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万幾ら重ねて届かずとも。  作者: ナノマシン
第一章 Beginning of World impact
16/22

ウィンストンvs 轟 交渉というのは押しが強いと案外勝てる。

間違いなりを訂正して再投稿です、一日遅れてしまいました、若干や反省です。

 パーティーから三週間後ダンジョン攻略を目前に控えた私たちはウィンと一緒に轟さんの部屋に呼び出された、まあ理由はわかってるけどなんでウィンもなんだろうか今回の集まりの主要人物であることはそうなんだけどなにか違和感がある。

「ああよく来てくれた三人とも、それにウィンストンさん久しぶりですね」

「今回は脅すようなことをして申し訳ないです轟さん、でも僕たちにとって槍一は本当に大事な友人ですから」


 少しの静寂、轟さんがそれを打ち破るように口を開いた。

「もうそちらの事情には首を突っ込まない、それぞれの条件に付いて詳細を詰めましょう、まずこちら側からよろしいでしょうか」

「どうぞ、我々の条件はすぐに終わるものですから」

「ではまず、この書類をこちらが日本語、こちらのものが英語のものになります。」


 私が日本語版をウィンが英語版を手に取るとそれぞれ読み始めた、五枚もの紙にびっしりと堅苦しい言葉で色々と書かれている、大まかな内容としては攻略を許可するダンジョンに関して箇条書きされているものとダンジョン内での取得物や探索には数人の同行者が随伴することを了承させるものだ。

「ダンジョン内の取得物を政府に? あり得ませんね渡すのは無しです、此方が取得した物が欲しければ別途買取が適当かと思われますが? 我々をどれだけ軽んじているのですか?」


 英語でまくしたてるウィンは轟さんに圧力をかけるように言う。

「ダンジョン素材にどれだけの危険があるかわからない以上個人の所有を許可することはできない、加えてダンジョン素材にどれだけの有用性があるかわからないため固定の価格を付けるのも難しいというのが理由です、ご了承いただきたい。」

「なら値段は交渉次第、危険がないと判断出来たら我々へ返還、危険がどのようなものか明確に基準を設けるべきだと思いますが?」


 それからもお互いの舌戦は続いたけれど場数の差か契約の交渉を数多く行ってきたのが功を成したのか軍配はウィンに上がり轟さんが持っていたもう一組の契約書を出させることに成功した、轟さんもそう甘くはいかないことを考えていたのだと思う。

「こっちの書類ならどうでしょうか」

「……値段は交渉次第、毒物、一定以上の揮発性や可燃性を有するもの、一定以上の放射能を有するもの、未知の放射能を出す物質に関しては国定の機関で管理する、その際物質は買い取りか別途費用を払って研究を依頼し研究結果を共有できる。ってところですね、結和はこれでいいかな?」

「私は問題ないと思う、それにしてもあの魔窟からこれだけの条件を引き出させるなんて流石轟さんですね」


 驚きながら轟さんを見ると珍しくもっと言えとばかりに自信のみなぎったような顔をしていた。

「契約が決まれば次は監視の人員と顔合わせになります、自衛隊からはウィンストンさんの後ろの三名です、そして公安から二人来ると聞いています。」


 公安が出てくるのか、自衛隊が国外の敵を対応するのに比べ公安は国内の敵を対応するある意味では自衛隊と一枚のコインのような関係性だ、でも私はあまり彼らに詳しくない、まあ職務が被るわけでも直接関係があるような組織でもないし当然なんだけど。

「わかりました、顔合わせはどこで?」

「ここです、呼んでも構いませんか?」

「お願いします。」


 轟さんが固定電話で電話をかけて一分しないほど待つと部屋の扉がノックされて声が聞こえてきた。

「失礼します。佐藤様と塩入様がいらっしゃいました」

「わかった、お通してくれ」

「「失礼します」」


 公安の職員なのだろうスーツ姿の二人が姿を見せた、1人は深緑のような色の髪を後ろで一つに括っている中性的な見た目の人で多分男だと思う、身長はそこまで高いというわけでもなく平均より少し低いくらいで歳は20歳後半かな、もう一人は女性と一目でわかる外見をしていて、こっちはさらに身長が低い、ショートボブのピンクの髪と合わせて元気そうな見た目の子だ、年は多分20代前半辺りだと思うけどこういうタイプは見た目と実年齢が乖離していることも多いからぱっと見で判断はしにくい。


 男っぽいほうから自己紹介を始めた、落ち着いた声色で聞いているだけでどこか安心してしまいそうになる。

「私は佐藤秋声と言います、公安でダンジョン問題対策チームの一員を務めさせて頂いています、よろしくお願いします。」


 女の子の方は声が少し高い、眼もまだキラキラしてるように見える、あと何年その眼でいられるのかな。

「同じく塩入麻衣です、よろしくお願いします。」


 二人の名前を簡単に聞くと今度は轟さんが話し始めた、説明してくれるのだろう。

「この二人は要は監視だ、あまり気にしなくてもいいが調査に関してはなるべく協力してくれるとありがたい。」

「わかりました、彼らはどの程度戦えるのですか?」


 ウィンとしてはそこが一番気になるだろう、最低限自衛くらいはできないと困るというレベルではない。

「それに関しては問題ない、二人とも順応訓練はとっくに終えているしレベルもかなり高い、職業については秘匿とのことだ」

「わかりました、彼らと攻略するにあたって彼ら分の物資はだれが負担するのでしょうか」

「当然だが物資の類はこちらで用意する、だが運搬はそちらで受け持ってはもらえないだろうか」


 ウィンはわざとらしく悩むように顎に手を添えて絞り出すように言う。

「一日や二日ならともかく一週間以上の物資となると相当の負担になります、食料だけでも20kgを下らないでしょう、うちはそこまで多くのポーターを用意できません」


 ウィンの言っていることは一つも大げさなことではない、水は魔法で出せるから0kgと計上してもいいにしろ食べ物やその他の物資を含めると戦力に換算できない人間二人分もの物資を余計に持っていくのは相当な負担になるのだ、私たちはこの半年の間は最大で一週間程度の攻略を予定しているためそこから計算したのだろう、野営のために必要な様々な物資や武器の類、更には食料までとなると実際余裕はない。

「わかりました、荷物搬送用の人員を二人用意するのでそちらの同行も許可していただきたいと思います。」


 お荷物が四人になるのか、今の私たちの人員は全員で30人と少し、荷物搬送用のキャリードッグと言う馬鹿みたいに高い機材がなければダンジョン攻略すらまともにできなかったに違いない、でもキャリードッグは3機しかいないから生身のポーターは必要になる。

「二人だけでは此方の負担に対して十分な補償とは言えません、日本製のキャリータートルの最新型を幾つか其方の負担で貸していただきたいです」



 まさに強欲と言わんばかりの要求だ、流石にこれには轟さんだけでなく公安の二人も驚きを隠せない、キャリータートルは災害地派遣などで使われることもある、キャリードッグと同系統のマシンなのだけど仙亀と呼ばれるブランド名で展開されている最新型のキャリータートルは一つで二千万もするといわれているのだ、その理由として頑丈であり故障が少なく同程度の大きさのキャリータートルに比べて倍の重量負荷である300kgを背負うことができるのだ、今回ウィンが用意したキャリードッグが少し前の型で100kgと少しが限界なのを考えると圧倒的な性能だと言える。

「仙亀のレンタルですか壊した場合はどうするのですか?」

「我々が6割、そちらが4割の負担ではいかがでしょうか」

「完全に其方に貸与する以上全額賠償が基本なのでは?」

「……そうですね、わかりましたカタログと同じ値段でどうでしょうか」

「わかりました、その条件で検討させていただきます、これについての決定は後日でも構いませんか?」

「構いません、最初はそこまで深くに潜る予定はありませんから」

「ありがとうございます、此方から掲示することは以上となります」


 轟さんのターンが終わりウィンのターンが回ってくるとウィンが革の鞄から六枚の書類を取り出して私たち三人を含め場にいる全員の書類を配った。

「では次は私からですね、この契約書に署名をお願いしたいです」

 

 内容としては機密保持の契約書に見える、追加で見張りが来ることくらいは想定していたのだろう、指定期間の間に見聞きしたチームの能力や機材を機密として外部へ漏洩することを禁じるもので破ったら首を吊るほどの賠償を払わされるものとなっている、それに社の機密ともなれば漏洩すれば裁判一直線だ。

「先の契約書でダンジョンの攻略内容やその情報の共有も記述されていたはずです、この契約書はそれに抵触するのでは?」

「いえ、私たちが保護するのは従業員やわが社の能力の機密保持であってダンジョンの内容に関するものではありません、なので拾得物やダンジョン内部の構造や魔物の情報に関しては共有させてもらいます。」

「わかりました、であれば問題はありません、署名しましょう。」


 全員が署名し終わると私たちはすべての原本のコピーを受け取り原本はそれぞれ最初の一枚は轟さんが後の六枚はウィンが保管することとなった、それからは攻略するダンジョンの選定を行いそれが終わるころには陽が落ちかけていた、私たちが向かうのは宮城に出現した唯一のダンジョンでそれは仙台にある、宮城ダンジョンというより俗に仙台ダンジョンと呼ばれるこのダンジョンは入り口が固定されている比較的やりやすいダンジョンとされている、そこに現れる主な魔物は武士もののふであるらしい。









キャリーシリーズ

荷物運搬用の機材類でアメリカが犬型、日本は亀形、中国は犬型が主流である、

 犬型のサイズはやや胴長の大型犬程度のものが主流で胴体にバッテリーや各種内部機構、しっぽのようなアンテナ兼センサー、頭部を模したセンサー、足には伸縮機構に加えてタイヤが付いている整備されているところやキャリーバッグのように引かれて行動する際は姿勢を低く保ってタイヤを使って移動する

、荷物は胴体の横に引っ掛ける、その特性上重量はできるだけ均等の方が良い、基本的に亀形より俊敏且つ悪路や高低差に強いのが特性としてあげられる、ただ荷物を積んだ状態では横転した際に起き上がることができないという欠点を抱えておりその場合には一度荷物を分離させて立ち上がってからもう一度取り付ける必要がある。

 その欠点を補うためキャリードッグに取り付ける荷物は専用のケースに詰められることが推奨されておりそのケースに入っていて推奨重量を著しく超えていなければ分離、荷物の立ち上げ、荷物の持ち上げまで単独で行うことができる。

 

 一方亀形は犬型よりもサイズが大きいことが普通であり体高は小さいことが多い、荷物は甲羅のようになっている胴体部分の中に詰め込める上甲羅の頂点から突き出ているフックに荷物を掛けることでより多くの荷物を積むことができる、内部機構などは胴体に収められておりその余ったスペースなどを荷物運搬用に開放している。

 四足の足には伸縮機構が組み込まれておりこれをうまく扱うことで段差や不整地を踏破する、その構造上横転することがほぼ無く横転しそうになった際は横転しないよう各種機構がせわしなく動く、転倒した際はフックにかけてある荷物を投棄してから起き上がり甲羅の中に入っている荷物のみを運搬する。

また足にはタイヤが付いており上記の犬型のように整地済みの場所などを走破する。


※軍隊に降ろされている犬型や亀形には武装されているものが存在しており重機関銃や迫撃、小型のミサイル攻撃による前線支援任務などを熟すことがある。

 特に亀形は自己を土台として機動力の高い迫撃砲にもなる、これは自己を土台として活用しにくい犬型との大きな違いである。



現地における各種『仙亀』の戦術レポート 1/3枚目

// ////// ////// 一曹

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修正依頼

報告書に重大な誤記が散見された、書き直したうえで提出すること。

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