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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第61話 連絡版再開

 次の炊き出しの準備をしようとしたのだが、連絡版が復活していたのだ。


 朝飯を終えたあとくらいだろうか、連絡版の方から『ぴこぴこ』というような音が聞こえてきたため、なんだと思ったら連絡版に文字が刻まれていくところだった。



「お~。動いた動いた」



 管理者側でなにかあったにしても、こっちは炊き出しをする以外特にすることがなかったため有難い。リーナとの交流を深めることはあっても、向こうからのアクションがあれ以降なかったため……クルスもどうしていいのかわからないところだったのだ。


 これをきっかけに、連絡版に指示を受けて行動範囲とやらを増やす方で気がまぎれるかもしれない。


 そう思っていると、さっそく出された指示が。



『綿で糸を紡げ。糸をいくつか準備し、錬成で『服』を作成する。


 この服を復興支援に使用する……男物のみ作成。女物は隣接したファームに任せろ』



 と刻まれていくのに、首をかしげてしまう。綿はたしかに、畑の奥には植わっているのは見えたが、あれを糸にするだけで服が作れるというのか。


 しかし、外の炊き出しだけでは身なりを整えるための衣服が事足りていないくらい、クルスにもよくわかっている。それに、スキルもないのに『錬成』とやらが出来るのには興味が出た。



「男もんだけか。女の下着とか作れ言われたら困るから……ちょい、助かった」



 下着事情を知らない年代ではないが、家族でもない女の下着を触る以上に作るには抵抗があって当然。リーナとは隣人以上の関係には結局踏み出せないでいるし、付き合うかと言われれば……頷いてしまう自分がどこかにいた。


 あのようにうら若き乙女とも言える年代に、無茶なことはさせたくない。とりあえず、まだまだ恋愛初心者は同じというクルスも答えを引き出すのはやめておくことにする。とにかく、今は綿を収穫しなくては。



「ほい、ほい、ほい」



 枝ごと収穫用の麻袋に入れ、たっぷりになってからもう一度連絡版の前に行けば……小さな地図で家の中の『この部屋』行けと指示が書かれていた。その部屋に行けば、クローゼットがいくつもあるだけで……他と言えば、床に魔法陣のようなものが描かれているだけ。ここに、収穫した綿を置けばいいのだろうかとそのまま置いてみれば。



「おお……糸束やわ」



 ふたつ置けば、袋の中身がなくなったかのようにしぼむ。中を見れば、それぞれ違う色の糸の束が出てきた。


 もう一度起き直せば、片方の袋が膨らみ、中には男物のやわらかい下着が何枚も出来上がっていたのだ。これは便利過ぎる魔法かなにかなのだろうか。



「んー? 服作るのは管理者の好みなんか? 俺は綿を置けばええんやろか? その方が楽なら、それやし」



 むしろ、服のセンスなど村にいた頃も『着られればいい』程度の服装しかしていなかった。歩兵のときも同じような感覚。とくれば、綿をサクサク収穫していき、何回か往復したら……上着、シャツにズボン、靴下。あと、何故か靴まで出来たのですごいすごいと思うしかない。



「……リーナんとこも同じ指示出たんかな?」



 女物はあちらに任せると連絡版に刻まれていたし、勝手に上がり込んでいいのか少し悩んだ。気まずくはしてないが、やはり女側の敷地に行っていいかくらいは普通に悩む。


 キスもどきのアプローチはあれ以降ないが、リーナはそれなりにクルスへはわかりやすい好意を伝えてくれるままだ。嫌ではないが、やはり生娘を頂戴していいかの変な罪悪感がまだクルスにはある。



「……ええか。お隣さんやし」



 いささか適当な言い訳ではあるが、確認はきちんとした方がいいので行くことにした。お互いの敷地は建物以外似た構造なので、玄関まで行かないとそもそも気づかれないくらいに広い。リーナの家に入ったのは、あの日以来なかったが。


 本人がちょうど畑に出ていたので、向こうが気づくと明るい笑顔になってくれた。


 その笑顔に、もやもやしてた気持ちが晴れていく感覚がする。やはり、結局は単純な考えでいいのではとクルスもリーナという沼の中にのめり込みそうになった。


次回はまた明日〜

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