表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤の印  作者: 酒井順
プロローグ
6/20

第6話 健気な決意

第6話 健気な決意


 村から戻ったクッポが言うには、

「まだ数人の捜索隊らしきものが残留しています。何を探しているのかまではわかりませんが、ずいぶんくまなく捜索は行われているようです」

「じゃあ、村には戻れないの?」

「はい。そうなります」

「お母さんやお父さんは?」

「残念ながら…」

 クッポが撮影してきた動画には、無残にも打ち壊された家屋や土蔵が映されていたが、不思議なことに火災は起こらなかったようである。とすれば、やつらの探し物は火に弱いものとなるのだろうか。不思議なことはもう一つあって、人の姿が映されていないのである。死体を運び去った可能性もあるが、それよりも拉致された可能性の方が高いかもしれない。確かに拉致のためなら火災は起きない方がいいから辻褄は合いそうだ。しかし、未だに何かを探しているのは、他にも目当てがあるということだろうか。いずれにしても、村人たちが生きている可能性は残されたことになる。


「助けに行こうよ」そう言うマイに、ライは酷いとは思いながらも、

「無理だよ。どうやって助けるんだ?」

「たくさん強くなるしかない」きっぱりとクウは決心を固めたのであった。

マイも辛い思いを胸に「そうね。それしかないわね」と言い放った。

 未だ12歳にならんとする3人には健気な決意であったが、それが運命であり逃れることはできなかった。村を失い、父母も行方がしれず何から始めれば望みが叶うのかもわからず、途方に暮れようとしていた3人が知る世界は村しかなく、あいつらが誰なのかも知らず、強くなろうとしても何処まで強くなればいいのかわからなかった。

 それでも、この3人チームのリーダー的存在のライは、

「皆何が出来るか確認しておこうよ。それから補強をしていくんだ」

「補強?」

「うん、自分の足りないものを補っていくのさ」

ライは、システムやクッポと接触したことで少しずつ学びを始めたようだった。

「マイは何が出来る?」

「勘がいいみたい」

「勘?」

「そう、小さい時、マモお婆さんに褒められた」

「へ~、マモお婆さんが褒めたの?なんて?」

「マイも異能者かもしれないねって」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ