SIDE STORY 智晴ver
私、阿部智晴。優希を好きになった智晴と、優希の敵になった智晴は全然別人。この世界は優希を好きになった智晴の視点からの話だ。23歳の頃、私は智晴にこの世界に連れてきた。ベニショウを置いてきて。
「離して…。」
私は智晴にグルグル巻きされ家に置かれている。
「黙って。あなたにはここにいてもらう。あなたの世界のことを教えてもらうから。」
「そもそも何で私が2人もいるの?」
「パラレルワールドを知ってる?」
「聞いたことはあるけど。」
「別の世界で私たちが生と死を連動させているの。だから私が死ぬとあなたも死ぬ。逆もね。」
「この世界は私と住んでる所と政治的に違うのね。」
「将軍がいる。私はその手下なの。」
奇妙な世界…。
プルルルル...プルルルル。
「もしもし。ああ。了解。」
智晴は家を出る準備をした。
「どこいくの?私を放置?」
「仙台に行ってくる。優希を殺しにな。」
「止めて、殺さないで。あっちの優希も死んじゃう。」
智晴は私をおいて仙台に行った。
私はあえて智晴の体のGPS搭載携帯電話で盗聴及び位置確認をしていた。
「私のこと、よくもフッってくれたね。」
あんたのセリフじゃないから。
「誰あんた?」
「阿部智晴。本当に覚えていない?」
女2人は知らないだろうな。私が知らないんだもの。
「高校時代の私も仕組まれた私だったの。勿論告白も嘘。」
嘘じゃない。あの女、私の命を捨ててもいいから殺す。
「偽りだと?」
「智晴、優希のこと好きだったんじゃなかったの?」
「残念でした。高校卒業と同時にこの世界に帰ってきたの。」
私はここにいる。阿部智晴はもう1人いる。
「ベニショウはどうした?付き合っていたんじゃないのか?」
「すぐに別れたやったよ。ベニショウが言わなかっただけよ。」
今でもベニショウは心配してる。私のことを愛してくれているの。
「優希、相手しなさい。仕返しする。」
智晴の攻撃が始まった。 続く