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赤の印  作者: 酒井順
プロローグ
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第4話 予期せぬエラー

第4話 予期せぬエラー


「精査終了しました。突然変異因子率が高過ぎますが、間違いなく純血の人類と認められます。細胞構成、脳内波動どれもが純血でした。尚、突然変異因子率は異能力に大きく関係します。わたしの知る限り10%を越えた人類は今までいませんでした。しかし、この数値はあくまでも潜在能力で異能力の発現には多くの経験と幸運を必要とします」


 それからが大騒動となった。

「ビーッ、ビーッ、予期せぬエラー、予期せぬエラー、人にあらず、人にあらず」

クウとマイを検査、精査したシステムの反応だったが、そこでシステムを宥めたのがライであった。

「システムさん、待ってよ。何処でエラーが起きたの?」

「暴走寸前。暴走寸前」

「システムさん、順番に行こうよ」

 そう言ったライは、システムと同期をとり始めたのであった。これはライにも予期しなかったことで自分がそんな能力を持っているとは思ってもいなかった。幾分、落ち着いたシステムは制御をライに委ねたのであった。ライの脳裏にコンソール・イメージが浮かび上がり、二人の精査を順序よく行っていったところ、染色体数と遺伝子配列はクウもマイも正常で、突然変異因子率はクウが3.2%、マイが2.7%であった。細胞構成も正常だったが、問題なのは脳内波動であった。二人共に波形が人類のものと大きく異なるのであった。従って、周波数も振幅も測定できず、システムが暴走寸前となった次第のようである。

「システムさん、原因はわかったけど、システムさんの結論はどうでたの?」

「この二人は、あいつらの刺客です。間違いありません」

「あいつらって誰?」

「赤い血を持たないやつらです。わたしを製作したものの敵です」

「じゃあ、その敵の脳内波動のサンプルはあるの?そしてそれと一致しているの?」

「サンプルはありません。ただ純血の人類の脳内波動ではありません。敵です。間違いなく敵です」

「システムさん、それじゃあ、説得力ないよ。落ち着きなよ」

「はい。わたしの再起動をお願いできますか?」

再起動を終えたシステムは少し落ち着いたようで、確かに人類と違うというだけで敵とは限らない事に気が付いたようである。しかし、まだ納得はしておらず、

「ここから南の方向にわたしより高位のシステムがあるはずです。そこで再検査をお願いします。コンパス鳥を1羽飛び立たせます」

 しかし、システムの思いとは別に3人は村のことが気掛かりであった。


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