第七話 初めての『仲間』
皆さんこんにちは!
今回はそれほど日数を開けずに投稿できたと思います!
今回はmiyuu以外の目線でお送りいたします
このキャラは今後のmiyuuにかなり影響を与えるキャラなのですが・・・キャラの設定って難しいですよねアハハ
とまぁそんなことはおいておいて結局学年閉鎖中の更新は一回で終わってしまいました・・・申し訳ない限りです。
最近はやることもなかなってきたと言いますかで執筆時間も少し増えてきたのでこれからはもう少し早めで次話をお届けできるようになると思うのですがあまり期待はなさらないでくださいね。有言不実行が作者の座右の銘なので(笑)
では本編になります。
どうぞお楽しみください。そして感想をください心がおれそうです
七話 初めての『仲間』
side seine
出遅れた
完璧に出遅れた
ドームから一番近いウェーストグラスフィールドはすでに人で溢れかえっている
一緒にゲームをする予定だった友達達とも会えないし・・・とりあえず出遅れることだけは避けねばならない
ドームから出たところに突き刺さっている看板を見る限りこのプロローグタウンは四方にそれぞれフィールドが展開しているらしい
目の前の草原は確かに人が多いがその分他の三ヵ所は人が少ないはずだから
えーと東の・・・森?は反対だからとりあえず南の沼か北の山だな。 少ないといってももともとの人数が人数だしもしもの時はそのままイーストウッドガーデンにいってもいいかもしれない
と進路を南に定め道中アイテムや情報がもらえないかとNPCに積極的に話しかけながら走り出す
結果アイテムは貰えなかったが初期の武器がかなりの地雷であることが判明したのではじめから持っていたお金でスモールソードの上位版ミドルソードを購入した
他にも各フィールドに出てくるモンスター等の特徴を聞くことができた
そうやって八人目のNPCに話しかけたときもやはり教えてくれたのはモンスターのことだった
こうやって情報を集めて回れば安全度は増すよなと思いながら話を聞いているうちに僕のからだが震え出す
鏡などがないからわからないが今僕のかおは真っ青になっているだろう
そう、原因は今目の前で僕にご丁寧に南の沼・・・サウスパウンダースワンプにでてくるモンスターのことを教えてくれている恰幅のいいおじさんである
いや・・・こういうとおじさんに失礼か・・・正確にいうならば今おじさんが話しているモンスターが問題なのである
シールドクラブ・・・おじさんがいうには異様に分厚く発達した右鋏を持ったカニらしい
その発達した鋏を体に乗せて盾としているらしく生半可な攻撃は通らないらしい。しかしやはり初期のほうのモンスターだからか攻略法は多く攻撃の直後を狙ったりひっくり返したりシールドクラブ同士をぶつけたりなどすればダメージが通り楽に倒すことができるらしい・・・しかし僕はそこまで聞くことが精一杯だった
早口でおじさんにお礼を言い逃げるように去っていく・・・東へ
僕は甲殻類・・・とりわけ蟹がだいっきらいなのだ
蟹が出るという時点で僕のなかで南の沼という選択肢は消えた
といっても位置的にいえばもう南の沼の目の前辺りまで来てしまっている
ここからいくならば東の森の方が山よりか近い
正直森もあまりいきたくなかったのだがこれ以上遅れるわけにもいかない早くレベルを上げなければ!
あせる気持ちを押さえられずNPCの人達に話しかけることも忘れ森に向かって走り出す
最短距離を行こうとしたのか円い町の南口から各方角へと繋がる大通りを通らずそのまま東の方角へと走り出した
別に危険があるというわけでもないがただでさえ勝手を知らぬ町のなか・・・ひとり細い路地を通りどんどん奥へと進んでいく
もちろん道に迷いあっちこっちへ行きながらもやっとの思いで大通りへと出られた
結果として東口に着くのはやはり遅めになってしまった
(まずい・・・はやく・・・はやく!)
休憩も入れずにそのまま森へと走り出す
前を見ないで走っていたからか前からやって来た人物にぶつかってしまい尻餅をついてしまう
地面にぶつけた尻を撫でながらseineは森から出てきたであろう人物を見上げる
「ふわぁ・・・!?」
思わず感嘆の息を漏らしたのに気付き急いで抑え込む
いつまでも座ってるというわけにもいかず立ち上がりながらもう一度目の前の人物を観察する
自分が体力を消耗していたとはいえ走り込んできた自分を真正面から受け止めても全く揺るぎもしない
Seineは自らの年齢のわりに幼く見える容姿にコンプレックスを持っていた
それ故よく力を持つものには惹かれるふしがあり、自分でもそれには気づいていた
ドームでも一人遅くまで呆けていたのはあのalfledと名乗った男の力に当てられたからだ
だからこそそんな男についていきたいと思ったから力をつけることに執着していたしあそこまで焦っていたのだ
目の前の人物からも力を感じる・・・alfledのようなあからさまなそれではなくむしろ秘められたような・・・そんな力の片鱗に触れたような感じだ
しかしseineがもっとも驚いたのはそこではなく目の前の人物の顔にあった
決して幼くはない・・・しかし力を感じさせるようなものではなくむしろ守られる側の雰囲気さえかんじさせるそんな風に整った顔・・・あの男に存在した人生の傷が欠片も見当たらない・・・なのに強い・・・
僕と同じはずなのに・・・っとと謝るのを忘れていた
急いで頭を下げる
「ご、ごめんなさい!」
声は裏返っていないだろうか?
体は震えていないだろうか?
顔をあげて相手の反応をうかがってみる
・・・怒ってはいないようだ。ただ・・・反応がない?
「あの、大丈夫ですか?お怪我は・・・あ、ゲームでしたね」
さすがにまだフィールドには出ていないし決闘をしているわけでもない現状でHPが減ることはない。少し恥ずかしい・・・そうゲームなんだ。・・・そうだ!この人はフィールドの帰りのはず・・・なら・・・
「あ、いや・・・君こそ大丈夫かい?ごめんね?少し考え事をしていて前を見ていなかったんだ」
やっと返ってきた反応はいかにも好青年といった感じのものだった。年下を気遣う感じの・・・
(まぁいいけど・・・見たところそんなに年齢は変わらないのに・・・)
そんな風に心のなかでぶつぶつと文句を漏らす・・・とりあえずこちらも言葉を返さないと
「いえいえ!僕は大丈夫です!それにしても・・・えーと・・・お兄さんが来た方向って」
一応目の前のお兄さんがどこから来たのかを確認しておく・・・とそこで名前をまだ聞いてなかったことを思い出した。この場であっただけなのに名前を聞くのもおかしなことかもしれないので勝手にお兄さんと呼ぶことにした
「僕はmiyuuっていうんだ。読み方は好きにしてくれていいよ?ミユウでもミュウでもミューでも・・・好きなようによんでくれて構わないからね?」
僕の戸惑いに気づいたのか名前を教えてくれるお兄さん。・・・ん?
「ミュー?あれ?それどこかで・・・」
他のゲームであったことでもあったかな?珍しい名前だから忘れるってことはないと思うんだけど・・・
「あー・・・ソレより君の名前・・・教えてもらってもいいかな?」
慌てたようにこちらに話を振ってくるお兄さん
そういえばまだこちらは名乗っていないことを思い出した
どうもこちらに来てからは考え事が多くなったような気がする・・・やっぱり変わらないかもしれない
「え?あ、はい!僕はseineともうします。読み方はローマ字読みでセイネです。」
自分のよくゲームで使う名を名乗り返す
これは現実での名前のもじりなのだがやはり読みにくい
「セイネ・・・君だよね?よろしく」
「あ、はいよろしくお願いします!・・・あの・・・それでですね・・・」
お互いが名乗り終わったところで本題に入りたいと思う
「ん?」
「その・・・ミューさんはイーストウッドガーデンの帰りですか?」
そう、僕はお兄さんからこの先にある森のフィールド・・・イーストウッドガーデンについて聞こうと思っていたのだ
「ん?・・・あぁそういえばそんな名前だったな。うん、そんなところだよ」
・・・名前を知らなかったんですかお兄さん・・・
「あ、あの!もしよろしければなんですが色々とご教授願えたらなーなんて」
内心ひきつりながら目的を告げる
「・・・」
お兄さんは黙り混んでしまった
正直ここで断られるのは不味い
僕が聞けたモンスターの情報は南のものと西のものだけ、西にいるのに東のモンスターのことを教えてくれるようなNPCは居なかったのだ
「ダメ・・・ですか?」
若干どころかかなり不安なのだがそれを出さないようにしながらと聞いてみる
「ごめんね?僕説明下手だからさ」
断られてしまった。一瞬いけるとおもったんだけどなぁ・・・まぁダメなものは仕方がない。
確かに東は人も来ているようには見えないし情報を売るならば高く売れるだろう。
僕は武具の新調などにお金を使ってしまっているのでお金を出すこともできない・・・無償でなんて都合がよすぎるよね・・・
「そう・・・ですか、すみませんでした無理いって。また会いましょうねミューさん」
ならばこれ以上ここではなす意味もない。
お兄さんには悪いけど早いところレベル上げにいそしもうと森に足を向けて重たい歩みを始めると
「あー、でもよければなんだけど・・・ついていこうか?」
お兄さんに呼び止められ、振り向き様にそんなことを言われた・・・何を言っているのか理解が追い付かない
「ほぇ?」
なんとも情けのない声だろうか・・・体と心がまるで別人のような反応をしている
「イーストウッドガーデン・・・連れていってくれないかな?僕も」
聞き返しても耳に届く答えは一緒だった。
いやでもだってこんな見たまんまガキな僕なんかを助けたって得はないはずだ。実際お兄さんは突撃してきた僕を弾き返すだけのレベルアップを果たしたはずなのになぜこんなことをいうんだ?
「え?いやだってミューさん・・・本当にいいんですか?」
お兄さんの顔を見て察した・・・そういえばまだ勘違いをただしていなかった。
本当はさして離れていない年なのだがまわりからみると自分はとても幼く見える。正直じぶんでもそう思う。
だかこそ彼は僕なんかのために動いてくれるのだろう。
それはなんと優しくなんと傲慢なのだろうか
・・・またもや自分のなかでくすぶり出した力への渇望を急いで隅へ追いやりながらお兄さんの言葉を待つ
「子供は遠慮しなくていいんだよ?二人のほうが安全だろうしあそこの森にはグループで行動するゴブリンがいるからね僕にとっても美味しい話だ」
・・・明らかに嘘なのだろう。グループで動くゴブリンとやらに出会ってもなお十分なレベルを確保しているところから見るにお兄さんは明らかに一般よりプレイヤースキルと呼ばれるものが高い
疲労のようすも見えないのに町へ向かってたのだって帯剣してないところからたんに武器が磨耗したというだけにすぎないのだろう・・・そんな彼が手伝ってくれるというのは僕にとっては願ってもない話で確実に力はつく・・・代わりにお兄さんの時間と安全性を奪うことにはなるが・・・
「・・・では・・・お言葉に甘えさせていただきますね!」
僕は結局自分をとった
僕の返答を聞いて頷いたお兄さんの笑顔に痛みを感じる
と目の前にパーティー申請のウインドウが開いた
迷わずOKのボタンをタップする
すると視界端の自分のHPやMPが表記されたバーのしたにもうひとつのバーが増える
「よろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします!ミューさん!」
ここに力を求めるものと力に伴う責任に苦悩するもののパーティーが組まれたのだった・・・お互いの相反する心中も知らずに・・・
毎度のことながら後書きではなすことってあまりないんですよね・・・小話とか解説とかにでもしちゃいましょうか?
皆さんはどうしているんでしょう