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赤の印  作者: 酒井順
第1章 赤の血
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第1-7話 キノコの変貌

第1-7話 キノコの変貌


 サクマとサミーの会話は暫らく続き、思い余ったクウはサクマと代わって言ったのであった。

「お腹空いたー」

 確かに陽も傾き、夕食時には少し早かったが、昼食もろくにとっていないクウたちは空腹であったのだ。

「おーそうか。そうじゃな。ミチ、食事の支度をしてあげなさい」

少女の名前はミチと言うようで、土間の片隅にある厨房らしき場所で何かを調理し始めた。その何かとはキノコであって、サミーとミチの主食はキノコであったのだ。調理は直ぐに完了して食事が供されたが、その評判はすこぶる良好であった。

「おいしーい」

「ジュウシー」

「味付けには何を使っているのですか?」サクマの問いにミチの答えは、

「何も使っておりません。全てキノコの素材の味のままです」

「しかし、このジュウシーさや微妙な塩味はどうしているのですか?」

「それは、様々なキノコをブレンドしているからです」

「…」

「わしが説明しよう」サミーが説明役をかってでた。

「サクマは21世紀に起きた天災というか事故というか、それを知っておるの?」

「はい。多少は」

「その事故の後に、ある特定の地域だけ生態系ががらりと変わったのじゃよ」

「それも聞いたことがあります」

「わしらの長寿の秘密もどうやらそこいら辺にあるようじゃが、解明はされていないはずじゃ」

「それとこのキノコの味との関係は?」

「そこじゃ。いいところに気が付いておる。ここいら辺でキノコの爆発的進化か変貌が起きておった。キノコは胞子の塊みたいなものだったが、ここではほとんどのキノコが胞液を持っている。胞液とは、わしが名付けたものじゃが、胞子の液体化したもので、胞子より多くの能力を持っているようじゃ。特に胞液の及ぶ範囲では、胞子を介するより確実で爆発的な増殖が起こっている。それだけでなく、胞液は何かをしているようで、このキノコの味もそうじゃ。様々な薬も作れて、ミチはそれを里に持っていって僅かな商いをしているが、残念ながらわしには薬の知識があまりない。今が経済至上主義の時代だったなら、ここいら辺はキノコの金脈になっていたかもしれぬの」

「サミー技師は多くの時代を生きてきたのですね」

「そうじゃな。だが、それもまもなく終わる。それよりお主に頼みがある。赤き血のキノコを処分して欲しいのじゃ」


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