表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネスタリア大陸放浪記  作者: かとう しゅん
1/13

第一話 お金の使い方は計画的に

初投稿です。

稚拙な文章で、おかしいところが多々あると思いますが温かい目で読んでいただけたら幸いです。

 ここはネスタリア大陸の西部『エスカディア王国』。肥沃な土地と恵まれた気候により大陸随一の農業国として発達した国である。また三代前の王が軍拡を行い周囲の国へ侵攻、次々と征服をし領土を拡大させ、今では『グラナダ帝国』、『神聖アルカイラ国』、『ナハト連合国』と並び四大強国の一つに数えらている。

 そんな強国エスカディアの最東端にある町『カーナーシャ』に向かう二人の冒険者が人通りの少ない街道を歩いていた。


「はぁ…カーナーシャにはいつになったら着くんだ」


 そうため息を漏らす男の名前はバラック・スタイン。愛称はラック。年齢は二十二歳。赤髪で長身、髪と同じ色の胸当てをつけている。布に覆われた両手剣を背負っており、腰にもショートソードを携えていることから剣士であることは間違いない。


「このまま行けば後二〜三日ぐらいだな」


 そう言葉を返す男の名前はフリード・アリスター。愛称はリード。年齢は同じく二十二歳。青髪で魔道具である眼鏡をかけている。服装は何かの文様が描かれているローブを着ており、腰に短い杖を差していることから魔法使いであることがわかる。さらに肩から大きな鞄を掛けている。


「リード!そもそも俺が食料の買い出しをしてる隙にお(めぇ)がいつの間にか魔道具なんか買ってくるから馬車代が無くなったんだぞ!」


 と憤慨するバラック。


「まぁ落ち着けラック。君もこの素晴らしい魔道具の性能を知ったら驚嘆して、馬車代に手を出したことを許してくれるはずだ」


 そう自信満々に言ったフリードは鞄の中から先程の町で買った魔道具を取り出した。


「…なんだこれ?」


 バラックが目にしたのは手のひらサイズのヒヨコの形をした置物だった。


「調整をするから少し待ってくれ」


 フリードはヒヨコの置き物をいじくるとカウントダウンをする。


「十、九、八…三、二、一」


 ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ…。


「すごいだろ!この置き時計型魔道具“ヒヨコちゃん八号”は!時計の機能だけではなく時間を設定するときっちりとその時刻に今のように鳴って知らせてくれるのだ!店員から聴いたのだがこの機能のことをタイ…」


 意気揚々とぺらぺら喋るフリードに対し、バラックは無言でショートソードを抜き、振り上げていた。


「…という訳でこのヒヨコちゃん八号を買えたのは…ん?どうしたラック。そんな怖い顔しながら剣なぞ構えて?」


「ふん!」


「うおっ!?」


 バラックがヒヨコを持った手を斬りにきたのをフリード腕を引っ込めてなんとか躱す。


「危ないではないかラック!」


「避けんなよリード。その置物ぶった斬るからよ」


「待て待て待て!一体何が気に食わないんだ!便利な機能だしこんなにかわいいフォルムしているのだぞ!」


「うるせぇ!懐中時計を持ってるくせにそんな下らねぇもん買ってきやがって!」


 この大陸では置き型の振り子時計が主流で中流家庭以上の大半が持っている。しかし、外出時でも時間が分かる懐中時計は魔道具の一種なので値段は高く、あまり流通はしていない。所有してるのは貴族か商人、または高ランクの冒険者ぐらいであった。

 しかし何故かフリードは懐中時計を持っている。それなのに時計に大枚をはたいたフリードにバラックは怒り心頭であった。

 下らない物と言われ少しムッとしたフリードであったがバラックの殺気にも似た気迫を感じ、さすがにマズイと思い謝る。


「わかった!悪かった!本当に申し訳ない!今後は気を付けるからどうか剣を納めてくれないか?」


「…まぁ買っちまったもんを今更壊したところで意味はないわな」


 フリードが魔道具を収集するのを趣味としているのは知っている。また、大金を払うのも毎度の事なのでバラックは怒りを鎮め剣を納めた。

 フリードはいつのまにか鳴り止んだヒヨコを大切に鞄にしまい安堵する。


「それにしてもリードの買ってくる魔道具には碌なもんがねぇな。俺が今まで見た中で役に立ってんのはその鞄と懐中時計ぐらいか」


 フリードが持っている鞄は実はかなり高性能な魔道具であり、大商会が持つ倉庫一つ分は入れられるのである。


「あぁこの鞄か?これは私が国を逃げ出す時に上司から餞別に盗…譲っていただいたものだよ」


「…今、盗むって言わなかったか?」


「気の所為だ。ついでに言うと懐中時計もこの鞄の中に入っていた物だ」


「お前を部下に持った上司も不幸だな」


 懐中時計を持っている経緯がわかったバラックは鞄を盗まれた上司を憐れんだ。


「それにラック、この鞄の中にはまだ君に見せていない魔道具がたくさん入っているんだぞ」


 先程の出来事を忘れたのか、フリードは楽しそうにバラックに伝える。


「あぁそうかよ」


 そんなフリードを見て、少し呆れるバラックなのであった。


 それから再び歩き出した二人は時々通り過ぎる馬車を横目に順調に町へと近付く。街道は緩やかな丘になり、辺り一面が草原となった景色はとても長閑なものであった。

 二人は取り敢えずこの草原で一旦の休憩を取ることにした。

 街道を少し外れた草原に座り、買い込んだ干し肉を食べているとバラックは不思議に思っていたことをフリードに尋ねる。


「それにしてもさっきからこの辺り、盗賊どころか魔物の一匹すら出てきやしねぇな」


「あぁ、それは出発前に酒場のマスターから聞いたのだがこの辺りに新しく村を作るのだとか。だから安全確保の為にカーナーシャの冒険者ギルドが総動員で大規模な掃討作戦を行ったらしいぞ」


「へぇ〜そりゃすげぇな。ギルド総動員とはねぇ。ということは金級冒険者パーティーもいたってことか?」


「どうやら金級冒険者のパーティーは別の依頼でいなかったそうだ」


「そいつは残念だ。まだ帰って来てねぇのかな」


 バラックがカーナーシャに行く目的の一つがカーナーシャの冒険者ギルドお抱えの金級冒険者パーティー、その一人が持っている武器を観ることだったので少し落胆する。

 そんな話しをしながら休憩を終えた二人は立ち上がり再び街道に戻ると、ゴトゴトと後ろからまた馬車がやってきた。

 振り返るとどうやら商人のようだ。

 御者をしている男性商人と荷台にはどうやら小さな女の子がいるらしい。しかし護衛を一人もつけていなかった。

 その馬車が二人の横を通るの見送ると荷台にいた少女がこちらに向かい笑顔で手を振ってくれた。

 二人も手を振り返し、歩みを進める。


「今の子、十年後には美人さんになってるだろうな」


「あぁ、間違いないな」


 この二人、かなりの女性好きである。

 その後も下らない話しをしながら歩いているといつのまにか丘の頂上に差し掛かっていた。

 その時、突如「きゃあぁ!」と少女の悲鳴が聞こえてくる。

 二人は急いで頂上に駆け上がるとそこには魔物に襲われそうになっている荷馬車の光景があった。



適当な設定集①

四大強国

エスカディア王国  農業国家

グラナダ帝国   軍事国家

神聖アルカイラ国 信仰国家

ナハト連合国   商業国家


年月日

一年=360日

一週間=6日

一日=24時間


曜日

光→火→風→土→水→闇



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ