勝家と立ち会いです!!
うん、そのまま津島に戻ろうとしたけど無理だった…
信長としても非公式でも浅井との会談を持ちたいらしい。
オヤジが引退して俺が家督を継ぐまで秒読み段階という事を分かっているだろう。
上手くいけば斎藤 道三に続き、浅井 長政という後ろ盾ができる事になる。
今の信長は守護代で、岩倉城主【織田 信賢】一族の犬山城主【織田 信清】弟の末森城主【織田 信行】と尾張の中でこれだけの敵がいる。
これに加えて【今川 義元】とも敵対している。
味方は1人でも多く欲しいだろう…
せっかくなので信長にさき兄こと関白左大臣の近衛 前嗣
と足利幕府の幕臣の細川 藤孝を紹介しておいた。
末森城から信行と信行の家老【柴田 勝家】がやって来たがやはり信長との仲は悪そうだな…
信行を見た感想は武将と言うより官僚と言った方が良いだろうな…
上に立つより補佐をする方が合っていると思う。
勝家が俺に殺気を飛ばして来たので俺も殺気を飛ばしたら勝家は、ぽかんとした表情に一瞬なり、その後ニヤリと笑っていた。
勝家も想像通り戦闘狂だな…
あと信長の家老の【林 秀貞】が那古野城からわざわざ来ていたので
「織田 信長という男を斎藤 道三、浅井 長政という男が認めているのに家老たる男がその器を測りきれず、家を割ろうと弟側に付くのはどうだろうな?」
と耳元で囁いておいた。秀貞は顔が青ざめていたな…
勝家が1人で清洲城で割り当てられた部屋にやって来た。
思い詰めた表情だったのでとりあえず竹刀を渡して修練場へと向かった。
修練場に向かう途中に勝家の表情を見ると嬉々とした表情に変わっていた。
中々強いな!!任、統と良い勝負をしそうだ。
しかし俺には勝てない…しかし何度も向かって来る。
その内、信長とその取り巻きがやって来て俺と勝家の立会いを見ている。
利家は悔しそうだ。実力は完全に利家よりも勝家の方が上という事が一目瞭然だからな…
勝家は俺と打ち合っているが利家は一方的にやられるだけだからな。
勝家は満足したのか息を切らせながら仰向けになり化け物か…と呟いていた。
失礼な…化け物とは卜伝のおじいちゃんや宗滴のおじいちゃんの事を言うんだぞ!!
息が整った勝家に信行をほったらかしにして大丈夫?と聞いたら【津々木 蔵人】たちに守られてもう末森城へ帰ったらしい。
勝家は信行の事を人の上に立つより信長の補佐をする方が合っていると思う。このままでは信長と信行は対立を表面化させて信行は信長に殺される…
そう思い、信行に信長を支えるように進言しているが聞き入れられず距離を置かれているそうだ。
【織田 信秀】から信行の家老に付けられ、信行をむざむざと死なせてしまうのは忍びないから知恵を貸して欲しいとの事だ。
……信長がそれ聞いているんだけど…大丈夫?
家老の勝家が信長側になれば信行側の者の中から信長側に付く者も出てくる。
そうすれば信行も表立って動けなくなると思うぞ。
後は信長次第…
今日は清洲に泊まって明日の朝に津島に戻る。
津島に戻るとまだ藤吉郎は戻っていなかった。
まだ小竹の説得に時間がかかっているのかな?
で、何でいるのかな?
信長とその取り巻きプラス勝家。
確実に清洲で俺たちを見送ったよね!!
毎日、大人数で押しかけると忠兵衛の店に迷惑がかかるから…
えっ…大丈夫?問題無いの?
そのまま修練を始める。
勝家が慶次郎にやられてたな…その後の任とは良い勝負をしている。
さき兄が関白左大臣という事を知って取り巻きどもは完全にさき兄から逃げてるな…
俺の家の奴らは容赦してないから他から見たら異常なんだろうなぁ…
修練が終わると信長がやって来て勝家が信長の家臣となった事を告げてきた。
これからは信行側の者たちを調略していくそうだ。
最後に信長は小さな声で
「弟を殺したく無いしな…」
と呟いていたがしっかりと俺の耳に届いていた。
しばらくは忙しくなるから顔をだせないそうだが藤吉郎が帰って来たら俺たちも近江国へ帰ると言っておいた。
いつでも遊びに来てね!!言っておいた。
夜になると客が服部 半蔵と共にやって来た。
服部 友貞が市江島から俺が津島にいる事を知り半蔵に繋ぎを取りわざわざやって来たらしい。
俺が信用するに値する男かを探りに来たのだろう。
世間話などをして最後に近く長島に兵を進めるからその時は頼むと笑顔で伝えた。
かなりの数の船を持っているので願証寺を潰した後は水軍として活躍してもらおう。
翌日、藤吉郎は無事に小竹を連れて帰って来た。
ちょうど船が大湊に向けて出る日だったのでそのまま乗せてもらい大湊に向かう事にした。




