↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
86/109

その33 王宮にて 

次の日、私はザイン公爵様、ルースと一緒に陛下に謁見する為に登城した。陛下には初めてお会いする。かなり緊張している。

あのあとルースからは改めて聞いたが陛下はルースのお父様ということだった。

まあ、攻略対象だからこのくらいの設定は普通だ。

私の感覚なんだか麻痺してるわ。


頑張って背筋を伸ばしてはいたが腰は痛かった。

朝からルースにおねだりされて断れなかった…。

昨日の夕方から何度おねだりされたんだろう。


「ザイン公爵エドワード様、御子息のルーズローツ様、ヴィクセレーネ公爵ご令嬢シャーロレット様がおいでになりました。


王宮の応接間らしき豪華な部屋に通された。

私は深く頭を下げた。

今日はザイン公爵夫人のタチヒア様が急遽用意をしてくださった白に青のアクセントが効いたのワンピースに青に白の縁取りのあるオーガンジーのリボンだ。当然ザイン公爵家の紋章入り。


「そう堅くならなくても大丈夫だ。身内しかいないからな。」

私は頭を上げた。

陛下と王妃様、王太子殿下、レイクルーゼ様がみえた。

陛下は人払いをさせた。


陛下、ザイン公爵様、王太子殿下、ルース…4人とも金髪、碧眼…あ、いや。圧巻です。顔面偏差値MAXです。


「ルーズローツ、シャーロレット嬢、今回はいろいろ大変だったな。まずは無事でよかった。」

その後もいろいろ今回の件で聞かれたがまさか転生者が起こした事件ですなんて言えないから差し障りなく答えておいた。


「ルーズローツ、シャーリー、本当に無事でよかった。本当に心配したんですよ。いつも冷静なエドワード様が必死で見ていて楽しかったわ。ふふふ。」

「王妃様…それは…」

「ルーズローツ…本当に大事にされていて…よかった。」

「セリーヌ、ほら泣かないで。」

「だって…ルーズローツに何かあればマリーに申し訳なくて…」


マリー?あ、ルースのお母さんね。ここではみんな知っているのね。レイクルーゼ様も?


ん?レイクルーゼ様をみると目を真っ赤にしてボロボロ泣いていた。隣で王太子殿下がハンカチを差し出している。

今はまだ陛下と王妃様が話している。

見ては駄目だ。前だけ見よう。


「シャーロレット嬢、いや私もシャーリーと呼んでいいかな?」

私はうなづいた。何故か隣から殺気を感じた。

「ルーズローツと結婚してくれるそうだな。三年か、長かったような短かったような気がするな。なぁエドワード。」

「私も突然ヴィクセレーネ公爵令嬢と婚約させてほしいと言われた時はびっくりしました。」

「父上…やめて下さい。シャーリーが聞いています。」

「まあ、ルースいいじゃないか?どうしてと聞いたらお前は攻略対象だからって、何か変なこと言いだして気が狂ったと思ったよ。」 

「父上!!」

ルース、直球すぎ。

ザイン公爵様はルースの頭に手をかけた。

「まあ可愛い息子の初めての頼みだったのでうれしくて舞い上がりました。」


「ルーズローツ、本当は私もセリーヌもお前をひきとりたかったんだよ。申し訳なかった。」

私はルースを見た。

「何をおっしゃっているんですか?僕はザイン公爵家の次男です。ザイン公爵家の息子でよかったと心から思っています。」

ルースは満面の笑顔で応えた。そして私の方をみて同じように笑った。何も張り付けていない本当のルースの笑顔がそこにあった。

私はルースの手を握った。ルースも強く握り返してくれた。


「うっ…うっ…」

隣でザイン公爵様が泣き出した。えっ!

「ルース…嬉しいよ…嬉しいよ。お前にそんなこと言ってもらえて父は嬉しい。さあ!父の胸に飛び込んでおいで!」

あ、ホームドラマ?

「嫌。」          …〈完〉


ルースの一言でホームドラマは完になった。

「だってシャーリーが手を繋いでくれたんだ。こっちの方がいい。」

私達、バカップル…だ。

「本当にルーズローツはシャーリーが好きなのだな。シャーリー、ルーズローツをよろしく頼む。」

「私からもお願いするわ。」

陛下、王妃様に頭を下げられた私はどうしたらいい?


そんな時一層レイクルーゼ様の泣き声が大きくなった。

「うっうっ…うっうっ。もう駄目!我慢できません!」

スタスタと王太子殿下の制止を振り切りレイクルーゼ様が歩いてきた。


「シャーリー!!」

突然抱きつかれた。

「無事で…っ…無事でよかった。本当に心配したんだから。あら、手首に痣が…縛られてたのね。痛かったでしょう?シャーリー…」

「レイクルーゼ様…心配させてすみません。それとありがとうございます。」

私の肩でレイクルーゼ様は顔を横に振る。

「ごめんね。私が気づいていれば…もっと早く…ううっ」

「レイクルーゼ様…大丈夫です。無事だったんですから。」

「本当に無事でよかったぁ…」


結構友達思いな方だったんですね。


「怖かったですが、私は今まで一番大事なことを見失っていたんです。それに気づけました。そして一番大事なものを手に入れました。だからよかったんです。」

私はとなりのルースと顔を合わせた。

レイクルーゼ様が抱きついているにもかかわらずルースは私の耳元で

「シャーリー。愛してるよ。」

と囁き軽く耳元にキスを落とした。


「レイチェ、シャーリーの服が涙で濡れてしまうよ。ほらハンカチを…」

「でも…レオン様…うれしくて…」

ん?

ルースと私はレイクルーゼ様に近寄ってきた王太子殿下の顔を見た。


そして2人同時に声をあげた。


「「レイチェ???」」

「「レオン様?????」」


いつのまに2人の距離が縮まった?

泣いているレイクルーゼ嬢に甲斐甲斐しく世話を焼く王太子殿下がなぜかわいくみえた。







朝

「あ、シャーリー。サンドラが持ってきた君の服はそこのクローゼットにかけてあるよ。」

「ありがとう。」

「左に僕の服をかためたからシャーリーのは右側にあるよ。」

「ル、ル、ルース…」

「ん?シャーリーどうしたの?」

「こ、これは…何でこれがあるの…!」

しまった!交流会の時のメイド服!一緒にかけてあった!

「何か、王太子殿下が…あ、いや。レイクルーゼ嬢が持ってきて…あ、あ…」

「何で左側にあるの?」

?????

「わかった!ルースも着たかったのね!やだ、似合いそうね。」


はっ????!


レイクルーゼ、シャーリーともに同じオチ。

レオンハルトとルースは二人の誤解を解いて着てもらえたのでしょうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。