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エピソード110 自由とは何か

『本日は、自由フライハイトについて考えてみる事にしよう』


帝都魔法学園の講堂内にて、哲学フィロゾフィーの講義を担当されていられます老教授が、落ち着いたよく通る声にて話されていられます。


自由フライハイトとは何か。思う所があれば、各自の考えを述べて欲しい』


{非常に難しい問いですな。我が主}


同感です髪飾ハール・シュムックり。自由フライハイトとは何かですか…。


「えーっ。自由フライハイト?」


ハンナみたいなお子様には、難し過ぎる問いだな♪」


「何よっ。希望ナディーネなら何か考えがあるっていうのっ!」


幼馴染み同士であるナディーネさんとハンナさんは、いつものように楽しく周囲に迷惑を掛けないように小声にて話されていられますが。


スッ。


真実ヴェレーナ君』


私達が老教授による問いに悩んでいますと、ヴェレーナさんは躊躇ためらいなく挙手をされました。


『私にとっての自由フライハイトとは、免状貴族エードラー身分の豪商として、帝都にて手広く商売をなされていられます御父様ファータートホターであるという、家父長権によるしがらみから解放される為に。上位の身分である帝国女騎士ライヒス・リッテリンとなる事ですわね』


首飾ハルス・ケッテりの主は、揺らぎが一切無い女魔法使マーギエリンいですな。我が主}


完全に同意をします髪飾ハール・シュムックり。ヴェレーナさんの目的に向けて真っ直ぐに突き進む意志の強さは、同い年の十四歳の女子学生として、まぶしく感じます。


「ヴ、ヴェレーナさんて。本当に格好が好い御方ですよね。フロリアーヌ女史…」


ザスキア女史も、私と同じ感想を小声にて述べられましたので。


「はい。ヴェレーナさんに導いて頂けなければ、地方部出身の平民身分の村娘に過ぎない私は、今頃非常に困難な事態に陥っていた可能性がありますから。心底よりの感謝をしています。ザスキア女史」


「嬉しく思いますわ。フロリアーヌさんにザスキア女史♪」


ヴェレーナさんが嬉しそうに、笑顔にて話されましたので。


「事実ですから。ヴェレーナさん」


『他に自由フライハイトに関して、自らの考えを述べたい人はいるかな?』


スッ。


『アンリ君』


ヴェレーナさんに続いて、黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をされていられます、アンリ卿が挙手をされますと。


『私にとっての自由フライハイトとは、子爵ヴァイカウント閣下であらせられます父上の御役に立てる家臣の騎士シュヴァリエとして御仕えしながら、いずれは自らの領地と領民を治める小領主となる事です』


ふむ?。アンリ卿は御自身が御領地と領民を御治めになられる御領主となられるのが、自由フライハイトだと考えていられる訳ですか。


{レバークーゼン家の子爵ヴァイカウント閣下から、正式に認知された御令息様とはいえ、奴隷腹の庶子であるという出自には変わりはありませんから。御領地と領民を支配ベヘルシュングされる小領主となられて、初めて自由フライハイトだと感じられるようですな。我が主}


御自身が支配ベヘルシュングする立場となり、初めて自由フライハイトだと感じられると考えるアンリ卿のような思考も、世の中にはあるのですね。髪飾ハール・シュムックり。


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