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覚誉は色んな意味でドキドキです!!

興福寺別当【覚誉】


もうすぐ前嗣に会える。

全くかわいい甥っ子じゃ!私に会う為に浅井をだしに使うとはのうぉ。


近江から取り寄せたクマさんグッズを前嗣に見せつけてやるぞ。前嗣もクマさんグッズを集めておったけど私の方が多いじゃろうなぁ…


延暦寺の応胤が持っていたクマさんグッズを譲り受けてから徐々にクマさんグッズが増えていった。


近江の商人の伊藤 忠兵衛が販売し始めたもので熊を象った物、熊を書き込んだ物など全てをまとめて【クマさんグッズ】と言うらしいのぉ…


門まで出て前嗣を待っていたら宝蔵院に浅井一行が向かったと言うので宝蔵院に向かう。


宝蔵院には興福寺の精鋭達がいる。

見たら腰を抜かすじゃろう、腰を抜かす所を見に行くかのぉ。


いやぁ〜驚いたの。井の中の蛙大海を知らずとはまさにこの事じゃ。宝蔵院の200人が浅井 新九郎様ただ1人に一方的にやられておるのぉ…


鬼人と呼ばれるのも当然か!!単なる噂と思っていたが…ここまでとはのぉ。


?? 後ろを振り向いて家臣たちに掛かって来るように言っているのかのぉ?


若い者たちが一斉に攻めて行ったが新九郎様に全くかすりもしないのぉ…

新九郎様は確実に一撃で相手を仕留めてる、凄いのぉ。

また、数人で同時に攻めて行く。素人の目から見ても相手の力量が格段に上がったのぉ。

しっかりと連携して新九郎様を打ちのめそうとしているが新九郎がそれをさせない、恐ろしいのぉ。


紙一重で躱し、相手の体勢を崩そうとする。体勢が崩れなければそのまみ回避を続け体勢が崩れれば一撃で仕留めていのぉ。

この者たちを持ってしても新九郎様には勝てないとはのぉ…

息も全く乱れていない、相手の者たちの実力は胤栄と張り合えるじゃろう…多分…


次からは1対1という事はここからは更なるの実力者かのぉ?

新九郎様の纏っている空気が完全に変わったのが私にもはっきりわかるのじゃ!!


ここからの戦いははっきり言ってよくわからんのぉ、とにかく凄いのだが…結局残り3人となった所で新九郎様は負けてしもうた。残念じゃのぉ。

途中で前嗣が新九郎様に挑んで行ったが良いとこ無しで沈められでしもおた。


新九郎様は自分で立てないぐらい疲れ果てていて無造作に修練場のすみに無造作に置かれている…

新九郎様の扱いひどく無いかのぉ?

新九郎様の家臣たちは新九郎様をほっといて胤栄の弟子たちとも修練しておる。

前嗣も胤栄の弟子たちには勝ったりしているが新九郎様の家臣たちには勝ち目は無いみたいじゃのぉ。


新九郎様の状態が落ち着いてきたので私は新九郎様の元へ向かい横に座り


「小僧、私の甥っ子になにしてくれてるの!?」


と言ってしまった…

普通、関白左大臣にそんな事はしない。もう笑うしかないのぉ。


新九郎様から前嗣の希望で修練を付き合っていると弁解していたが…前嗣の生き生きした表情を見ると嘘ではないじゃろうな。

しかも修練を続ければ自分の身を守る事が出来るくらいの才能があると言ったのじゃが才能が無いと遠回しに言っておるのか?と思ったがその後に


「守れるのは胤栄ぐらいの実力者からまでだけどね」


と付け加えた。

それって、相当な才能ではないかのぉ?


それにしても、なんだ新九郎さまの家臣たちの強さは…

胤栄の弟子たちが誰一人勝てないでは無いか!!

そんな者たちを率いているとはまさに【百鬼夜行の主】その者じゃのぉ…


前嗣はさき兄、延暦寺の応胤は応胤さんと呼んでいるみたいだから私も覚誉さんと呼ぶようにと注文を付けてしまった。つい、応胤に張り合ってしまったのじゃ。

ちょっと反省しなければならぬのぉ。

新九郎様からは新九郎と呼んでくれと言われたので新九郎と呼んでみたら喜んでくれたからなんか私も嬉しくなってしまたのじゃ。


せっかくなので1つ気になる事を聞いてよう。せっかく今は1対1なのだから利用しない手はないじゃろう。


「延暦寺は武装解除させたが興福寺に対してはどの様な対応をするつもりですかな?」


その問いに対して新九郎は


「胤栄は己を高める為に自分を精神面、肉体面を鍛えている。それに弟子たちが惹かれて集まっている。

それをとめる理由があるか?

……もちろん敵対したら直ちに潰すけどね。」


と笑顔で答えたのじゃった!!


新九郎と話していたらどうやら修練は終わったみたいだか面白いのは胤栄の弟子たちの表情じゃ。

ホッとした表情の者、満足そうな表情の者、悔しそうな表情の者と色々じゃな。


では興福寺で会談の準備をしようかのう。


会談を始めたが、ダメじゃな…完全に浅井を舐めておるのぉ。

興福寺側の他の者たちは宝蔵院の僧兵たちがいるから完全に自分たちが優位に立っていると思っておるじゃろう

のぉ。


私もあの現場を見ていなければそうなっていたじゃろうのぉ…


このままでは興福寺は滅ぼされてしまうじゃろうなぁ…

嫌じゃな…


「先ほどは見事な槍術を見せて頂き、感服いたしました。まさか新九郎様、御1人で宝蔵院200人を打ち負かすとは…」


皆、私が言っている事の意味がわからずにいるようじゃな…

しかし私の話し方がいつもと違う事に気付いて顔付きが変わった者がちらほらいるのぉ。


興福寺側の者にゆっくりと新九郎が1人で胤栄の弟子たちを打ち負かした後に新九郎と新九郎の家臣たちとの立ち合いの様子を途中からは熱く語り始めていた事に気付き、咳払いをして、最後は新九郎の家臣たちに胤栄の弟子たちは誰1人として勝てなかった事を強調して話をしめて、周りを見ると皆青ざめた顔をしておる。


事の重大さがわかったようじゃな!!

私は自虐的につい呟いてしまった


「井の中の蛙大海を知らず…」


その呟きに新九郎が言葉を重ねた。


「されど空の深さを知る…」


その言葉を聞いたこの場にいる者は言葉を失った…

そこにさらに一言


「大和国を治めるには大和国を知り尽くした興福寺の力が必要です。」


【井の中の蛙大海を知らず】は狭い世界に生きて広い世界を知らないと言う意味だか【されど空の深さを知る】と付け加えると


「大和国という狭い世界で生きてきて日本と言う広い世界を知らないが大和国に生きてきたから大和国の深い所まで知っている。」


となるのかのぉ?

私の呟きに咄嗟に言葉を重ねて来るとは驚きじゃ!!

なんじゃ、その言葉は!!どこから持ってきた?


浅井には逆らっては駄目じゃな…

はい、お互いに協力して頑張って行こうじゃないか、皆もそれで良いな?


こうして会見が無事に終わったのは良いが寿命が縮んだ思いじゃ。


翌日、新九郎が柳生郷に寄ってから観音寺城へと戻るようなので見送りに来た。


胤栄が自分ばかりがこんな目に遭うなんて不公平だから柳生 宗厳も同じ思いをすれば良いと乾いた笑いをしながら言っていた。

相当、今回は辛かったようじゃ。

胤栄は俺も一応、百鬼夜行の中の1人だからね!!と私に強く訴えていた。


見送る私に新九郎は1つのクマさんグッズを差し出してきた。

そのクマさんグッズを見て動きを止まった…

ま、まさかこれは幻の限定数30個のクマさんグッズを私にくれるのですか?

今後、何を要求してくるのじゃ??

もちろん、クマさんグッズは頂きます!!


思惑がわからず、引きつった笑顔になってしまったのぉ…私もまだまだ修行が足りないかのぉ…


じゃあ、新九郎気をつけて行くんじゃぞ!!



















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