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万幾ら重ねて届かずとも。  作者: ナノマシン
第一章 Beginning of World impact
18/22

仙台ダンジョン攻略『其のニ』

セーフセーフ、明日は休みなので明日も投稿したいと思ってます、実は今週でダンジョン関連終わらせようと思ってたんですけど資料と探索者たちのステータスづくりが難しくて全然無理でした、でも頑張ります。


 ダンジョンに入るとまず城下町のようjな場所に出る、空には青空と少しの雲、少し傾いて陽も見える、古民家などで見るような湿って見えるこげ茶色に染まった商店や民家の壁に囲まれている、ここは四角形の広場のようになっているからここが出発地点でなければ拠点を作るには最適だったように思う、まあ部隊の編成や集合には役立つだろう。 ただやはりここはダンジョンなのだろうと思うのが平屋と平屋のわずかな隙間から手を出そうとしたらそこに壁があるように弾かれてしまうことで当然商店などに入ることもできない、要するにこれはただの壁なのだ。

「ウィン、報告に遭ったとおりねまるでトリックアートだわ」


 私はウィンに英語で話しかける、ダンジョン内では連携や咄嗟の判断の時に迷うといけないから英語でしか喋らないことになっている、もちろん咄嗟に母国語が出て理解ができないということにならないように全員が最低限勉強はしてるけど今まであまり縁のなかった言語を覚えるのに一か月では短すぎる。

 そしてウィンも自分で試して確認すると驚いたように面白がりながら何回も壁や戸を引いてみるがやはり何ともならない。

 しばらくして満足したのかウィンは外していた手袋をもう一度着けながら私に言う。

「一階層はずっとこの調子なんだよね?」

「ええ、まあなんというかゲームっぽいわよね」

「僕もそう思うな、アメリカやヨーロッパも同じだしこれは国や地域で変わるものでもないんだろうね」


 そう思うと少し不気味だ、いや神がやったことなんだから不気味で当然かもしれない、神と思い出すとキリストとかイスラムとかの関連を思い出すけれどこればっかりは誰にも聞けない、すごくデリケートな問題だし。

「結和、予定通り初戦はバフなしでやりたい、このメンバーの素の対応力をテストする、パターン【ノーマルソルジャー】だ。」

「【ノーマルソルジャー』、了解」


 ウィンの指揮官というジョブは結構特殊なジョブだ、そもそも指揮官というのも和訳した結果でしかないから日本のそれと違って当然なのだけどその効果は作戦や行動の瞬間的な伝達と広範囲にわたるバフだ、ちなみに【ノーマルソルジャー】も作戦の一つでバフを行わない状態で戦うことになる、魔力が貴重で湯水のように使うわけにもいかないからこその作戦だ、ちなみにこの指示では隊列などに言及する要素がないので現状維持、つまるところ最初に決めた通りの配置となる、前衛に第一と第三その後ろに第四でその後ろが第六でその後ろに指揮分隊、その後ろに第五、その後ろに第二だ。

 わかりやすくすると、近*2、魔*1、支*1、指*1、魔*1、近*1の列となる、バックアタックも警戒出来て疲労の分散も狙える手堅い陣形と言える。 ちなみに双方向から挟まれウィンの指揮が追い付かなくなれば第六の支援系の職業をしている在米ドイツ人のダミアンで紫と青のグラデーションが綺麗なパーマがかかった長髪が特徴的な男と私が片方ずつの指揮を引き継ぐことになる、その時ウィンは全体を見て方針を決定するのだ。 ダミアンは私はあまり接点がないのだけれど結構昔に隊長と接点があったらしくたまにパーティーで見るし会えば話すこともある程度の仲だ。


 隊列を組み終わり簡単な調査を終えると私たちは城下町のようなダンジョンを進んでいく、ちなみに私たちの主な武装はマチェットとかハンマーとかファイアアックスと呼ばれる消防士などが使うような大型の斧など結構なものを持ってきていた。

 以前武装の吟味をしている際に考案の二人に聞いたことがある。

「なんというか公安的にはこれいいんですか?」


 そしてその問いかけには佐藤さんが答えてくれた、よく聞かれることなのかかなりすらすらと言葉が出てきたことを覚えている。

「私たちの目的は犯罪を取り締まることではありませんから、もちろん取り締まらないわけではありませんが」


 ということらしい、いやまあ私もガキじゃないから公安と警察の違いくらいわかっているけどなんというかそれでいいのだろうか、まあこの人たち違法捜査とかするらしいし法律順守だけではどうにもならないんだろうね。

「日本はもっとがちがちにこういうのを縛っていると思っていたけどいい意味で予想が外れてよかったよ、もちろん不安はないわけじゃないけど剣術は長めのマチェットで短剣術はサバイバルナイフなり小ぶりのマチェット、斧術はファイアアックス、槌術はハンマーの類でなんとかなった弓なりは同士討ちが怖いから使えないけどコンパウンドボウとかでどうにでもなるよね」

「確かにね、別に刀なり猟銃とかも資格があれば持ち運び自体はできるし、まあ銃弾は高いから民間には流通しないだろうけど」


 いつの時代も武器は高い、銃は本体は安いのが多いけどそれは日本には当てはまらない、ただ今回のダンジョンで民間ダンジョン攻略会社のようなものが出来た場合はどうだろう、限定的な銃器の仕様許可証のようなものが発行されたとしてそれにより武器類の流通量が跳ね上がる、その結果武器弾薬の調達費用が安くなれば防衛予算にも余裕が出てくるだろう、特に最近は防衛費の予算が増えている上にごく僅かながら攻撃的でない兵器類の輸出も始まっている、この流れに乗れば国内流通くらいなら押し通せるんじゃないだろうか、もちろんテロや治安への影響を考えると気安くとは言えないけれど全員がステータスを得てジョブを得ている以上銃程度なら構わないんじゃないのか……ああだめだ、これはダンジョン攻略中に考えることじゃないでしょ。


 頭を振り考えをリセットしてウィンと一言二言交わすと有線ドローンで先行探索をしている支援分隊から無線で連絡がきた。

『こちら第六部隊(カーバンクル)より指揮分隊コマンドポストへ、部隊先頭から2ブロック先、右側に魔物の群れを発見、数は30以上、槍、弓を確認、オーバー』

『こちらコマンダー、了解、アウト、コマンダーより全隊へ全隊止まれ』


 ウィンは進行を停めるとARマップで表示された敵位置の情報を見て全体に指示を送る。

『2ブロック先に敵集団がいる、これを殲滅する、Lv4での魔力消費を許可、作戦に変更なし、第一部隊ギガントは身体強化を発動し突貫、第三部隊イロハは援護を第四部隊マギアは魔術で障壁を他部隊は待機、パターン【ノーマルソルジャー、スタンダード】』


 Lv4は一時間以内で回復するレベルなら魔力を使っていいという合図で大体一回から三回程度の回数だ、これは職業と個人の能力にもよるから結構バラツキが出る、近接職なら短時間の身体強化+武技一回程度だろうか、まああのメンバーなら武技なんかなくても懐にさえ入ってしまえば殲滅してしまえるだろうとも思う。

 第一部隊ギガントの構成人数は五人、二人がユニークジョブやレアジョブと呼ばれるものについていて、リーダーのマイケルもその一人、米海軍で10年のキャリアを積んでPMCに転向したエリートでjobは『響撃士』、打撃系の職業で叩いた際に生じる衝撃を増幅させたり逆に受けた衝撃を拡散させたりより浸透させて空気中に逃がしたりしてダメージを抑えることができる、マイケルの装備は合金の多層構造になっている特注の盾と特殊な機構が仕組まれたハンマーだ。

 

 二人目はクリストファー、米空軍でパイロットをしていたみたいだけど視力が落ちてしまったため前線を引退、他の業務をする気にもならなかったためそのまま軍籍を離れPMCに加入した、ユニークジョブが目覚めたからダンジョン攻略班に来たけど以前の配置は航空部隊だったらしい、そんな彼のjobは『跡刃士せきじんし』、クリスは刃の跡を具現化しトラップを作り出すことができる、ただ条件が幾つかありそこ100秒前に斬撃されてましたよね? じゃあ斬りますみたいなことはできない。

 発動条件としてjobを覚えた際に使えるようになったという跡空間という魔術のようなものを展開しその展開した空間を刃が通った際にのみ跡撃せきげきが可能となる、その性質上跡空間がすべて別の性質の魔力で塗りつぶされると無効化されてしまうといった弱点もあるがそれでも十分に強力だ。

 他の三人は戦士と戦士から派生した剣術士、斧術士となる、この剣や斧と言ったある意味専門職のようなjobは特定の武技を覚えた状態でjobを変えることが条件と思われているため最初に選ぶことはできない、jobの変更にも一定のルールがありjobの変更は一日に一回まで、jobは変更すると一週間の経験値デバフが入る、jobを変更すると変更前のjobの特異な技能や魔術の属性、魔術の発動などができなくなる、例えばファイアボールを発動することができるjobについていても水魔術師のようなjobを選んだ場合ファイアボールが発動できなくなるのだ、この理由は詳しくはわかっていないけどそもそも魔術なんか使えなかったのだからjobといった超常的な機能や能力の補助がなくなれば使えなくなって当然だという意見があり多くの人々はそれに納得を示した。


 第三部隊イロハ、つまるところ成幸や遥斗と田上さん、公安の佐藤さんと塩入さんの部隊は成幸が戦士、遥斗が風撃士にjobを変えた以前の探索で丁度Lv5にjobレベルが上がって戦士のLvが2と魔法使いのLvが5になったからか『風撃士』というjobが追加されていたらしい、簡単な風の魔術と覚えていた短剣の武技が使えるらしい、実は今まで確認されている中で銃の武技は確認されていない、これが何故かはわからないけど一説では銃は引き金を引いているだけで本人の力が付与されていないからや神様が銃を知らなかったんだろうとか色々言われているけど実際のところ何もわかっていない、飛び道具がダメというわけでもないようで弓では武技を習得できたという報告が上がっている、ただ気になるのはクロスボウを使わせてみたところ弓よりも武技の発現が若干遅くなる傾向にあったらしくただサンプルの数が少ないためまだわかっていないことも多い。

 ちなみに田上さんのjobは変わっておらず『拳闘士』のままだ、武器は前の探索で使っていたのと同じナックルだ、公安の二人に関してはjobは不明であるもののそれぞれ刀を携えているところを見るに只者ではないのだろうし自分の身くらい自分で守れるだろう、何回か連携訓練を行ったけど全く問題なかった、武技を使わないから攻撃力に不安は残るけど邪魔にはならないだろう。


 あとは後方に魔術師なり支援職がいるけど今回の攻略ではあまり見せ場もないだろう、今回は連携の強化と現場での慣らしが目的なのだし。

 カメラの画像を参考に作成された二次元マップを見ると魔物の群れもこちら側に近づいてきてるのがわかる、おそらく気づかれてはいないだろうから不意打ちの好機だ

「ウィン、角で待ち構えて一気に仕留めない?」

「迷うけど訓練みたいなものだから正面から戦おう、距離は20mくらい離れればいいだろうしもう止まろうか」

 

 ヘッドセットから小さく進行停止の声が聞こえ二歩歩くと全員が一斉に止まった。

『もうすぐ接敵だ、あの曲がり角から奴らが出てきたら一斉に叩く、Lv4だぞ忘れるな』


 魔物というには人間味の強い歴史の教科書に出てきたような戦国の兵士共が姿を見せた、当世具足と呼ばれていたらしい戦国時代に使われていた漆が塗られたように黒い胸当てのような鎧を身に着けている、胸当てには赤色で×印が塗られている、確か合戦の時に敵味方を区別するための物だったはずだ、しかしなんというか全体的に歳を取っているように見える、それに背も小さい、私と同じくらいのが一番背が高いように見える、となると150から160と少し程度の間だろうかどうやら彼らはこちらに気づいておらずこちらではなく奥の方に進んでいくらしい。

『go』


 号令と共にARゴーグルにそれぞれが進むべき進路と標的がセットされていく第一部隊ギガントが進んでゆく、身体強化を使っているだけあり陸上選手と匹敵するほどの速度だ。

 マイケルがいきなり仕掛けた、盾を腕に固定して常人だと簡単には持てないであろうハンマーを両手で思い切り振りかぶり角から曲がって中途半端な隊列になっている兵士たちの横腹に突き刺さる

 あれは『響音檄サウンドボム』だ、ハンマーの攻撃が当たった瞬間に敵の扇状の範囲に居た魔物が耳を抑えてうずくまっているそのマイケルの後ろからクリスが魔術を発動した間違いなく『跡空間』だろうその後ろから着いてきていた三人の獲物はマチェットで前線で盾とハンマー巧みに操って魔物を圧倒するマイケルの援護をしていくその間に第三部隊イロハ第一部隊ギガントの圧力が足りていないところについて援護を始める、しかし戦線はじりじりと押し込まれていく敵の数は予想以上に多かった、これはもしかしたら40を超える可能性まである。 そしてもう何mも押し込まれただろうとなった時クリスが号令をかけた。

「三歩引くぞ!」


 その号令に従って前線の10人が綺麗に三歩引くとクリスが唱える。

「『刃の残滓を投影する【顕現】』」 


 特殊武技と呼ばれる強力な技が存在する、基本的にLv5で取得できる業だ、ただ強力な分それなりのデメリットが付くこともありクリスの場合、膨大な魔力消費に跡空間の崩壊が付いてくる。


 跡空間に刻まれた、斬撃の記録が一斉に顕現される、それは目に見えない、ただ結果として血が舞い肉が落ち首が飛ぶ、槍などと接触したのだろう甲高い音もなる、魔物の槍兵は全壊、弓兵は半壊、あとは食われていくだけだろう。


 魔物の掃討は本当に一瞬で終わった、こんなに圧倒的な展開にもなるのかと驚愕しか覚えない。

「まあ回帰があるから平気かもだけどウィン的には今のセーフなの?」

「ん? あーまあいいよ回帰で全快できるしね、それにちゃんとあれが通じるかも見ておきたかったし」

「ほんと反則的に強いわよね、」


 クリスが更にもう一つ唱える、確かあれは一定の期間で消費した魔力を回復する呪文だ、デメリットとして半日に一度ほどしか使えないらしい、一人でも集団でも相当な強さを誇る『跡刃士』と攻守に妨害まで熟せる『響撃士』正直言って隙がないし更に後方には規格外の魔術師まで居るのだから頼もしさだけでなく危機感も覚える、早急に予算を整えて自衛隊のみならず警察もレベリングをして鍛えないと秩序が乱れまた戦争が起きてしまうかもしれない。


 解説の前の意見募集。

解説:特殊武技

 普通の魔術とか武技は基本的に詠唱なり名前を言う必要はないです、でも特殊武技はそれが必要なことがほとんどです。 

 詠唱が必要となるスキルや武技などはその詠唱を聞いた全員の脳にその詠唱の意味を刻み込みます、結和でいえば英語の詠唱でも脳内で日本語で理解できてしまう、ということです。

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