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散弾首相
「首相…?大丈夫ですか?」
「何かあったのか…。.」
「いや、違うよ…」.
帰ってきた過去から、私は目を閉じた。
まだ胸にこもっている弾丸の感触が鮮明だった。
「おかしいな」
一生国のために生きてきたのに。
私の一生はたった一発の銃声でその記録を終えた.
私の本心は、単に犬のほえる声に過ぎなかった。
「ただ、今になって気付いただけだ」
奇跡のような機会を通じてそれが分かった。
それなら、やるべきことは決まっていた。
「やっぱり人は、自分のために生きなければならないものだ」
「…え?」
22年、7月8日。
私の最後になるべきその日は、この世の最後になるだろう。