第6話 とある男
1週間が経ち、俊が仙台に着くため家から近い最寄りの駅に皆で行った。
「俊、ここ。」
僕は俊に大きく手を振った。
「優希、久しぶり。おー明日香も。」
「俊ちゃん。久しぶり。」
明日香は俊を“ちゃん”づけする。明日香は変に感じていた。
「家広いね。皆でシェアハウス?」
「俺は居心地悪いけどな。女ばっかで。」
「女ばかりで悪かったね。てか元々、私名義の家だから。」
麻美はそう言いながら少し微笑んでいる。
「とりあえずみんなの名前は分かったよ。」
「俊はどうして仙台に来たの?」
「優希にこれを渡しに来た。」
俊はカバンの中から紙を取り出した。
「何これ?」
「俺の体のロボットだ。こいつを将軍の所に送り込んだ。今頃は雑魚共を倒しているだろう。」
「ねぇ、あなたは何の仕事をしているの?」
凛が疑問に思った。
「ああ...俺か。俺はコンピューターのデータを警察に送っている仕事だ。」
「凛?どうした?」
「大丈夫、何でもない。」
様子がおかしいと感じたのは千尋もだった。
俊にパソコンを貸して塁と手下の分析をしていた。
「これが今の塁だ。」
「…、塁。」
「仕方がないことだ。潰す。それと手下の智晴という女だ。」
こいつも見たことがあるような。
「俊、明日行くしかないな。」
「俺は国に戻らなきゃ。有給使い切ったし。」
そうなんだ…。
「優希、生きて帰ってこいよ。」
「分かってるって。」
その夜、明日香が僕の部屋にやってきた。
「一緒に寝ない?」
「急にどうした?」
「あのさ優希…。」
俊のことか?
「優希、結婚しよう。」
へ………。
「どういうこと?」
「ずっと好きだった。気づいてくれないから私からプロポーズした。」
「戦いが終わったら必ず返事する。返事を返すために生きるから。」
返事する。
そして僕たちはI山に着いた。
「行くか。」
将軍の元へ登って行った。僕たちの目の前に突然男が現れた。塁だ。
「塁。」
「優希、久しぶりの再会がここだと。面白い。おっ、お目当ての熊谷麻美。そいつをよこせ。」
「ふざけるな。麻美は俺が守る。」
そう言ったとたん明日香が叫んだ。
「麻美は私が守るの。優希は先に行って。塁だっけか?私が相手する。」 続く