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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第2話 まずはマニュアル作成

 障がいがあれど、身体面の一部以外は健常者とほとんど同じ。スポーツなどの運動で授業の免除をしてもらっている代わりに、藍葉はレポート作成で勉学に励んでいた。


 レポート内容と言っても、別分野ではなくスポーツ科学や医学に関する『科学』や『化学』分野。藍葉の足にも、人工関節を手術で導入の提案……はなくもなかったが。


 それなりの費用に、今の技術では十年単位での入れ替えもあるために断念したのだ。まだまだ両親の生活にゆとりの少ない生活だったので、3Dでの人工関節の依頼もとても難しい。


 なので、藍葉の目標としては。その人工関節の手術費への費用に賄えないかと考えた。



「うーん。広告のリワードとかは今回除外? 似非ではなさそう」



 兄から渡されたタブレット端末を適当に触るも。もともと自分のスマホに入れていた、電子書籍のみしか転送は出来ない。初回なので、ミニゲームは予めDLしてあるパズルゲームを二種。


 藍葉はモニターのひとりでしかないので、最初は兄よりも上司側の指示に従ってもらうためだと。自分で準社員あたりに起用して欲しい要望は出したのだから、それくらいは受け入れる。


 そして、肝心の『ポイ活ファーム』とやらだが。二十年前からオンラインでもソフトでもあるような、『RPG育成』も兼ね備えたミッションアプリだった。


 通常だと『歩いて』『指定のポイントにてチェック』『広告を見る』などと、細かい指示をこなして『ポイント還元のリワード』を得るのが『ポイ活』の基本。他にも増えたが、根底ではそれらが多かった。


 このうち、運動については藍葉の場合却下。室内の移動でも背丈が伸びたことでバリアフリーに慣れるのが毎回大変。せめてもの、と両親や兄が共同で購入してくれた室内バイクで足腰を鍛える程度だ。それでも、一時間ゆっくり漕ぎくらいしか難しい。


 なので、今回のモニターでの内容に運動や移動はなかった。


 しかも、広告スキップも必要無しときた。但し、放置して熟成させる機能は搭載済み。まさに、時間だけは有限の藍葉にはピッタリのポイ活。


 ポイント還元後の、通販サイトとの連携はあの兄が妹の好みを理解しているので抜かりない。とくれば、基本的に自炊だけはちゃんとする藍葉にまず出来ることと言えば。



「宅配スーパーでの買い物メイン。余剰は、趣味と手術費用……いいね。運動はもちろんバイクするし」



 開発中なので、意見交換は『お問い合わせフォーム』中心に連絡手段は可能である。兄の仕事にあまり興味なかったが、なんだかんだで気にしてくれてたのだと少し感心。


 まずは、自分で選べる『チュートリアル』から組み合わせを選んでいく。



「移動……は念のため。読書、放置育成。レシートぽいのも全くゼロじゃない。広告は面倒だから無し。ミニゲームは脳トレ用に……」



 ある程度選び、放置育成という『アイテム熟成』と名前があった項目をいじってから……タブレットの中央にできた、半円状の『ファーム』を登場させた。


 ひと昔前にある『何もないステージ』からの育成ゲームと原理は同じだ。ここから、藍葉の行う『ポイ活』と連携させて育てていく……文字通り『ファーム』そのもの。


 まずは、AIのようにキャラメイクした原始の存在でも搭載しようとはしたが。



「んー? 好き勝手だと、やっぱり家とか自家栽培とか入れた方がいいかな? 基盤がないと生活し難いスタイル嫌い」



 千差万別あるパターンの中で、藍葉はまずファームの中を整えることから始めたのだった。


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