雑貨屋アリアンワース
初めての小説となります。
行き当たりばったりな勢いだけの話となるかもですが、優しく見守って頂ければ幸いです。不定期更新となりますが皆様宜しくお願い致します。
340年前の世界大戦・・・亜人と人類の戦いは人類の勝利で幕は下りた。しかし、大戦の傷跡は凄ましく大地は割れ森は焼け野原となり世界は混迷の世となった。大戦後、一人の騎士が多種多様な戦争難民をまとめ上げ都市を築く。
騎士の名はカルカナ
現在、彼の地は独立交易都市カルカナとして世界の中心都市となるほどの賑わいをみせていた。その最たる理由はカルカナ北側に面して聳えるブレスト山脈にある古の大坑道。史書によれば約3000年前、古の亜人が鉱山として利用し一時は栄華を極めた場所と記されている。
その大坑道は巨大な迷宮となり古の亜人の魔力によって現在も風化することなく希少な鉱物などが存在する。魔力の影響か坑道は生きているのだ。坑道には魔物が生息しており一般人では内部に入ることは自殺行為であり、都市カルカナができるまでは誰も坑道に入ることなど考えもしなかったのである。
しかし都市の発展と共に富と名声を求めた命知らずな冒険者、希少な鉱物を求める職人などが坑道に挑む様になっていった。
カルカナ3番街雑貨屋アリアンワース店内…銀髪のどこか頼りなさそうなオーラを出しているハーフエルフの少年が深緑の瞳を眠そうに擦りながら店番をしている。カランカランと扉の鈴がなり金色短髪の小麦色の肌に紫の瞳を持つ偉丈夫入って来た。
「ただいま!ちゃんと店番してたかゼナ?」
「エミ兄おかえり!店番は眠くなるよ~ 坑道収穫はあった?」
銀髪のハーフエルフの少年の名はゼナ・アリアンワース14歳。 エルフの森に迷い込んだ父とエルフの族長の娘だった母との間に生まれたハーフ。父は記憶を消されて森より追い出されたと母より伝えられてる。そして6歳の時、住んでいたエルフの集落にダークエルフの襲撃を受け集落は壊滅、母はゼナを庇い亡くなった。母に森から逃げるように言われ形見としてエメラルドの首飾りを渡される。数週間森を彷徨っている所をエミリオ・アリアンワースと、その祖父ダリオに助けられる。
金色短髪の偉丈夫の名はエミリオ・アリアンワース18歳。4歳の時から祖父ダリオに鍛冶師としての技術を叩き込まれた生粋の鍛冶師。その技術は祖父ダリオがドワーフと親交があった為ドワーフの秘術も使いこなすカルカナ随一の鍛冶師となっていた。
「うーん今日は気分転換で行ったから、 銀とミスリルが少し・・・ソロだとあまり奥まで行けないしな」
「今度行くときは、自分も連れてってよっ!間も無く15歳だし弓でなら役に立つよ〜」
エミリオは鉱物の入った鞄をカウンター裏におろし、ツルハシを壁に立てかけた。その横でゼナが魔装冷蔵庫から冷えたレモール水の瓶を取出しエミリオに渡たすと彼はニコっと笑ながら、うんうんと頷いていた。
「そーだな、15になったら連れてくぞ」
「エミ兄っ今月、僕の誕生日!てかあと2週間あるけどネ」
「まーそれまでに装備を整えておけよ?弓は誕生日祝いに新しいのを作ってやるから」
「エミ兄ぃぃ ホント良い兄を持った弟は幸せだよ」
喜びながらゼナは弓と矢を装備しエミリオに伝える。
「エミ兄、もう出かけないよね?森に行きたいから店任せて良い?」
「ああ 今日は、このままのんびり鍛冶する感じかな」
その返答を受けて店は任せたと言わんばかりに、行ってくると手を振ってゼナは店を飛び出していった