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ネスタリア大陸放浪記  作者: かとう しゅん
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第六話 食事ついでに情報収集

二人が食堂に着くと既に他の冒険者達が夕食を食べていた。


「あっ!お客さんは二人だからこちらに座ってくださ〜い」


少女に案内されて二人は指定された席へと着席する。

座った二人に少女が注文を取ろうしたら彼女に声が掛かる。


「リリーナちゃ〜ん、お酒お代わり!」


「ゴルドさん!ここは酒場じゃないですよ!飲みたかったらギルドの方に行ってください!」


受付の少女リリーナは後ろを振り向き、五人でテーブルを囲っていた冒険者の一人、ゴルドをを叱る。


「はっはっはっ!叱られてやんの」


「たはは、怒られちまった」


リリーナに怒られたゴルドは首の後ろを掻き、他の四人が笑っている。リリーナは顔を戻し二人の注文をを取る。


「お二人はご飯を豪華にしていますから通常の荒ぶる猪(ワイルドボア)のステーキと角兎(ホーンラビット)の香草焼きの他に豚鬼(オーク)のステーキか大雄牛(グレーターブル)のデミグラスシチューを選べますよ」


「へぇ〜、この辺で豚鬼なんていたのか」


「そうなんですよ〜。珍しく森に群れがいたらしくて、おかげで市場で安売りしてたんですよ」


豚鬼は基本的に大陸の北に生息していることが多く、エスカディアに姿を現すのは珍しい。


「それで何を注文しますか?」


「俺は豚鬼のステーキ!大盛りで頼むぜ!あっ今日は飲み物は水で頼む」


「私は大雄牛のデミグラスシチューを頼む。それと私も水で」


「主食はパンとライスがありますけど、どうします?」


「ライス!こっちも大盛りで!」


「では私はパンにしよう」


「は〜い。すぐに持ってきますね」


リリーナは二人の注文を取ると調理場へと向かう。

二人は料理が運ばれるの待っている間、周りを見渡した。

先程の怒られていたゴルドを含む五人のテーブルの他にまだ若い四人組のパーティが楽しく会話をしながら食べている。また、調理場近くのカウンター席では男性と女性が一人ずつ黙々と食べていた。どうやら現在この宿は十三人が泊まっているようだ。

他の客を見渡しているとゴルドが二人に話しかけてきた。


「よう!兄ちゃんら見ない顔だな」


「ああ、今日ここに着いたんだ」


「そうか!俺達ぁここを拠点にしてる“蒼玉の双剣”って言うんだ。一応銅級冒険者だ。よろしくな!」


「よろしくな。俺達は…あ〜…なんて名前だっけか?」


「“流浪の趣味人”だ」


「あ〜そうだそうだ。ってことでよろしくな。俺達も銅級だ」


「自分のとこのパーティー名を忘れるか普通!?」


「いや〜、ギルドの面倒事はこっちの魔法使いにやってもらってるんであんまパーティー名を言ってないから忘れてたわ」


「だっはっはっ!なんだそれ。お前面白いな」


バラックがゴルドとそんな話をしているとリリーナが料理を持って来た。


「お待ち遠様!熱いから気を付けてね」


「待ってました!」


腹ペコなバラックはゴルドとの会話を切り上げ、嬉しそうに食べ始める。


美味(うま)っ!美味っ!」


「…すげぇがっつくな」


ガツガツと食べるバラックを呆れた目で見るゴルド。


「はふぁはらふぁんふぉひはほんふっへふぁふへ…」


「ちゃんと食ってから喋れや!」


「モグモグ…ごくん!朝からちゃんとしたもん食ってなくてよ。すげぇ腹減ってたんだわ」


バラックとゴルドが話している中フリードもシチューに手をつけていた。


「うん、大雄牛の肉がよく煮込まれていてとても美味しいな」


一人食事を楽しんでいたフリードに声を掛けてかた人物がいた。


「あの…すみません」


「ん?」


フリードが顔を上げると若いパーティーの青年が近くいた。


「突然すみません、少しお話しよろしいですか?」


「構わないよ」


「ありがとうございます。あっ、僕の名前はニックスって言います。あの…どうしてこの時期にカーナーシャに?」


「あぁ…それはそこの相方の探し物がこの町にあると聞いてな。ニックス殿はこの町で活動をしているのかい?」


「はい。僕とあちらの三人で“深森(しんしん)の盾”というパーティーを組んでます」


「それなら斧の誓いのダガン殿が持っている斧を知っているな?」


「はい、それは勿論知ってますが…」


「なんだ?兄ちゃんはダガンさんに用があったのかい?」


「あっ、ゴルドさん」


フリードがニックスと話しているとゴルドが横から入ってくる。


「実はそうなんだよ。あっ、そういえば俺達の名前を言ってなかったな。俺がバラックでこいつがフリードだ。気軽にラック、リードと呼んでくれ」


「わかったよラック。それでなんでダガンさんに用があるんだ?」


「それがよ、そのダガンさんって人が持っている斧が業物だって聞いてよ。できれば触らせて欲しいと思ってよ」


「あぁ、あの斧か。ありゃ“雷轟斧(らいごうふ)“っていう斧であの『業物伝』に載ってる品物だ。だから信頼してる奴でないと触ることは無理だ」


バラックの願いに忠告をするゴルド。


「ほほぉ〜、予想より凄い(もん)を持ってるな。こりゃ是非とも振ってみたいな」


「お前人の話聞いてた!?」


「聞いてる聞いてる。まぁなんとかなるだろ」


ゴルドの忠告を聞いても楽観的なバラックであった。


「はぁ〜、そっちのリードさん?だっけ。こんな奴と組んで大変そうだな」


「この性格に慣れれば特に苦労はないさ。ところでニックス殿、一つ聞きたいことがある」


「はい、なんですか?」


「今日ギルドに寄ったのだが依頼書の貼ってある掲示板を見てなくてな。今はどんな依頼があるのだ?」


「依頼ですか?そうですね…やはりこの間の大討伐で討伐の依頼は殆どありませんね。後は採取の依頼と大工仕事ぐらいですかね。」


フリードはニックスに質問をしたがやはり予想通りの答えが返ってきた。


「けどもう少ししたら村の建設が始まりますから、建材運び等の護衛の依頼が増えると思いますよ」


「なるほど、村の建設はカーナーシャが主導するのか」


フリード達が通った草原に村を建設するのはどうやらカーナーシャが請け負うようだった。


「あぁ〜、食った食った」


フリードがニックスと話をしている間にバラックは食事を食べ終えていた。


「おっと、私も早く食べなくてはな」


「こちらも食事中にすみませんでした」


フリードはニックスとの話を切り上げ食事に集中する事にした。

ゴルドもいつの間にか自分のパーティーとの話に戻っており、カウンターで食べていた二人消えていた。

そうして二人も食事を食べ終え、まだ残っていたゴルドとニックスのパーティーに別れを告げ部屋へと戻る。


「なぁリード、明日ギルドに行く前に鍛冶屋へ行っていいか?」


「ああ、構わない」


「悪ぃな。それじゃおやすみ」


「おやすみ」


そうして二人は久しぶりのベッドで眠りにつくのであった。

ストックが全くない+文章を打ち込むのが非常に遅い為

投稿が亀更新となりますが良ければお付き合い下さい

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