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天使の血管  作者: 室木 柴
夢現の子ら
10/35

あなたの私(3)

 『エンデュミオン』。その看板を見た途端、鳩は面食らう。


 ホームセンターで買った木版に、同じくホームセンターで売っているような安い墨。看板といえば店の顔だろうに、その顔が落書きの如く適当に書き殴ってある。 実際にその通りの材料が使われているのかはわからない。


 そう思った理由としては、中途半端に切れた太い字といい、バランスの悪い配置といい。綺麗な直角の板も、個性を出す為に特殊な装いにしたというにはおざなり過ぎたからだ。


 場所も日の当たらない裏道を行った奥も奥。晴れていても、屋根からはみ出たパイプから雨水が滴っているような場所だ。町の角にあり、交通の便も悪い。

 立地としては最悪に思える。だが道は妙に整頓されていた。


「……」


 いつもなら絶対に立ち入らない道の前で、立ち往生する鳩が邪魔だったのだろう。虎斑が肩を叩く。


「あ、すみません」

「虎斑はいいよ。でもちょっとわきにそれて」

「えっ」


 振り返ると、一歩後ろにいた虎斑の姿が目に入る。そして、更に後方で立っていた上品な紳士も。

 美しい光沢のあるストライプ柄スーツ。深みのあるグレーのコントラストに、普段父親が仕事着にしているスーツとは別格だと一目でわかる。跳んで端に寄るが、勢い余った肩をコンクリートの壁にぶつけてしまう。


「どうもありがとう。失礼するよ」


 紳士は帽子のつばをつまんで頭を下げ、空いた道を進んでいった。進んでいったのは例の店の中。

 自分の目を疑うも、間違いなく扉を開けて看板の下を潜っていく。

 呆然とした思いで見つめているといったん出てきた。


(あれ、どうしたんだろ。間違えたのかな)


 しかし、紳士は鞄に手を入れ、高級な持ち物とチグハグな印象を受けるビニール服をを取り出した。

 ぺらぺらと風にへこむ、安っぽいビニール袋を片手に持った紳士は、続けて手袋をはめる。膝を曲げ、帽子を押さえつつ地面に落ちている丸められたチラシを拾う。ゴミを袋に投げ入れ、念入りに畳んで鞄に戻す。


「どうやらやってきた客も掃除をしているようだね。散らかりやすい場所だろうからか」

「なんというか……凄いお店なんですね」


 知る人ぞ知る穴場というやつか。そう思うと薄汚いのもあじに見えてくる。


「勇気は出たか? じゃあ行こう」



「いらっしゃいませー! 初めてのお客様ですね」


 カウンターに座って満面の笑みを向けてきたのは、年若い男性だった。

 セラピーの店よりもコンビニの方が似合っていそうな、爽やかでエネルギッシュな明るい笑顔。


 病院でも歯医者でも、受付は女性というイメージが強かった鳩は意外に思う。受付という職業に性別はないのだから、おかしいことではない。

 実の所、鳩は未だ多くのしがらみに囚われているのだろう。誰に強制されるわけでもなく、自分で作ってしまった知識の檻に。虎斑の例えが理解できなかった時と同じく。


 どんな可能性も決めつけず、あらゆる思考回路を試す。そうでなければ、佑の心にはたどり着けない。鳩の足はのろまで未熟なのだ。

 また尻すぼみしそうになる全身を叱り飛ばし、虎斑に促される前にカウンターに並ぶ。


「はい。白河 鳩……です」

「白河様ですね、用意できております。施術はすぐにできますが……失礼。ご予約では白河様一名様だと伺っていたのですが」


 視線が虎斑に向く。気のせいか、一瞬顔が引きつった気がしたが、何か嫌なところでもあったのだろうか。


(いや、そういえばこの格好って普通にインパクトあったな)


 真っ赤なタンクトップに足の付け根までしかないデニムパンツ。薄桃色の爪が眩しいローマサンダル。麻痺しかけていたが、六月とはいえ相当露出が高い。髪だってショッキングピンク。

 一般層から見ればかなりハッチャけた部類には違いない。鳩は容姿と性格の解離かいりを思い知っているが、店から見れば何をしでかすかわからない厄介な客に見えていても無理はなかった。


「彼女は、その」

「虎斑 凛です。予約を入れたのはトラ、わたしになります。勿論施術を受けるのは彼です。突然で大変失礼だとは思うのですが、少々真木さんにお伺いしたいこともあり、付き添いとして同伴させていただきました。よろしいでしょうか?」


 サラサラと礼儀正しい言葉を紡ぐ虎斑。その態度にも仰天したが、何よりも『わたし』という一人称になっているのが新鮮である。

 どうにも出る幕ではなさそうだ。大人しく口を閉じても虎斑は堂々と受付とやり取りをする。


「真木、うちのセラピストですね。そういえばご予約の際に、確認したいことがあるとおっしゃっていたお客様でしょうか。あの時は真木が不在でお答えできず、失礼いたしました」

「いえ、それはしかたないですので。こちらもいきなりのうえ、その後お電話しませんでしたから。今日か、近々お話できますか? それとも個人的にお話を伺うのはNGでしょうか」

「いえいえ、とんでもありません。例の内容でしたら、全く問題ないと思いますよ。空き時間も近いですから、是非何でも聞いてやってください。あ、セラピーの秘密以外はね」

「本当ですか? ありがとうございます。治療法については、ご安心ください。最初から真似できるとは思っていませんから」


 そういってお互いにカラカラと笑いあう。話して虎斑が悪い人間ではないと理解してくれたのだろう、受付の表情も朗らかだ。


「それでは、虎斑様は施術は必要ない、ということで」

「はい、それでお願いします。それと貴重なお時間をいただく形になりますので、時給をこれぐらいとして……」

「ほほう、では空き時間が大体十分、うち五分ぐらいは確実に話せると思いますので、割ると五分につき……となると大よその値段は……」


 虎斑の差し出したメモを見た受付はニヤリと唇を吊り上げた。そろばんを使い、パチパチと何やら計算している。


「うーん、ではこのぐらいで宜しいでしょうか」

「了解しました」

「まいどあり! ではお待ちください」


 財布から小銭を二枚受け取った受付が敬礼をしつつ、大切そうにレジにしまい込む。彼は「では真木に連絡しておきますね」と奇妙な暖簾の向こうへ行ってしまった。

 今の会話の内容がよくわからず、他の客に聞こえないよう耳打ちする。


「何をお話していたんですか?」

「ん? ああ、まあわかりやすく言うと時給の相談かな。いやあ、あの人しっかりしてるね。時間を貰うんだから代価は支払うべきだと思ったけどさ。ちょっとのお金もキッチリ計算してくれるんだもんな」


 感心して何度も頷く。話をするのもせいぜい五~八分程度。それをわざわざ計算するというのは、成程しっかりしている。悪く言えばがめつい。

 商売人としては評価されるべきなのか。尊敬と呆れがないまぜにして暖簾を眺める。すると丁度よく、ぬっと緑色の布が割れた。


 痛んだ髪をすっきりとお洒落に切っている青年である。今まで見て来た人間のなかで一番身長が高い。鳩が百六十八だから、彼は百八十センチ以上はありそうだ。

 だが、押しつぶすような威圧感はなかった。針金のように細い手足と、浅黒いとも灰色ともつかない顔色の悪さ。全体としてみると、荒地に根付く枯れ木に似ている。

 退廃を描いた絵画の如き、場の雰囲気ごと相手を包み込むような圧迫感。痛みのような危機的恐怖は感じないが、第六感が距離を置きたがる。そんな男だった。


 独特の空気を纏う青年に慄く。一歩下がった鳩をチラリと見る目もどんよりと曇っている。

 静かといえば聞こえのいい瞳で一瞥し、鳩と虎斑の交互に指差す。後ろから追ってでてきた受付に手を叩かれると、指を掌に変えた。


「で、どっちが白河さんで、虎斑さん」

「こっちが鳩くん」

「あ、はい。僕です。こちらが虎斑さんです」

「ちょっと真木、虎斑さんは女の子だっていったでしょ」


 受付が小突くも「そうだったっけ」と頭をかいて悪びれない。彼が真木らしい。他者の心を癒すセラピストとしてはかなり陰気な容貌だが。教えてもらっていなければ客の方にしか見えない。

 真木もまた虎斑を見ると眉根を寄せる。深い皺は露骨に過ぎて、どうしてそこまでと違和感を抱くほどであったが、今度は会話せずとも平常に戻った。


「スミマセン、別になんでもないんで。じゃあ二人ともあっちに来てください」


 受付に比べると粗雑な口調で案内される。

 暖簾の先には何が広がっているのか。警戒していたがどうということはない。

 壁の薄汚れたコンクリートはむき出し。簡素なパイプベッドが六台ほど整列しており、敷いてあるのは薄いシーツとこれまた薄く安物のブランケットのみ。枕もタオルで代用されていた。


「結構質素、なんですね……」


 あんなに身なりのいい紳士まで来ているのに。その紳士は窓近くのベッドで安らかな寝息をたてている。ブランケットを腹にのせ、棺の中の遺体のように行儀よく指を組む姿。


(なんかヤだな)


 佑を思い出す。 

 姿だけでない、虚ろにされるがまま転がっている『現実』に。

 真木は鳩を見ることもなく、ベッドの下から大きいバスケットを取り出して答えた。背中は向けたまま。どうやら荷物置きらしい。


「ああ、まあこれでも十分仕事はできるんでね」

「はあ」


 気のない返事を気にもせず、大きな背を伸ばす。これだけ身長が高いと屈むのも一苦労なのだろう。骨の鳴る音がして、骨折でもしたのではと疑う。

 有り得ない想像をしてしまうほど彼は細い。まともに食事を取っているのか?


「んで、白河さんだっけ」

「はい。えっと、何かするんですか? こう、特別な作業とか」

「いらねえ。寝っころがってればいい」


 素っ気なく言い放ち、振り返る。「じゃあ虎斑さんは、」と言いかけ、急に動きを停止した。空洞同然の眼球がじっと鳩の目のあたりを見つめている。

 たじろぐ鳩はさっさと動かないのが気に入らなかったのかもしれないとベッドに腰を掛けたが、なお視線はそそがれ続けた。


「あ、あの……なんでしょう」

「……ん、あー、前にどこかで……見たような気がするんですよね」


 でも君じゃないっていうのはわかりますよ、ええ。

 どこだっけ。首を捻る彼の意味不明の発言に、鳩は鳩で首を傾げた。なにをいっているんだろう、この人。


「どうでもいいか。じゃあ寝てください。あとは目を瞑るだけでいい。意識が落ちるまでみたい夢を考えておいて」


 枯れ枝の巨人の発言は気になるも、問い詰めるのも気が引ける。他にも客がいるのだから、あまり時間を取るわけにもいかないだろう。

 素直に固いベッドに転がり、瞳を閉じた。


(見たい夢)


 考える。佑との思い出を。何故彼女はあのように生きていたのかを。かつては見過ごし、今ならばはっきりと異を唱える記憶を。

 脳味噌の裏、意識的な文字と理屈を捏こね繰くり回す。優しい少女。優し過ぎて理解できない子ども。死を恐れず、己を愛さない人。形を持たないブラックボックス。

 論理で説明を付けられない部位が明確な障害として海馬を浮遊し始めた。理由をつけられる『結論』が足りない。新たな『結論』を求めるも、硬質なはっきりとした実像、手に取れる質量をもった合理が届く範囲を過ぎてしまう。こうなれば感覚によって知覚できる領域を目指すのみ。

 つまるところ、一体鳩は佑の何が気に食わなかったのかを。心で求めねば。

 想いは緩やかにほどけていく思考の海を広げていく。覚醒した意識が海を捉えきれなくなった頃、額をトンと叩かれた気がした。



 公園で拾ってきたという桜の花弁。丁寧に本に挟み込んで、栞を作っている後ろ姿。

 ベランダの窓から射し込む陽光のなかに、解れて消えてしまいそうな儚い雰囲気。


「……佑?」


 求めてやまない少女がそこにいた。

 ここはいったいどこだろう。ソファや少女が本を置いている机の形には見覚えがある。見紛うはずもない。自宅だ。

 一歩踏み出せば、今いるのが『夢』なのだと思い当たった。身体の感覚が酷く希薄だ。頼りなく浮かぶ風船にでもなった気分である。月面の宇宙飛行士のように、軽く踏み出すだけでスローモーションをかけたような速度で飛び上がってしまう。 風景も現実とはかけ離れていた。陽光は佑にのみ注がれ、他の部分はピントがずれたようにぼやけている。絵画に水をぶちまけた様にも似ていた。

 太陽はスポットライトの役目を務め、彼女だけが鮮やかに存在している。


「……佑」


 今度は疑問形でなく、小さく、だが力強く呼ぶ。しかし振り返らない。紙を切り分け、花を乗せ、本に挟む。その作業の繰り返し。

 鳩がいることなどどうでもよい。残酷に突きつけんばかりに。


「佑。どうして」


 質問が止まる。聞きたいことは山ほどあった。『どうして』。いってしまえば幾度も重ねればならないだろう。どうして、どうして。

 何度も何度も自問自答し、くじけてきた。足りない頭も心も、折れる度に添え木をして歩いてきたのが報われる。

 そんな淡い期待に返ってきたのは、返答だ。


「それがどうしたというの」


 記憶の通りに淡泊で変わらない。どこまでも一貫し、自らを省みない答え。決して鳩の望まない応え。


「どうした? 何をいっているの? 君は沢山傷ついて、こんな結末になって」

「傷ついて?」


 栞を作る手は優美に動く。風に(なび)く柳のように。


「何に傷ついたというの」


 わたしはなににもきずついてなどいないわ。

 あらゆる苦痛がどこ吹く風。あってはならない答えに吠える。


「人に! 優しさに! 疲れに! 身勝手に!」

「たいしたことないでしょう、そんなもの。あったところで意味はあっても、必ずしも害になるとは限らない。わたしは平気よ。だったらいいじゃない」


 栞を作る。重なっていく。瑞々(みずみず)しい薄紅の欠片から、萎れて無残な姿を晒す茶色の塵まで。


「死んだんだよ!」

「だから、何。いまどき、死に何を求めても幸せにはなれないわ。不幸にもね」


 作られた桜の栞が床を埋め尽くし、山を作っていた。屍の山。桜の死骸。悍おぞましい美の化身と結末。なんでもないはずの栞に、鳩は純粋な過去が塗り潰されるような恐怖を覚える。

 夢の中の為か感情の制御がうまくいかない。迸ほとばしった嫌悪のまま、紙切れを踏みつぶす。足の裏で念入りに踏めども踏めども、不快感と恐れはなくならない。

 わけもわからずパニックに陥りかける鳩に、少女はどこまでも穏やかな口調で慰める。


「だから、何も気にしなくていいのよ。あなたは幸せになりなさい」


 他の皆を幸せにするの。だから『鳩』と名付けたのだから。


「あああああああああああああああああああああああああああああ!」


 幼子のような癇癪。耳を塞いで目を閉じる。みたくないみたくない。ききたくないききたくない。

 かつて憧れていた優しさが気持ち悪い怪物に思える。

 その感情は、佑を追いつめた彼女達と同じ――



 はっと目を開けた時、今度は雨が激しく地面を穿つなかに佇んでいた。

 見上げれば鉛色にびいろの曇天どんてん。弾丸のような豪雨が降り注ぐも、鳩は全く濡れていない。身体のまわりを薄い光のベールのようなものが覆おおっていた。無形のレインコート。


 足元をみてギョッとする。まるで鳩の分も水を被ってしまったと言いたげな少女が一人、無情なアスファルトの上に転がっていた。

 ずぶ濡れの制服は白河姉弟の通う高校と同じもの。佑かと思ったが、まず髪の色からして違う。少女はすすり泣いて、全身を震わせながらも動かない。いや、動けないのかもしれなかった。膝は擦すりむいていて赤い血が滲んでいる。髪は濡れていてわからないが、全体が草臥くたびれて絶命寸前の虫に似ていた。

 助け起こそうとして手を触れたが、あっけなくすり抜けてしまう。


(これじゃ幽霊みたいだ)


 先程、もっと幽霊じみた何かに出会ってきたが。心の根底に爪を突き立てるような思いを思い出し、ぶるりと震えた。

 とりあえず少女の顔を覗き込む。地味で目立たない顔立ち。目元のほくろが印象的な――


(この子は!?)


 そして気づく。佑をいじめていたグループの一人であると。


「こんな、なんで」


 鳩がしりもちをついた瞬間。鳩の代わって差し出された手があった。

 儚い雰囲気のまあまあ整った容貌の少女。―佑。


「立てる?」


 小さな手を信じられないものを見たように見つめたいじめっ子は、しばらくしてはにかむ。


「ありがとう」


 佑の手を借りて起き上がるも、佑は足を延ばした際に醜く引きつる微笑みを見逃さない。


「どうしたの。今朝、賀渡さんに話しかけられていたけれど、その件かしら」

「ッ、違う、違うの。ごめんなさい、ありがとう。じゃあね」


 その名前を聞いた途端に走り出そうとして転ぶ。賀渡。変わった苗字には鳩も聞き覚えがあった。いじめっこのリーダー。いつもふんぞり返った傲慢(ごうまん)な巻き髪。


「やっぱり、(いじ)められてるんだ」


 単刀直入に切り込む佑に、今度は隠しもせず少女が歪む。鳩は二人の会話に動揺を隠しえなかった。


(どういうこと? 先にあの子が虐められていて、佑を引き換えにしたのか? それとも)


 黙り込む二人の前で、自分が差していた折り畳み傘を一回クルンと回し。


「そう。なら、わたしが代わりになりましょう。あなた、明日わたしが気に入らないことをしたと彼女にいえばいい。偽善者だとでも悪口をいっていたでも、なんでも」

「そんなッできないよ、そんなの」


 『正義感』が動いたのか。即答する少女にも佑は心から不思議そうに首を傾かしげる。眠る前の鳩と同じに。


「どうして?」

「だ、だって……白河さんは、何にも悪くないから……」

「わかった。なら、悪いことをすればいいのね」


 佑もまた即座に頷うなずく。


「え?」


 驚愕に目を見開いた少女が瞬きする暇もなく。

 佑は、傘で彼女を殴りつけた。


(――ッ!?)

「やッやめてッ白河さん、痛いよッ」


 叫ぶ少女にも「当たり前よ、痛いようにやっているの」と叩き続ける。

 少女が頭をかばい、雨の中でもわかるほど滂沱ぼうだの涙を流し、手足が真っ赤になるまで。

 (あざ)ができるのは確実だろう。そこまで殴打(おうだ)し終えた佑は、安心するかのように息を吐く。


「これで、明日からあなたは幸せね」


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