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万幾ら重ねて届かずとも。  作者: ナノマシン
第一章 Beginning of World impact
2/22

赤色、燃える、爛々と

気分が乗ったのでそんなに時間たっていませんが二話目です、視点は島田成幸。

島田の外見は簡単に第一話で説明していますがここでも一つ

黒髪の大柄な男で2mいかないくらいの身長で筋肉ダルマ、地味に頭もよく思慮の深いタイプの人間です。

好物はお酒。

  警察用のスクーターを法定速度ぎりぎりの速度で走らせながら後ろから追いかけてくる警察に対して一つ思う、あーこりゃまずったなと。


  そりゃ私服の大男が黒バイ走らせてたらパトロールにも引っ掛かるだろうよ、まあちょうどいいしこのままダンジョンの警備に付き合って貰うか、警察が諦めないよう適度に速度を調整しつつ安全にも気を配る。

「そこのスクーターに乗った男止まりなさい!」


  パトロールの最中だったろう婦警の声がやかましく響くがもうゴールだ。 スクーターを止めて降りると続いて婦警も降りてくるが無視をして封鎖もなにもされていないダンジョンに近づく。

  あれがダンジョンか想像通りというか違ったというか微妙な感じだな元々は何かの倉庫だったのだろうそこは祠のような建築物が沸き上がってきたことにより破壊されていて備品やらが散らばり悲惨なことになっていた、そこまで見たところで婦警が俺の肩を掴んで怒りながら言った。

「ちょっとあなた! 待ちなさい!」


 俺は周囲に人がいないか確認しつつ誰かが入ったような痕跡を探すために地面に目を配りながら婦警に許可証を見せる。

「いま忙しいこれをみたらわかるだろう? 封鎖を手伝ってくれ」


なおも地面を見る俺にイラついたのか府警は許可証をひったくって相談するようにもう一人の府警と見合ってから俺に近づいてくる。

「午前11時43分、身分詐称の容疑で逮捕します」


 とか言って手錠をかけてきた、おいおいマジかよこいつ馬鹿か?

「おいなんの冗談だ、これを外してくれ許可証は見せただろ」

「あんなものがなんの証明になると言うのですか、あの程度なら簡単に偽造出来ますよ」


  もしかしてこいつ色々と知らないのか? いやだとしてもおかしいだろ。

「じゃあお前らの上司に連絡しろ許可証をもった人間を妨害していいかどうか、控えめに言っても減給は避けられないぞ」


  そう言うとすこし焦ったようにして婦警のうち気の強そうな方はもう一人の方に電話するように言って俺を監視する、化粧は濃いしそれなりに年齢も取ってるな、さっさと男でも見つけて退職しろよ給料泥棒。

  イライラしながら待っていると視界の端で何かが動いたような気がした、そこに目を向けるとダンジョンに侵入しようとしているのがわかった。

「おいまてお前! その建物には入るな!」


 俺に怒鳴られてビックリしたのか男は一瞬硬直したがすぐに走ってダンジョンに入っていった、流石にまずい、こんな失態ってあんのか? もう最悪拳銃で手錠を吹き飛ばすことも考えるべきか。

「ああくそ! 早くこれを解け公務執行妨害だぞこれは!」

「まだ確認がとれていないわ、それにあんなとこに入ってしまった人より犯罪の容疑者を捕縛する方が優先よ」


 俺と女が睨みあっているともう一人のこの女と比較してやや気が弱そうに見える若い女は震えながら化粧の濃い女に言った

「先輩、すぐに拘束を解除せよとのことです、またその者に現場での指揮権を譲渡、指揮下に着くようにとのことです」

「こんな男に!?」

「はい」


 そこまでいくと流石に女は不満を漏らしつつも乱暴な手つきで手錠を外した。

「さっき言った通りだここの封鎖を始めてくれ俺はさっきのやつを追う、テープはバイクに入ってるからそれを使え一人が貼ってもう一人が入り口を見張っていてくれ、任せたぞ」


 不服そうにしながらも婦警は気だるげに返事した。

「了解しました」


 あとであの態度に関しては報告入れとくか流石に頭わいてるだろ。

 とにかく急いで祠に入ると面白いものが見えた光る壁に真っ黒な壁だ、壁というか入り口なのか?

「急ぐか……観光はそれからだ」


 意を決して内部に突入する、すこしの違和感が身を包んだが特になんてことはなく俺はごつごつとした洞窟のような通路に放り出された。

 後ろは通路が広がってるな、入り口は一方通行なのだろうかと疑問に思って後ろに下がるが特に何もない、やはり一方通行らしいこれは面倒なことになったぞ、しかもここには誰かがいた痕跡がない土くれの一つもないとなると出発地点はランダムか一人ずつ別のダンジョンにでもいくことになるのかどっちにしても厄介すぎる。

  警棒を構えてとりあえず進む洞窟で灯りはないはずだが何故か明るく昼間のように視界が開けている不可思議でしかないが突っ込んでも俺にはわからないどうせ数日もしたら研究が始まるだろうし結果だけ待つとしよう。

  気配は特になく数分歩いていると男の焦るような声が聞こえてきた

「……んな!!」


  声色からすると切迫しているのだろう、急がなくては。

  音をなるべく殺しながらとにかく走る男は逃げているようだ、やかましい足音が洞窟に響いているから探すのはそんなに難しくない、ただそれ以上に裸足で走るような音がいくつも重ねて聞こえてくる。

  逃げる男と追いかける幾人かという形だろう、面倒だな。

  足音はこちらに向かってきているあと数瞬で逃げてる男の姿が見えるだろう、少し待つとやはり男が現れた。

「そこの男! こっちにこい!」


  声に驚いたようにして男は一瞬立ち止まったがすぐに俺の元へ駆け出してきて俺を追い越すとすぐに座り込んだ、確実にさっきのやつだ、特にけがはしてなさそうだが悠長にはしてらんねえな。

「も、もう限界だ、あんたは誰?」

「自衛官だ、これでも飲んどけ」


 市販の水のペットボトルを男に放り投げて警棒を構えて足音の主が追い付くのを待つ、そしてその瞬間は本当にすぐに訪れたがその主は俺の予想外のものだった。


  その主は単体だった、だが足は人間の素足のようなものが六本も生えている、全体的な体長は俺より少し低いくらいで身体は木のように見える不可思議な見た目でそして人間で表すなら腕とされるものは4本も生えていて腕の形も人間のそれとは離れてよくしなりそうな蔦のようなもので出来ている蔦の先端には西洋の直剣の刃だけを切り取ったかのようなものが蔦に絡められていて、身体の少し上には顔があって顔は丸い石に目と口を落書きしたものをポン付けしたような印象を受ける

「なるほどこれはヤバそうだ」


  警棒を構えてよくわからん怪物の挙動を見ながら対処を考える、倒し方はわからん脚はあまり速くないだろう逃げるのもありか、銃なんか撃ち鳴らしてこいつと同じようなのが集まってきたらそれこそお仕舞いだ、だが闇雲に逃げたところで出口がわからない以上脅威が増える確率は上がるだろう。

  つまるところここで殺すか再起不能にする必要がある、幸いにも腕での移動は得意ではなさそうだしあの脚さえ潰せば楽に逃げれるだろう

「後ろを見ててくれ」

「わ、わかりました」


  足をするようにして距離を詰めながら相手の一挙一投足に気を張り唾を飲み込む。

 どうやら反応は鈍いらしい一拍反応が遅れている、となればここで一撃を入れておくべきだろう、そう考えるが早いか一息に踏み込み一撃を入れる。



  全力で膝の皿に警棒を叩き込んだが怪物は声を発しない、まあそれは見た目からわかっていたことだが皿は確実に割れた、少したたらを踏んだから痛みはともかくとして衝撃は伝わっているだろう、隙があればそのまま二撃目を叩き込もうと思っていたがそうはいかず思ったよりもはやく刃が振り回される、後ろに素早く下がることで刃を避けて振り抜いた隙をついて膝に更に一撃、このまま作業のように倒せるかとそう思っていたときだった、怪物は一度に振る刃を二振りのみとし隙のない攻撃を取り入れてきた。

 ただこれまでのこいつの行動や反応から見てこいつには聴覚に該当する機関は存在しないらしい、まあこいつにないからと他に音を感知するタイプの敵が存在する可能性はあるのだが流石にこいつを警棒で倒す方法が思い浮かばない。

「今から少しうるさくなるすぐに逃げるから走る準備しとけ」

 返答は聞かずにけん銃を取り出すリボルバータイプの旧式けん銃だ精度はよくないがこの距離ならまあほぼ外さない

 8本脚で2本は潰した俺がやるべきことはこいつを満足に動けなくすることでつまるところ壊すべき脚は既に壊した脚がある左右の残り四脚のうち片足の二つほどを潰せばいい、一番手前のは潰れてるから少し狙いづらいが問題ない。


引き金に指を置いて一つ気づいた、もしかしたら銃を使わなくても足を潰せるかもしれないあと右足1本潰せばバランスがとりづらくてすぐに転倒するようになるだろうしそれでなくても機動力は削げる、でも失敗したら八つ裂きだ、これが究極の二択と言うんだろうか。

 ここで銃は使わないほうがいいそう判断して俺はもう一度近接戦に挑むことにした、一回に二振り、隙をついて攻撃しようにももう二振りがある、ならインファイトで両方振り抜かせてから叩くしかない。

 少し手を伸ばせば届くようなそんな近距離にまで踏み込むとまず一撃がそれに追従するようにもう一撃、身をずらして一撃目を避け二撃目が来る前に大きく踏み込んで横に回る、やはり前足がうまく動かないせいで旋回がかなり遅い、そこで俺は少し油断してしまった、その一瞬で俺の背中に2本の刃が振り下ろされる、俺は1本の脚を破壊した、わずかに足を潰すほうが早かったおかげか剣の刃は立っておらず背中を思い切り叩かれたみたいな衝撃が伝わってきて倒れそうになるものの我慢して男の方に向かう。

「逃げるぞこんなのに勝てるかよ」

「は、はい!」


 男を先導して脚を引きずりながらも不器用に追ってくる怪物を置き去りにして逃げる、一応ちゃんと逃げきれそうだ刃を投げるといったアクションはしないらしい。

 しばらく走ると撒けたようで壁にもたれて休みながら若い男に聞く。

「聞きたいことがある、階段や入ってきたときに通った黒いやつが何処にあるかわからないか?」

「見たことないです、あいつを見た瞬間に出口探そうとしたんですけど全然なくてずっと逃げてました」

「そうかダンジョンってのはヤバイな」

「はい、早く出たいですまさか初期の階層からあんな化け物が出てくるなんて」


 確かにそれは俺も予想外だった、これはあくまで現実でゲームではないということだろう、とりあえず歩いて出口を探していると男が言った。

「自衛隊の人なんですよね? 自衛官から見てダンジョンはどう思いますか? 俺みたいなのが生き残れるところに見えますかね?」


  すっかり怯えた様子の男に向かってハッキリと告げる。

「一般人じゃ厳しいだろうな俺も武器をもってなきゃあいつに殺されてたかもしれん」

「まさに魔物って感じでした、あんなのがいるなんて」

「ああそういえばお前超常の力とか持ってるのか?」


  聞くと男は思い出したかのように言った

「え、ええ持ってますだから俺ならいけると思って飛び込んだんですけど見当違いでした」

「どんなのだ?」

「えっと、Jobっていうのがあって戦士を選んだんですけどびびっちゃって武器も落としちゃったんですでもJobのおかげで走り回れたんだと思います普通何分もあんなに走れませんもう二十も中盤の男ですから」


 身体能力が上昇するのかこれは少し面倒だな、だがあまりここで探りすぎてもよくないだろう。

「リレ○トが使えたらよかったんだけどな」

「なんですかそれ?」

「は? もしかしてドラ○エやったことないのか?」

「あー名前だけ聞いたことはあります、自分はあんまりそういうゲームやらなくて興味はあるんですけどね」

「買うならもう14出てるしそっちにした方がいいぞ、楽しいからおすすめだ」


  ドラクエやったことない層がいるのは知ってるが会う度に驚くな、まあ脱出の呪文なんか知らなくても無理ないか攻撃魔法とか移動用の有名な魔法なら知ってたかもな。


「止まれ」

「はいっ」


  消え入りそうな男の返事を聞いて角を曲がった先に八本足の木の化け物が居ることを小声で伝える。

「さっきのやつに似たやつがいるしかも複数だ逃げるぞ」

「は、はい」


  化物が動かないよう祈りながら慎重に歩みを進めていると俺たち以外の靴音が聞こえたブーツだろうか少し高めの足音が聞こえる、というか音を抑えるつもりがない? 化物のことをまだ知らない可能性が高いな。

「ここにいてくれすぐ戻る」

「いえ、一緒に行きます走りだけならまけません」

「わかった慎重にな」


 音が聞こえてくるのは向かって右の曲がり角怪物がいるのは左側、右側からは化物は既に見えているはずだがなぜ隠れようともしないのか

「そこの右の動くなよ」


  気づかれている? それよりも声を出してもあいつらが動く様子がない、やはりあいつらには聴覚がないのだろうか。

「私は魔物の味方ではない色々と聞きたいこともあるゆえそこを動かないで欲しい代わりにあいつらは私が倒そう」


 足音の主は黒い軍服のようなものに身を包んだ赤髪の男だった、俺と同程度の身長だからかなりの高身長、両腰には軍刀のようなものが一振りずつ提げられているのが見える、二刀は珍しいな、だがそれよりも目を引くのが男の眼で警察の帽子のような形状の黒い軍帽の下で鋭利な黄色の瞳が淡く光を発していた。


 赤髪の男は剣を引き抜いて刃の腹を左手でなぞっていく、なぞられたそばから剣は火を纏い剣は身を燃やし男はそれを水平に振り抜いた、炎の刃が怪物向けて突き進み岩壁を融かしながら進路にいた怪物を一掃した、本当に一瞬の出来事で声も出てこない。

 男は剣を納めると話しかけてきた

「私の名前はセキセイというあなた達の名前は?」

「俺は成幸だ」

「自分は颯太そうたです」

「お互い聞きたいこともあるだろうがとりあえず出口に向かおう既に見つけてある、近くだからそれなりに早く戻れるぞ」


 そういうとセキセイはゆっくりとした歩みで先を進んでいく。

「セキセイさんあなたは何者ですか?」

「成幸さんだったな簡単に言うと私は異世界人だ声が聞こえただろう? あいつに連れてこられた」

「あの声の主とお知り合いなのですか?」

「制限があってあまり多くは喋れないのだ、答えられることなら答えるのだがなその前にこちらから一ついいだろうか? 私の家を用意して欲しいなにせ無一文且つ家もないものでな」

「わかった家なら用立てる」

「感謝する、それでまあ私はセキセイこことは異なる世界で軍に所属していた」

「そこには戻れるのか?」

「無理だな出来んよ、私はあいつと共に流れにのってここにきただけだ、さてもう着くぞあれが出口だ」

  そういってセキセイが指を指したのは上に昇る階段で人工の階段が洞窟にひどく似合っていないように思えた、だが階段の一番上には来たときに潜った黒い何かがあり否応なしに移動できるであろうことは理解できた。

異世界人です、セキセイという名前です。

赤髪で襟足が少し長め、前なり横は普通程度で黄色い目が特徴。

二振りの軍刀は右のが長めで左のは少し短いです、実は刀身は特別なものだったりします。


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