エピソード104 身に着けている意志ある魔道具でもある遺失魔道具への接し方の違い
『帝都魔法学園で、共に根元魔法を学んでいるレバークーゼン家のアンリ卿から、最近の話は聞いているかな?。希望』
帝国の君主であらせられます皇帝陛下よりの御信任の厚い官吏でもある、御父君の男爵閣下による問いに対して。ナディーネさんは灰白色の髪の毛を揺らしながら頷かれまして。
『ああ。アンリから話は聞いているぜ親父。家とは直接の関係は無ぇ話しなんだろ?』
御息女であらせられます令嬢のナディーネさんに対して、男爵閣下は柔和な笑みを御浮かべになられながら御頷きなられますと。
『当家とレバークーゼン家の間には、領界争いは存在しないからね。ライン川の東側に位置をする、レバークーゼン家の御領地との緩衝地帯となっていた土地を治めていた免状貴族身分の小領主が急逝をしても、貴族諸侯として私には関係が無くても。宮城にて皇帝陛下に御仕えさせて頂いている官吏としては関係があってね』
御領地と領民を御治めになられていられます、貴族諸侯であらせられます男爵閣下の身分と、宮城にて皇帝陛下に御仕えされていられます官吏の立場の両立には、絶妙な匙加減が求められるのだと思われます。
{官吏としての職権を乱用していると見做されれば、君主による制裁を受ける恐れが常にありますからな。我が主}
その通りです髪飾り。あっ……。
『意志ある魔道具でもある遺失魔道具な髪飾りとの念話は、普段通りに遠慮せずに行っても構わないよ花さん。愛娘のナディーネも、父親である私と話しながら、腕輪と念話をしているからね♪』
『御寛恕に心底よりの御礼を申し上げます。男爵閣下』
御父君であらせられます男爵閣下に対して、心底よりの感謝の気持ちを込めて恭しく深々と御辞儀をした私の様子を眺めてナディーネさんは。食後の紅茶を飲まれているヴェレーナさんの方に顔を向けられまして。
『アタシは腕輪と、フロリアーヌは髪飾りと念話してるが。真実は意志ある魔道具でもある遺失魔道具の首飾りとは、念話をして無ぇのか?』
ナディーネさんが藍色の瞳による視線を向けてヴェレーナさんに問いますと。銀白色の髪の毛と緑青色の瞳をされています、免状貴族身分のヴェレーナさんは笑みを見せられまして。
『黙っているように命じていますわ。ナディーネさん♪』
成る程。ヴェレーナさんは意志ある魔道具でもある遺失魔道具の首飾りを、完全に支配されていられるようです。
{我も男爵閣下の前では黙っている事にします}
そうして下さい。髪飾り。