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兄転生、妹召喚  作者: 睦月 朔日
第一章~未定~
7/14

~第6話 日常の終わり(2)~

相変わらず、執筆が遅くて申し訳ございません。


ネタはあるんですが、うまくまとまらないのと、作者の表現力の無さにうまく執筆が進みませんorz


表現力もっと高めたいな。。。

 ――タッタッタッタ――


 俺は家から診療所まで駆けって向かった。


 診療所に行くと、既に父上と母上は彼女と話をしていた。


 ただ、なんだか室内が凄い重苦しい雰囲気だったので、俺はちょっと入りたくても入れないで、診療所の前でオロオロしていた。



「――では、あなたが襲われたのはこの村の近くで間違いないでしょうか?」

「えぇ、そうね。恐らく一番近い村はここになるでしょうね」

「なるほど。ではやはり……」


「ジョゼ」


 俺の気配を察知でもしたのか、母上が父上を制した。



「おっと、すまない。ではこの話は後でよろしいかな?」

「えぇ。こちらはそれで構いません」


 父上たちは、先ほどの空気が何事もなかったかのようにして俺に声をかけてきた。


「ほら、レクサ。そんなとこに立っていないで、こちらに入って来なさい」


 父上が俺を呼んだので、恐る恐る部屋の中に入った。


「あ、あの。思わず来ちゃったんだけど、入っても大丈夫なの?」


 流石に先ほどの空気が気になってしまって、思わず聞いてしまった。


「気にすることはないさ。そんなことよりも、ほら。お前が見つけたお陰で彼女は助かったんだぞ」


 そう言って、彼女の目の前に俺を連れてきた。


「紹介しましょう。この子は息子のレクサナール。アリエスさん、あなたを見つけたで助けを呼んだのがこの子と、今は起きて来ていませんが、娘のシャロンです」


「そう。あなたが私を助けてくれたのね。ありがとう」


 彼女はお礼を言って、満面の笑みで微笑んでだ。



 うはー。なんて綺麗な人なんだろう。



 あの時は夜で暗かったしだったし、そもそもそれどころではなかったので全く気が付かなかったのだが、とても美しい人だ。


 恐らく年の頃は二十代前半だろう。髪はルビーのように赤く流れるような長髪で、その瞳は力強く燃えるように赤い目がとても印象的だった。


「あ、はい。もうお身体は大丈夫でしょうか?」


 俺は、突然の事だったので、少々戸惑ってしまった。

 思わず敬語が出てしまったくらいだしな。


「えぇ。これもあなたが助けを呼んでくれたお陰ね」

「い、いえ。そんな大したことはしてませんので…」


 生まれてこのかた、こんな綺麗な女性にお礼を言われたことがなかったために(勿論家族は別だが)、俺はかなり動揺してしまった。


 それこそ今でも心臓の動機が激しく、もしかしたら部屋中に俺の心臓の音が鳴り響いているかもしれない、と思えるくらいに動揺している。



 落ち着けー、俺!!

 向こうは年上、こっちは子供。うん、大丈夫。



 勿論何が大丈夫なのだ?と言ったツッコミは受け付けないのであしからず。

 それだけ、俺が動揺してるというわけなのだから。



「じゃあ、改めて自己紹介をしますね。私の名前はアリエス。一応冒険者をやってるの。ギルドの依頼でアウトゥールゴスで仕事をして、その仕事が一段落したからギルドがあるエグリロスに帰る途中だったの」


「エグリロス? アウトゥールゴス?」


 俺は彼女の口から出た知らない単語に思わず疑問の声を上げてしまった。


「あぁ。レクサはまだ行ったことがないから知らないだろうね。折角だから教えてあげようか」


 そう言って父上がわかりやすく説明してくれた。


 どうやら、アウトゥールゴスとは、貿易が主流の街のことで、陸路や水路での輸送で貿易の中継地点として栄えている都市のことらしい。正式名称が貿易都市アウトゥールゴスという名前で、様々なものを各地から集まってくる場所なので、別名『資源のるつぼ』などとも呼ばれてたりもするんだって。


 エグリロスは学術都市のことで、その名の通り、王国一、研究や学術が盛んな都市で、王国唯一の冒険者ギルドがある場所でもあるらしい。

 あ、冒険者ギルドってのは、以前説明した冒険者たちが所属する組織で、世界各地に支部が点在しているんだって。その一つがエグリロスにもあるらしいんだ。



「そうだったんですか。……あれ? じゃあなぜあんな大怪我を負ってたのですか? それに、あんな夜中に」


 俺は昨日の夜からの疑問をアリエスさんに聞いてみた。




「え!?」


 俺がその質問をお姉さんに投げかけた途端、先ほどとは打って変わって急に動揺しだした。


「あ、あぁそれは帰ってる途中で、ちょーっとだけ手強い魔物に襲われてしまったのよ。ちょーっとだけだけね! それで怪我を負ってしまたの」

「魔物ですか…。そうだったんですか」


 なるほど。魔物ときましたか。なんだか物騒だなぁ。まぁ日頃から隠れて魔物の相手をしてる俺としては、別にビックリすることではないと思うのだけど。


「そ、そうなのよ。そ、それよりも、私がどうして大怪我を負っていたのがわかったのかな? 確か発見され時は、もう傷がふさがっていたという話だったと思うんだけど……」



 うはッ!!!

 マズイ! これはかなり墓穴を掘ってしまったようだ!!



「え! あ、えっと……。お姉さんを見つけたときに着ていたローブが凄い血まみれだったから、きっと大怪我をしたのかと思っただけです! そ、そうだったんですか。大怪我はしてなかったんですね。よかったですね!」


「そ、そうなの?! そっか……。あははは……」

「うん! あははは……」


 と、とりあえず、これで誤魔化せたか?




 お互いの渇いた笑いが診療所中に響いた。


 先程まであった重苦しい空気がまるで嘘のようだ。



「さて、それじゃレクサ。そろそろ家に戻りなさい。私たちは少しだけアリエスさんとお話をしてから家に戻る」

「う、うん。わかった」


 ま、まぁここはボロが出ないうちに、退散しておくのがいいだろうな。


 正直ちょっと気になる事もあったのだけど、俺の秘密がバレてしまっては元も子もないしな。


 俺はそう思い、診療所を後にした。




   ◇◇◇   




 診療所から戻ってきた俺は、先ほどのことを思い返していた。



 危なかった。危うく俺の秘密がバレるところだったな。

 しかし、秘密といえば、彼女の話でちょっと気になる点があったよな。


 そもそも、彼女は冒険者という職業をしているらしい。

 仮にも冒険者だ。見た目的にも駆け出しには見えないし、恐らくそれ相応の能力があるはずだ。


 それだけの能力を持っている可能性がある彼女が、あそこまでひどい怪我を負うものだろうか?



「うーん……」


 何か隠しているような……。


 俺が先ほどのことで考えていると、寝室からシャルが起きてきたようだ。


「…ぁ。にーにぃ……。おはよう……」


 まだ眠たいのであろう。目を擦りながら俺に挨拶する姿は、人の母(父)性本能を掻き立てる愛嬌が溢れ出ている。


「うわぁ……。俺の妹はマジ天使だわ……」


 先ほどの疑問などすべて忘れてしまった俺は、その寝起き姿に心を奪われていた。


「……? にーにぃ……だいじょうぶ?」


 流石はシャルだな。マジ天使。

 まぁ当然だよな。シャルの可愛さを持ってすれば、世の中の男どもを魅了するなんて朝飯前のことかも知れないな。


 将来が楽しみのようで、怖いものだなぁ……。


 しかし、シャルも大きくなったら、男を連れて両親に挨拶なんて……。


 ……。


「俺は断じて認めんぞ!!」


「きゃぁ!」


 思わず大声を叫んでしまったせいで、シャルがびっくりしてしまった。


「……ぅ」


 俺のせいで、シャルが涙目になって、涙を我慢している。


 やばい、やばい!


「あー。大きな声を出してしまって、すまない! そ、そうだ。そろそろ父上たちが戻ってくるだろうから、一緒に朝食の準備をしよう。な?」


「……うん」


 ギリギリのところで、涙を抑えたシャルは俺と一緒に朝食の準備をし始めた。


 まぁ準備といっても、ほとんど母上が作って出て言っていたので、テーブルを拭いて、食器を並べるくらいだった訳だが。


 そんなことをしていたら、父上たちが戻ってきた。


「あら、そういえば朝食の準備の途中だったわね。ジョゼったら、急に引っ張っていくんですもの。すっかり忘れていたわ」


「む。それはすまない。患者の一大事だったんだ。許してくれないか?」


「いいわよ。さぁ食事にしましょう。あ、あとレクサ」


 俺は飲水用の水を井戸に汲みに行く所で、母上に呼び止められた。


「はい?」


「私たちの食事が終わってからでいいのだけど、アリエスさんの所に後で食事を運んで行って欲しいの。私たちはちょっと村長のとこまで行かなきゃいけないから」


「村長のとこまでですか? …分かりました。食事が終わってからアリエスさんのところに運んで行きます」

「シャルも行く……」

 シャルが俺の服の袖を掴んでそう言った。


「あらあら。相変わらず仲がいいわね。じゃあお願いね」

「「はい(うん)」」




   ◇◇◇   




 食事が済んだ俺とシャルは、食事をアリエスさんのところへ運んだ。


 シャルが「おしょくじ……、シャルがはこびたいです」なんて言いながら、目を潤ませて訴えかけてくるものだから、お兄ちゃんとしてはは転んでこぼしてしまうかも知れないけど、シャルに食器を運ぶ役目を譲ってあげたのさ。


 まぁ特に問題もなく(むしろ家の隣なわけだし、何か問題があったほうがおかしいのだが)食事をアリエスさんに持って行き、彼女の食事が終わった所で、シャルを紹介してちょっと雑談をした。


 かなりの人見知りのシャルなのだが、アリエスさんのことはすんなり受け入れることができたらしく、俺のそばを離れて、彼女のベットの中に入ってしまったくらい彼女に懐いた。


 兄としてはうれしさ半分、悲しさ半分の気持ちだったのは言うまでもない。


 しばらく他愛もない話をしていたら、父上が村長のところから戻ってきたらしく、診療所に戻ってきた。


「二人共、ここにいたのか」


 なぜか、二人共神妙な面持ちのまま、俺とシャルを見た。


「ちょうどよかった、二人とアリエスさんに話がある」


 え? 俺とシャルとアリエスさんに?

 どうしたんだ?一体。


新キャラ登場ですね。


といっても、未だにタイトルとなっている召喚が行われていない件については、まだちょっと先になりそうです。


タイトル詐欺にはするつもりは無いので、気長に見守ってください(笑)


2011/12/15 主人公の一人称、誤字を修正

2011/12/25 誤字修正、主人公の口調を修正


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