第1話 パラレルワールドで
世界には、いくつもの世界がある。生まれた時に何人もの自分がそれぞれの道に進んでいる。原田優希は1人ではないということだ。片方の世界の原田優希は、アナウンサーになり結婚もしている。この物語は別の世界の原田優希の物語だ。
トントントントン...。
「ハ~ハ~。」
僕の名前は原田優希。国際警察だ。僕にはやるべきことがある。我が街の将軍を倒すことだ。表では民に良い顔をしているが、裏では銃や麻薬の取引をしている。それを知っているのは僕らだけだ。今この状況?明日香が厄介なことをしてな。武将側の人間に追われている。
「明日香、貴様余計なことをするな。」
「知らないわよ。運が悪いだけよ。」
「とりあえずこの倉庫に隠れよう。」
2人で倉庫の中に隠れた。外では僕らを探しているペーペーがウジャウジャいる。
「これからどうするの?」
「隠れる。」
「ここに?」
「私が探すわよ。」
「隠れる場所あるのかよ?」
僕たちは犯罪者扱いをされている。逃げ場はその日により変わる。勿論2人で行動している。倉庫が開く音がした。
ドンッ!
「わっ!」
開けたのは女の子だった。
「誰ですか?ここ私の家の倉庫ですよ。」
「すみません。追われていて…。」
「まず外に出てください。」
女の子は倉庫から野菜を出した。
「君、名前は?」
「私ですか?熊谷麻美です。」
「俺ら逃げ場が無いんだ。家においてくれ。」
「私からもお願い。」
本気でお願いした。
「事情は後で聞きますから。とりあえず家に行きましょう。」
僕と明日香はお互いに目を見て頷いた。
家について事情をすべて話した。
「麻美さん、ありがとうございます。」
「麻美で良いよ。2人の名前聞いて無かったよね。」
「俺は原田優希。」
「私は石澤明日香。よろしくね。」
「2人は何なの?」
僕は一息おいて話した。
「俺たちは国際警察。隣の国のな。この街の武将が違法していると我が国では有名な話だ。」
「この話が街の将軍に知られたの。だから追われているの。」
麻美は話の流れを分かっていない。
「2人はそのためにこの街に来たの?」
「ああ。だが奴らは警戒心が強いから、まともに動けないんだ。」
「麻美の命は私たちが必ず守るから。」
麻美は不安になりながら頷いた。
「それなら私も。」
え?
「パラレルワールドって知ってる?」
「何の話だ?」
「要するに、私たちがもう何人かいるの。この世界が1つではなくて、...ううん、分かりづらいけど…優希が生まれた時点で優希が何通りもの世界で過ごすの。そのたくさんの優希は一生交わることはない。」
「私たちが別世界にもいるのね?」
「そう。その別世界にいる自分の行動を私は見れるの。変な能力でしょ?」
意味が分からん。
「それと私たちは関係あるの?」
「私を守って。私も将軍に目を付けられているの。この傷は将軍側の人間につけられた。」
麻美は左腕を見せた。
「分かった。麻美は俺が守るから。」
「ありがと。」
あれ...何でだろう。どこかで1度会っているような...。無いような...。 続く