第一話 最後の平穏
作者はあまり執筆活動になれていないため非常に時間がかかります。こ了承ください。
ゆっくりしていってね!
一話 最後の平穏
暗い闇に染まった空の彼方にようやく赤みが指してきた頃
朝の靄も少したちのめるなか街から少し離れたところにある住宅街の家の扉が開かれた
「うぅ~寒い寒い!っと・・・結局朝になっちゃったかぁ。母さんは・・・まだ寝てるな。」
入ってきたのは少年。黒髪黒目の顔立ちに幼さが残る端整な少年。ただし今は嬉しそうにその手に抱えた小さめの白いビニール袋の中を覗いている。
朝帰りというと少しアレなのだが彼の場合は少し事情が違うようだ。
「それにしても買えてよかったぁ~・・・自転車がパンクするとは思わなかったからなぁ。・・・っと早く部屋に戻って暖まろう。」
と自身の体を抱きさすり上げながらせわしなく階段を上がっていく。
これはいつもの日常であり今思えばこの少年にとっての最後の平穏の風景だった。
御正 悠哉 14歳 金里第一高校所属 二年生 帰宅部
この物語の主人公であり忌まわしいとすらされ現代における科学の進歩を一時的にとはいえ止めた悪魔のゲームの被害者でもある。・・・そう、今まさに彼の手が持つあのゲームこそが・・・『悪魔』のゲームである。
◇◆◇
PM11:02
『ジリリリリリリッ!!!』
土曜日の昼間・・・休日になってゆっくりしていたお父さんも、そのお父さんを労うお母さんも一緒になって飛び上がってしまうような音量の目覚ましが住宅街に響き渡る。
例に漏れず叩き起された僕が弾く様に目覚ましを止めると今度は弾かれたようにベッドから飛び起きた。
本日は土曜日!
学校はなく明日にも休日が控えたゲームのためにあると言っても過言ではない日だ。
まぁ僕にとってはいつもそんな感じだけど。
今日のお目当ては早朝に並んでまで購入した新作のRPGゲーム。
今はビニールから出され机の上にハードと一緒にして置かれたそれは僕がずっと……本当にずっと前から欲していたそれと相違ない。
思わず口元がニヤリと吊り上がるのを自覚しながらもそれを抑えることはしない。
というかここは自室だし別に構わないとすら思う。
だが時間は残酷だ……今一度時計へと手をやれば一番長い針は既に五つも歩みを進めている。
「……やっば!」
飛び出す様に二回の自室から両親のいるであろう居間へと駆け下りる。
こんな事をすればいつもなら文句を言ってくる妹なる生物が居るのだが今日は前述の通り土曜日……学校が無い高校があれば学校のある中学もあるのだ。
「父さん、母さんおはよ。」
「あぁおはよう。」
「おはよう悠君、朝はどうする?」
居間に入ればまた何時になってもイチャイチャするのをやめない僕の両親がいた
本当にやめろとは言わないが人目を気にして欲しい。たとえそれが身内であろうともである。
「パン。あぁそれと」
「昼から夜まではぶっ通しで入るから気にしないで……だろ?」
父さんが僕の言葉を奪うようにそういう。
……よくおわかりで。
「ん、まぁそういうこと。」
「先にシャワーあびてきなさい。昨日入れてないでしょ?」
「そのつもりだよ。」
ぶっちゃけ並ばなくても頼んどけば一個ぐらい確保しといてくれるんだけど……まぁ並ぶのも並ぶので乙な物なんだよ。
そこからは描写をするようなことは特にない。
単に僕がシャワーを浴びるというサービスシーンとパンをついばむだけの穏やかな映像があっただけで……
居間の時計を見ればサービス開始まで残り三分もない。
部屋に戻って机の上のチョーカー型のハードとソフトを持って感慨深く眺める
オニキスブラックに染められたそれは使い慣れた物で今更付けることに恐怖はない。
横に白地で『KLONESver3Brass Croerd』と彫られたそれはソフトと同じメーカーが出しているハードだ。
チョーカー横、斜めの穴が空いたところにメモリカードのようなソフトを差し込んで読み込ませたあとそれを頭から被りベッドへ体を沈ませる。
目線による操作で必要な手順をこなせばサービス開始まで秒刻みになっていた。
刻一刻と時は迫り僕の鼓動も比例するようにペースを速めていく。
3………………2………………1
────ついにその時が来た
深呼吸してからゲームを起動するためのパスワードを入力する・・・
「『ゲートオープン、クラウンゲッター』!」
ちょっと短めですね。まぁこれもプロローグに分類できる感じのないようですけど・・・個人的にはちゃっちゃとゲームのなかに入りたかったんで人によっては『もっと丁寧に!』といわれるかもしれませんね。
要望が多ければ書き直します。