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雲を追うカエル

雲間を抜ける感覚。

小型空戦艇エルフィスカ独特の風を切る音。


視界は白から青へと変わる。

ひらりと舞い、垂直に落ちる機体。


カエルはこの感覚が好きだった。

人の生存出来る飛行可能な高度は僅かではあったが、だからこそこの身体の浮く、空と一つになる飛び方が気に入っていた。



この日、カエルは騎士として鎧装ヨロイを駆ることが許される年に、なるのであった。



鎧装ヨロイの名はエルシッド。

この騎士の国では最大の大きさと最強の戦力を持つ人型の空戦艇である。


重い装甲の為、エルシッドは飛ぶというより跳ぶ事しかできない。

浮遊樹の根のある大地の上でのみ最強なのだ。




座学で学びはしてきたが、実際に自分の手足となるエルシッドと対面したとき、カエルの頬は紅潮していた。

あどけなさの残るカエルではあったが、その理由は恋に落ちる少女のものとは大いに異なる。


脳裏に浮かぶのは、あの日の焼け落ちる産まれ故郷。

父の駆るエルシッドの残骸。

そして決意を共にした、無二の親友、トコナイの暗闇色に染まる瞳の色であった。



雲を追うカエル---Fin

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