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その25 サンルームにて ルース視点

この頃シャーリーが以前に増してかわいい。

どうしたらいいんだ。


シャーリーが僕を好きだと言ってくれてからは特にまずい…理性を保つのが精一杯だ。

触りたい。触れたい。抱きしめたい。

あ…だめだ。どうしようか。


…今は新年の舞踏会の為、猛特訓中なのだ。

16歳になる僕とシャーリーには次の新年の舞踏会は成人として認められる大切な行事だ。だって16歳になるとようやく結婚できるんだ。

シャーリーは近いと叫ぶが仕方ない。

何故ならシャーリーは猛烈に運動神経が悪い。くっつかないと踊れない。

僕が支えて半分人形のように操らないと踊っているとは言えない。

僕だって必死なんだ。ヤバイ少し腕がつりそうだ。


その上シャーリーの胸が当たるんだ…。いやこのところ前にも増して体つきが女の人らしくなってきた。背はあまり伸びてはいないが腰回りは細っそりとして胸が膨らみがかなりわかるくらいになってきた。ほら今もムニュ…っといや…何だか思考が纏まらない。

そんな時に胸の大きく開いたドレスとか言わないで欲しい…。嫌でも想像してしまう。胸の谷間の見えるドレス。せそしてダンスをすると上から見えてしまいそうじゃないか。

あ…僕は割と硬派な設定のはずなんだよ。スマートにシャーリーの言葉を流せない。だって…その先を考えてしまうんだ。


「むっつり…?」

シャーリー…男はそんなもんなんだよ。美化しないでくれ。


でもさっき悪役令嬢はもう目指さないと言ったよね?

「じゃあ、僕と結婚してくれるよね?」

シャーリーには押していくことにした。だって彼女は割と流されやすい、というか情に厚いというか…まあ単純なんだ。

押せば必ず押されるはずだ。で、この頃押し続けている。

ほっぺにキスくらいは挨拶程度にできるようにはなった。

毎回シャーリーは赤くなるが、そこが可愛い。


まあ幾ら逃げても無理だよ。僕だっていろいろ考えているんだから。


レイクルーゼ嬢がやってきた。昨日父上から聞いたが彼女に側妃が決まったらしい。多分その報告をシャーリーにしにきたんだろう。


まあ少し僕達のおかげなんだから感謝してよ。


シャーリーと仲が良い→彼女が王宮に遊びに来る→僕の様子が聞けるもしくは僕に会う機会がふえる


陛下や王妃にとっては願ってもないことだ。あまり顔を見れない実の息子、親友の息子に接する機会が増えるんだからね。更にシャーリーに子供なんてできたら孫にも会えるチャンスが広がる。全面的に二人がレイクルーゼ嬢を推したって聞いたけどね。まあ、シャーリーは彼女を好きそうだし、彼女もシャーリーを気にいってるみたいだ。かなり辛口の中に優しさがあるのには笑えるけどね。

割と二人合ってるんじゃないかな?僕としてはシャーリーが楽しそうならそれでいい。

王太子殿下も満更じゃなさそうだし、彼女なら素晴らしい王妃になるよ。

婚約祝いは踊り子のコスプレセットにしてあげようかな?


新年の舞踏会の時に発表されるらしい。

次の日には婚約式が行われる予定だ。


ああ、あと何故か王太子の留学が突然無くなった。

多分ラルラリ草の事、ダマガラン王太子の命が狙われていた事、別荘に行った時の両親の仕事に関係しているのだろう。

シルバーサ王国が影で動いていたのは知っている。

多分近々婚約は破棄されるだろう。レイクルーゼ嬢は知っていたねか?そのところはやはり一度ゆっくり聞きたいところだな。


僕も決めたことがあるんだ。

新年の舞踏会の次の日には王太子殿下の婚約祝いのパーティーが行われる。

まあ当然公爵の地位だし僕もシャーリーも招待されている。その時は僕がシャーリーをエスコートするんだ。新年の舞踏会は残念ながら家族単位だ。だからシャーリーとは別々の入場になる。

だけど婚約祝いのパーティーでは婚約者として隣に立ってもらう。もう君が何を言ってもだめだよ。今急いでシャーリーのドレスを作らせている。僕の色の青のドレスだ。殿下の色も青だが今回は隣に僕がいれば大丈夫だ。もう隠さない。

しかしできれば婚約者じゃなくてお嫁さんがよかったんだけどな。お嫁さんなら新年の舞踏会も一緒なんだけどな。

君が僕を好きなのはわかったから後は僕と一緒にいたいって思ってくれるだけ。

その道のりが思ったより遠そうなんだが、シャーリーがそう思ってくれたらすぐに結婚しよう。


もう離さないって言ってるだろ?君の話を聞いたり、君が話してるのを聞きながら楽しみに浸るのは終わり。


シャーリー、そう君はそろそろ僕の腕の中に囚われる時間なんだよ。僕の腕に堕ちて永遠にその中にいればいい。

今度は君が腕の中にいる喜びに浸りたいんだ。


夢を見るならずっと僕の隣で見ていればいい。

もう諦めて僕のものになってね。

早く堕ちておいで。



「今日もまた青系のリボンをお探しですか?」

「ん〜何か良さそうなもの入った?」

「ああ、そういえばどこかに珍しい模様の入ったリボンが…ちょっと待ってて下さいね。探しますから。」


『あっ…踊り子の衣装があるな。青に金の縁取りか。

シャーリーにどうかな?しかし腕とかお腹周りとか透けすぎ。着ないだろうな。でも見てみたいな。うーん。 

でも見たい。見たい!』


「店主、これなんだけれども…」

「ああ、すみません。それは売約済みなんです。

おや?丁度取りに見えたかな。」

「シュライン第二騎士副団長??」

「げっ!!」

「誰かに贈るのですか?」

「決して殿下の頼まれものではありません!決して違います!違いますからね!!」





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