ノックの音
ノックの相手は誰だろう
ドアを開けても誰もいない
暗い部屋にならないように
光を差し込ませてくれたのか
探し物はすぐ足元にあった
ノックの音に期待を込める
いつかドアを開ければ
沢山の食糧が置かれている
冷え込んだ身体を温めるような
薪の一束くらいもくれるだろう
ノックの音は希望の音になる
何度だって救いの手は差し伸べられる
いつかはきっと救われる
この密室から出してくれる
元の街に戻れる
ノックの音がまた聞こえる
次の救いを待ち望む姿は
もう手遅れなのだ