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黒の皇子と七人の嫁  作者: 野良ねこ
第四章 海まで行こう
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27.ファッションショー

「なぁんだそういう事?そうならそうと早く言ってくれればいいのに。じゃあ私達は部屋で着替えて来るね」


 皆と別行動を取った午前中の出来事を話し終えると、ようやく機嫌の治ったモニカは皆を引き連れ部屋へと戻って行った。ランリンも納得すると部屋で着替えると言いその場を離れる。


 残ったのは俺とフラウの二人。


「おいっ、何か言うこと無いのかよ。大惨事じゃないか」

「楽しかったよ?」


──てめぇ……


 殴ってやりたい衝動に駆られたが相手は女性。今にも動きだしそうに拳を形作る手を自制心で押し留め、憤る心を溜息と共に吐き出した。


「イジられる方は楽しかないぞ?」


「そう?」とお茶を飲みながら満足そうな笑顔で俺を見る。


「ご飯ご馳走さま、久し振りに食べたけど美味しかったわ。今度は控えめに食べるね」


「いくらなんでも食い過ぎだろ、まったく。それはそうと水着、本当にいいのか?買いに行くなら付き合うぞ?」


「うん、それはそれで楽しそうだけどねぇ。大丈夫よ。楽しみにしておいて頂戴っ」


 何を楽しみにすれば良いのか分からないが、取り敢えずスルーしておいた。




 更衣室で受け取った水着に着替えて茶を啜るフラウと共にラウンジで待っていると、階段を降りて来る見知った人影を見つけた。

 何故か一人づつ降りて来るのでなんだかファッションショーみたいだな。


 最初に降りて来たのはモニカだ。


 色とりどりの花が咲き誇るビキニは明るい彼女の性格そのものと言えよう。上の方は水着と同じ生地の大きめのフリルが胸全体を覆うようにしてあり、見た目より大きな胸を普段通りの控えめに見せている。

 パンツの腰部分にも幅の狭いフリルが帯状に一周されており可愛らしさを引き立てる。


 モニカと手を繋いで降りてきたのは雪だ。


 鮮やかな緑色をした丈の少し長いホルターネックの水着は雪の水色の髪との相性は抜群。流石に色気はないが端的に言えばとても可愛い。着物姿しか見たことがなかったのでとても新鮮だというのもあるな。


 次に降りて来たのはサラだ。


 明るいオレンジ色のビキニは胸の真ん中部分がブーツの様に紐で編み込むように留められた珍しい水着、そこから覗く眩いばかりの白い谷間が俺の目を掴んで離さない。

 下はピンクを主体とした淡い色のカラフルなパレオを斜めに巻いており、王城でも見たつばの長い白い帽子も良く似合い “お嬢様” という雰囲気が滲み出ている。


 こうして肌を露出していると思うのだが、意図せず触りたい衝動に駆られるほどにサラの肌は魅惑的だ。

 日焼けなどした事も無いのではなかろうかというほどに白い肌は、光を反射しているかのように艶々としている。瑞々しさ溢れる赤ちゃんのような柔肌は “透明感のある” と表現される手入れの行き届いた最も良い状態なのだろう、流石は王女様と言うところか。


 最後に降りて来たのはコレットさんだったが、その姿を見た瞬間に生唾を飲み込んだ。


 真っ赤なワンピースの水着を着てはいたのだが驚くのはその布地の少なさ。必要最低限、理に叶った服だと言われればそれまでなのだが、至るところがシャープに抜かれており彼女の豊かな胸なんか今にもこぼれ出てこないかとハラハラする。

 張りのある尻はほぼ完全に剥き出し、股の部分は下の毛が見えそうな大胆な角度でキュッと腰の上から引っ張り上げられている。背中も裸同然で、トップを隠す申し訳程度の生地を身体に貼り付けておく為だけの紐が通るのみで触り心地の良い綺麗な裸を惜しげもなく晒していた。


 裸より刺激の強い感じのする水着に、レースのような中身が透ける生地の白いパーカーを羽織っていたのが唯一の救いだ。


「お兄ちゃん、どお?似合う?」


 両手を広げてクルリと回る姿に顔が緩んだ。モニカが動くのに合わせてフリルもフワフワとし、ついついそちらに視線が向いてしまう。


「あぁ似合ってる。とても可愛いよ」


「トトさま、私はどうなのですか?気に入っていただけましたか?」


 この宿にはプライベートビーチなるものがあって、この宿に泊まった客しか入れない専用の浜辺があるらしく宿から直接出れるようになっていた。

 心配そうに俺を見る雪を抱き上げると頬にキスをし、浜辺へ通ずる専用の扉に向かい歩き出す。


「勿論似合ってるよ。普段の服も可愛いけど俺は水着姿のほうが好きだな。洋服は良いのが見つかったかい?」


 歩きながら聞いてみるとそっちも見てのお楽しみとのこと。

 外に出ると既にランとリンが首を長くして待っていた。二人とも胸が溢れそうなビキニを着ていたので視線を奪われたが……雪に頬を抓られた。


「ランさん、それなに?」


 モニカが指差すのはランとリンが肩にかけている巨大なドーナッツのようなもの。しかしどう見ても食べ物ではない。


「これは浮き輪です。海に浮くようになっているので真ん中の穴に入って捕まれば泳げなくとも溺れずに済むんですよ」


 いや待て、海と密接に暮らす地元の人が溺れるとか無くない?モニカやサラならともかく、二人はまさか泳げないとか言うのか?


「早く行こうっ!」


 リンさんに引っ張られエメラルドグリーンの海が待つ浜辺へと駆けていく。

 細かな砂がサンダルに入り込みヤスリ効果で少しばかり痛かったが、それは鼻をくすぐる潮の香りと心地の良い日差し、雲一つない青空と見渡す限りの碧い海とに吹き飛ばされてしまう。


 最高の景色と最高の美女達に囲まれ、最高の海に駆け込んだ。

 さぁ、泳ぐぞ!




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