頂ければ、ここまで笑え…。誤解を招く事はありませんでしたな。我が主}
いま、笑えると言い掛けませんでしたか?。髪飾り。