第1-3話 空白の時間
第1-3話 空白の時間
「わたしはC・Cのサクマです」
「なにっ、しかしその姿は?そうじゃな、お前がC・Cのサクマだというならば専門は何を研究しておった?」
「それは多岐にわたることをあなたがよくご存じでは?強いて言えば、組み合わせの複雑論になりますか」
「なるほど…ならばC・Cは何の略じゃ?」
「コンビネーション・コンプレックス」
「当りじゃ。しかしその姿はどうしたことじゃ」
「わかりません。しかし推測ですが、エリー女史の二元論が実証されたのだと思われます」
「あの生命と精神は別物だという理論か?あれは完全に異端視されていたのではなかったか。もっともわしの研究も異端視されておったが」
「しかし、そうとしか考えられません」
「もしかして、サクマ技師の生命の中に精神の同居者がおるのか?」
「はい、クウという主人格が存在します」
「そうか、ではそのクウとやらと話がしたい」
「僕はクウだよ」
「クウと一緒にいるサクマという人格を知っておるか?」
「サクマ?知らないよ。でも、もしかしてコウのこと?」
「そうかもしれん。そのコウをどのように認識しておる?」
「認識?好きかってこと?」
「違う。では、自分の中にもう一人の自分がいることは知っておるのじゃな。もうよい、サクマと代われ」
「質問がある。生命1つに精神2つで困ることはなんじゃ?」
「同時に話せないことですね。その他に困ることはないような気がします。外界からの情報は共有できますし、思考も独立して行えます。感情もそれぞれが持っています」
「では、クウとやらが成長してお主と意見が食い違ったら、行動はどちらの意思を優先させるのじゃ」
「そうか、考えたこともありませんでした。これからの課題として考えておきます。ところで、今はいつなのです?」
「ん?空白の時間を持っておるのか」
「はい。突然、この生命に宿ってしまったようです」
「今は、あの28世紀から3千年後じゃよ」




