第90話 冬休みの活動内容
成樹曰く、本当なら年末年始も藍葉の側にいたかったらしいが。実家から帰ってこいとのお達しがきたので、カウントダウンのときはテレビ通話しようというだけの約束を付けてくれた。
藍葉は卒論の下準備以外は、ポイ活のモニターのほかは左藤と決めた『宅配弁当メニュー』の総菜一覧をコツコツとPCでリストアップするなど、ひとりで頑張っている。出歩いてもいいかもしれないが、ポイ活のチェックイン機能を使うために歩行訓練してもと最初は思ったが。
冬休みに入って、体内時計のサイクルがポイ活を始める前と同じになりそうだったので……そこは、無理ない範囲で歩行杖を使って出歩いてはいる。親友の夏菜についてはバイト以外彼氏とのデート続きでSNS以外のやり取りはあまりしてなかった。
もともと、三年生になったらそんなもんだとお互いに思っているので、別に苦ではない。離れていても、ふらっと会えば話は弾む……それでいいのだと最近藍葉もわかってきたのだ。
「えーっと。煮物はかぼちゃ、さつまいも、サトイモ……じゃないのだと、地方の地野菜?的なの?」
端末を複数使用して仕事、などは藍葉くらいの素人ではまだまだ難しいと思っていたが。せめてタブやウィンドウの使い方はちゃんとしていこうとパソコン教室で習った範囲で自分のノートパソコンを使いこなしていた。
まだまだレポートより少し上の企画書作成からだが、左藤からも研修を受けているので今は特に注意をされたりしていない。
副菜のリストアップがあらかた終わったところで、ファーム用に使っているタブレットから通達のバナーが表示された。
『スープと弁当の容器改善完了。次の指示をください』
AIのキャラたちが、学習能力でもついたのか最近こんな感じの『質問』を寄越してくるのだ。最初の質問のときは、美晴が面白おかしく文言を作ったが……返答は来たので、仕方なしに似た形式で藍葉も返答を繰り返すことにした。
あくまで『ゲーム』なので、テンプレートをつくる上での参考になるのなら問題はないと思って。
「炊き出しの延長……ね? お金の復興がまだ組み込まれてないから、今ギルドが買い取る形にしたんだっけ? 直接売ると生産の数を限定しているから難しいし」
ファームも『三人』の敷地を合体させただけなので、育成キャラを実質管理しているのは藍葉がメインだ。成樹たちは普段の仕事以外にアプデの調整も並行しているために、余程困難なバグが出ない限りは藍葉に任せると言ってくれたのだ。フォローはその分大きいので、藍葉自身も苦ではない。
とりあえず、『炊き出し』に必要な次の指示をいくらか考えてみたが。数を増やせれるかどうか、その質問を返してみたがすぐには『クルス』たちからも返事がなかった。そこの学習能力については、少し人間味のある間隔があるので面白いと最近感じている。
「案外、この仕組みって……どっきりで、海外支援とくっついてたり?とか? いや、ないないない」
それ以上の、事情を知らない藍葉には彼らが『作られた存在』であっても、パラレルワールドの人間やそのほかの生命体だとまだまだ気づく要素が少ないので認識はしないだろう。認識したとして、『ハル神』『ナツ神』らの画策も兼ねて、彼らの世界を整える『手伝い』をしていたと打ち明けられるのも……まだ先のことだ。
次回はまた明日〜




